岩木山バックカントリーレポート|青森県を代表する独立峰 には無限のパウダーフィールドが広がる!

青森県にある八甲田山(標高1,266.5m)はバックカントリースキーの人気スポットとして、多くの人に親しまれる。
その八甲田山に登ると、西の方角に大きくそびえる容姿端麗な独立峰が見える。
それが岩木山だ。標高は1,625 mと県内最高峰。八甲田山と双璧を成す、青森県を代表する山だ。
また、その独特な山容から別名「津軽富士」とも呼ばれる。

そんな県を代表する岩木山は、頻繁にメディアに登場する八甲田山と対照的に表舞台にあまり出てこない山域だ。しかし、実際に滑ってみると我々スキー・スノーボーダーには堪らない、スティープ&メロウな斜面がそこかしこに広がる山だった。
今回は秋田アドベンチャーガイドのツアーに帯同した1DAYツアーレポートを紹介する。

【1 DAY TOUR -岩木山-】

9:30 青森スプリングスキーリゾート集合
10:00 ハイクアップ開始
11:30 西法寺森の手前から1本目のドロップ
12:00 リグループポイントから2本目のドロップ
12:15 昼食
13:30 登り返したあと、森の中で3本目のドロップ
14:00 つづけて4本目、5本目のツリーラン
14:30 青森スプリングスキーリゾートのボトムに帰還―終了

岩木山バックカントリーのルートはおもに4つある。山の南側にある百沢スキー場から登るルートか、東面にある弥生いこいの森から登るルート、同じく東面の大石の里から登るルート、そして北面の『青森スプリング・スキーリゾート』から登るルートだ。
今回はスキー場の索道を使って、体力を温存してバックカントリーに臨める、青森スプリングスキーリゾートから登るルートのツアーだ。

ゲレンデの中をハイクアップする案外貴重な体験

青森スプリング・スキーリゾートは21-22シーズンは機械設備の故障により山頂まで上がれるゴンドラが動いていなかったため、クワッド1のリフトに乗車して中腹まで上がる。ここからクライミングスキンを装着してゴンドラ山頂駅までおよそ20分歩く。
そして山頂(標高およそ900m)にあるバックカントリーエリアの入り口から岩木山へと本格的に登っていくことになる。
岩木山山頂付近は日本海から吹き付ける強風のため、シュカブラだらけなので滑ることはできない。実際に目指すのは標高1,288mにある小ピーク、西法寺森の手前だ。

前日には薄く降雪があった

歩き出しは、青森県と秋田県境にある白神山地を彷彿とさせる、美しいブナ林が続く。
木の中なので風の影響も受けにくく歩きやすい。岩木山は入山者が多くないので、この日も先行隊のトレースは一組だけ。歩いている途中からノートラックのツリーランが楽しめそうな斜面が広がっている。
「歩いているとお客さんからよく、『この斜面は滑らないんですか?』『ここ滑りたいです』って言われるんですよ。それほど魅力的な斜面があちこちに出てきます。もし滑りたい斜面があったら遠慮なく言ってくださいね」
と今回ガイドを引き受けてくれたの秋田アドベンチャーガイドの藤村岳毅さんが声をかけてくれた。

スキー場を出てから30分ほどで、麓の景色が見える広いスペースに着いた。ちょうど1時間近く歩いたタイミングなので小休憩をする。
この場所からは陸奥湾も見える。

木々の間から陸奥湾が見える。歩き続けると景色が変わって疲れを感じさせない
正面に見える山が西法寺森の小ピーク。手前に先行隊のトレースがあった

休憩後は西法寺森を目指して再び歩き出す。休憩以降は視界が開けたまま疎林帯を進んでいく。さらに歩いて1時間ほどで西法寺森の手前のドロップポイントに到着する。森林限界のため風を遮るものがなく、強風が吹きつける。
斜面は風によって固くパックされているので、板や荷物を流さないように注意しよう。

標高をあげると徐々に森林限界に近づく
西法寺森手前のドロップポイントは風が強いので素早く滑走の準備をする

西法寺森からは岩木山山頂が目の前に見える。岩木山に見守られるようにオープンバーンへドロップ。
適度にパックされた雪は、板が走り踏めば下層に眠るフワフワな雪を足裏で感じられて心地の良い一本。
最高の景色のなかを爽快に滑り降りた。

西法寺森の直下はご覧の通り、まっさらなオープンバーンが広がる

さらに、リグループポイントからもう一本。ここは風の影響が少ないのか、パウダーが溜まっている。

青空が出れば最高のロケーションになる

オープンバーンを堪能した後はトラバースしながら標高を下げて森の中へ。ここでお昼休憩をはさむ。
「お昼ご飯の取り方はガイドさんによっていろいろありますが、僕はしっかりと腰を落ち着けて、時間を設けてご飯を食べるようにしています」
とガイドの藤村さんは話す。きれいなブナ林の中で非日常的なピクニック気分も満喫できる。

たどり着いた次のポイントは、陸奥湾を一望しながら滑れる絶景スポットだ。ツリーランもできるし、オープンも滑れる。メンバーそれぞれどこを滑るか相談し合ってドロップする。滑れる範囲は広いので、どこを滑ってもノートラックだ。

板が走る雪なので、アッという間に滑り降りてしまう
木の中はパウダー祭り。前日の降雪が少なかったので、あまり期待はしていなかったが想像以上のパウダーが保存されていてツアー参加者から歓喜の声が上がる

さらにそのまま森の中を2本滑る。森の中は風の影響が少なく、フワフワと軽い雪がたくさんある。3月中旬というのに、まだまだ上質なパウダースノーが眠っていた。

ガイドの藤村さんも軽快に滑る
ノートラックパウダーをショートターンで存分に堪能する

オープンバーンにツリーランと、たっぷりと楽しんだあとは沢のなかを滑って、青森スプリングスキーリゾートのゲレンデへ復帰して終了となる。

3月中旬ともなれば、本州の各スキー場では春スキーの様相だが、岩木山はまだまだハイシーズンの雪が残っていた。スキー場から索道を使って標高を稼げるうえに人は比較的少なく(この日居たのは自分たちのほかに2グループだけ)、パウダーが保存されていて、オープンバーンもあればツリーの間隔も程よい。バックカントリーの魅力をすべて詰め込んだような山だった。

ツアー名岩木山ツアー(秋田 アドベンチャーガイド)
平均ハイク時間約2時間半
ガイドレシオガイド1~2:ゲスト1~10名
必要装備ビーコン、シャベル、プローブ、登攀具、ヘルメット(推奨)
難易度(必要BC経験レベル)BC初中級者 スキー技術は中級以上で新雪も対応できるレベル
参加費用12000円~、プライベートガイド(1~6名)46000円
予約・問合せMAILftarbo0928@gmail.com  TEL:090-9516-5114

取材・執筆:小野塚大悟

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