フリースキーヤーにとって北海道はパウダーの象徴的存在。 北海道の安定的な気温の低さと内陸性気候が生み出す「超ドライ」な粉雪。 “JAPOW【ジャパウ】”の発祥地として、その名を世界中に知らしめているパウダーの聖地がニセコだ。冬期には80~100日も雪が降り、積雪の深さはピーク時ともなるという驚異のディープパウダーフィールドだ。そこで、ニセコエリアでも特にJAPOWを満喫できるスキー場の名物パウダーコースを大紹介!
ニセコモイワスキーリゾート
誰にも教えたくないパウダーサンクチュアリ
ニセコエリアの入口に位置し、NISEKO UNITEDからは少し距離があるため、ニセコの隠れ家的存在。モイワを訪れる最初のきっかけはNISEKO UNITEDが混んでいるからエスケープしてきた、パウダー争奪戦が熾烈ですぐにパウダーがなくなってしまうから、という人も多い。しかし、ひとたびモイワに来たら、そのパウダーフィールドの大きさと豊かさに感動し、たちまち虜に。 モイワはパウダーサンクチュアリ(聖域)とばかりに、ローカルをはじめ、JAPOWハンターたちに絶大な支持を集めている。
リフトは3本しかないコンパクトさながら、スキー場からサイドカントリー、バックカントリーに行ける範囲は非常に広い。モイワはひと晩でまとまった雪が降りやすく、一晩で胸まで積もることもある。積雪量は4mにもなり、ディープパウダーでも有名だ。モイワのパウダースノーは、適度な湿気を含んだクリーミーなパウダーで、雪の結晶もしっかりとしているのが特徴だ。
ニセコモイワの名物パウダーコース
・白樺コース
最大斜度:-度 平均:-度 / 距離:500m / 斜面向き:南
クワッドリフト直下の非圧雪コース。クワッドを降り、左手にアンヌプリと羊蹄山を眺めながら、森の中にダイブすると沢のような地形や開けたツリーランが楽しめる。木々の間は感覚が広いので各自の安全な速度で楽しむことができる。通い詰めると好みのラインが見つかるに違いない。エントリーポイントが多いので午後でもノートラックの可能性も。
・ジャイアントコース
最大斜度:-度 平均:-度 / 距離:600m / 斜面向き:南
クワッドリフトを降りて、すぐ下に降りるとジャイアントコース。パウダーには最適な平均24度以上の開けた斜面はゲレンデ下部からも見えるステージ。そのままメインバーンに繋がり、圧雪脇のパウダーゾーンを滑るか、エキスパートコースや林間コースに繋げて。パウダーと圧雪の繰り返しは病みつきになる。
+PLUS モイワボウル
ゲレンデトップに設置された6番ゲートを越え、ハイクなしでエントリーできるバックカントリーエリアは通称「モイワボウル」と呼ばれる有名なパウダースポット。一枚の広いバーンで斜度も程よく、パウダースプレーは軽くウエストサイズに。
10番ゲートからエントリーするスポットは自然地形の豊かなナチュラルパーク。ナチュラルバンク、マッシュやジャンプポイントなども多く、ワイルドなバックカントリーランが楽しめる。この2つの魅力的なボウルがクワッド1本でクルクルと回せるというのもすごい。ゲートをくぐるにはヘルメットと雪崩ビーコンの装着が最低限必要、「ニセコルール」を厳守するべし。
◆公式HP/https://niseko-moiwa.jp/ja/
ニセコHANAZONOリゾート
世界がひれ伏す「JAPOW」ここにあり
ニセコユナイテッドの中で最も東側に位置し、位置的にはニセコエリアで最も雪が積もりやすくパウダーリセット率は日本トップクラス、さらにパウダーの良いコンディションが維持される条件が揃っているHANAZONO。【JAPOW】のルーツともいわれる世界最高品質のドライパウダーがたっぷりと溜まった幻想的な美しい森で、日本ならではのツリーランが楽しめると、世界中のゲストの憧れを集めている。
ヒラフからアクセスしやすいため、バックカントリーエリアから再びゲレンデへ戻ってくる場所、という流れで利用する人も多い。’21₋22シーズンから登場した「HANAZONOシンフォニーゴンドラ」は、ボトムから全長1,589mを山頂駅までをわずか5分30秒で運ぶ。ナイター営業もしているため、寒い思いをせずにHANAZONOでナイトパウダーライドができるようになったのは実に嬉しいことだ。
ニセコHANAZONOリゾートの名物パウダーコース
・レジェンド・オブ・シンヤ
最大斜度:30度 平均:14度 / 距離:896m / 斜面向き:北西
最大斜度30度のHANAZONO名物・非圧雪コース。花園第2クワッドリフトを降りて緩やかな初級マンゴーサラダコース、中級接続コースからアクセス、もしくは花園第3クワッドリフトを降りて羊蹄サンセットコースとクリスタルガーデンコースの中級コースを通ってアクセス可能。前日から雪が降り続いた翌朝にはパウダー目当てのライダーが集う人気のコース。
・ステアウェイ・トゥ・ヘブン
最大斜度:26度 平均:13度 / 距離:1200m / 斜面向き:北東
最大斜度は26度。花園第2クワッドリフトを降りて緩やかな初級マンゴーサラダコース、中級接続コースからアクセス可能。HANAZONOのベースセンターまで戻るルートのひとつ。コースの最後は初級のジューシーフルーツコースへのつながっている。コースを通して幅が広く、気持ち良く滑り降りられる。
・羊蹄サンセット
最大斜度:29度 平均:20度 / 距離:1238m / 斜面向き:西
その名の通り、羊蹄山を一望できるコース。花園第3クワッドリフトを降りてアクセス可能。一部、斜度がきつい箇所もあり。山頂に最も近いコースなので、より長い時間パウダースノーを堪能できる。
+PLUS ニセコワイスパウダーCAT
’22-23シーズンは、これまでコロナ禍で中止していたCATツアーも再開。ニセコHANAZONOリゾートがオペレーションする「ニセコワイスパウダーCAT」では、わずか12名でCATツアー専用の山ニセコワイスホルンを貸し切り。フレッシュなパウダーを滑りたい人には夢のような環境だ。予約は公式HPにて。
◆公式HP/https://hanazononiseko.com/ja/
ニセコ東急 グラン・ヒラフ
ニセコのJAPOWは夜にさらに輝く
ナイトパウダーが最高!
ニセコの中心部に位置し、パウダーから圧雪バーンまでコースバリエーションはニセコ随一の22本。どれもが斜度やうねりのある変化に富んだコースデザインで、上級者でも滑り応えはたっぷりだ。ツリーランもコース脇で手軽に楽しめる、どこでもそれぞれの滑走レベルに合わせたツリーランにチャレンジできるのが特徴だ。
グラン・ヒラフの存在感を際立たせているのが国内有数の規模のナイター。1日中途切れない降雪は夜になるとますます新雪が溜まり、気温が下がるとさらにキュッと締まって滑りやすくなる。幻想的な雰囲気で気分も上がる。
ニセコ東急 グラン・ヒラフのパウダー名物コース
・見晴コース
最大斜度:32度 平均:18度 / 距離:880m / 斜面向き:東
ヒラフゴンドラから5分程度のハイクによりアクセス可能な裏面的コース。森の中を駆け抜けるコースで、ツリーランが楽しめる代表格。非常に複雑な地形のため攻略は難しいが、その分チャレンジしがいのあるコース。このコースを滑らずしてニセコは語れない!
・ラージコース
最大斜度:32度 平均:19度 / 距離:650m / 斜面向き:東
ニセコグラン・ヒラフのトップリフトであるキング第4リフトから手軽にアクセス可能。森林限界を超えた標高のためオープンバーンとなっている。晴れた日には「羊蹄山」を正面に見据える絶景が楽しめる。
・粉雪コース
最大斜度:37度 平均:21度 / 距離:403m / 斜面向き:東
ヒラフゴンドラの真下に位置するコース。アクセスが非常に容易だが、捻じれのあるコースは、滑り手の想像力と発想で、いかようにも化ける。朝一の「まずは一本」にもおすすめできるコース。ゴンドラに乗っているギャラリーの視線も熱い。
◆公式HP/https://www.grand-hirafu.jp/winter/
ニセコアンヌプリ国際スキー場
ゲートを目指すもよし・ゲレパウも楽しい
ニセコアンヌプリの南西方向に広がるニセコアンヌプリ国際は、なだらかでワイド幅の初心者向けから急斜面、きれいにグルーミングされた中斜面、最長4000mのロングラン、パウダーツリーランまでバラエティに楽しめるコース全13コース。NISEKO UNITEDの4つのスキー場の中では最も幅広でフラットな中緩斜面が楽しめるのがアンヌプリの特徴。ロケーション的に見通しがよく開放感にあふれ、ゆったりクルージングするのがとても気持ちいい。
ニセコアンヌプリ国際はニセコナイテッドの中で、バックカントリーへのゲートが一番多く設置されている。アンヌプリ山頂を登山で目指せるバックカントリーゲートや「えぇ沢」G7ゲートが開放されている日には、多くのパウダーフリークが集まる。ゲレンデ内のパウダーも楽しくて外せない。それでいてグラン・ヒラフほど混んでいないため、意外と穴場的な存在だ。
ニセコアンヌプリ国際スキー場の名物パウダーコース
・深雪林間コース
最大斜度:34度 平均:24度 / 距離:400m / 斜面向き:-
アンヌプリ国際の下部にある周りを森に囲まれたコース。最大斜度34度とスティープなフェイスにニセコのJAPOW(ジャパウ)が溜まり、Steep & Deep なライドが楽しめる。
・ダイナミックコース
最大斜度:32度 平均:-度 / 距離:800m / 斜面向き:-
最大斜度33°のダイナミックコースはナイターも開いているので、日中から新雪が降り積もれば、夜のスティープ&パウダーが楽しめる。
+PLUS G7えぇ沢ゲート
G7通称「えぇ沢ゲート」から出てリフトおよびゴンドラの下を滑走していくラインで、その名の通り、沢状の地形で壁に当て込んだりジャンプしたり、豊かに遊びながらツリーランが楽しめるパウダー名物スポット。エントリーしやすく、リフトを目印に降りられるので道迷いの心配もなく、安心して楽しめるのも人気の理由だ。
◆公式HP/https://annupuri.info/winter/