積雪が豊富な新潟県南魚沼市にある舞子スノーリゾート(以下舞子)は、毎日のように降る雪を生かした非圧雪エリアやツリーランエリアの整備が進んでいる。2月に入っても頻繁に降雪があり、これからもまだまだパウダーを楽しめる舞子の楽しみ方を、この地をよく知るスキーヤー廣瀬健、スノーボーダー星宏樹の2人が教えてくれた。
まずは1月末に撮影された2人のショートクリップをみていこう
今回撮影されたPhoto gallery
インターチェンジを降りてすぐにある唯一無二のスキー場
舞子は滑るのも最高に面白いが、最大のウリはなんといってもアクセスの良さだ。関越道練馬ICから2時間少し車を走らせて、塩沢石打ICを降りて1分の立地にある。国内でも稀なICの目の前にある好アクセスのスキー場だ。
舞子がある新潟県南魚沼市は新潟県内でもとくに雪が降る豪雪地帯として知られているが、道路も消雪パイプなどの融雪機能が完備されており、雪道の運転は問題ない。
関東圏のスキーヤー、スノーボーダーにとても優しいスキー場なのだ。
アクセスの良さとともに、舞子の魅力である規模の大きさとそれに伴う斜面バリエーションの豊かさにも注目したい。舞子はリフト10基、26のコースからなり、最長滑走距離が6,000m(ランランコース)に及ぶ。
舞子はホテル側、ゴンドラ側と2つの入り口があり、ゲレンデは「舞子エリア」「奥添地エリア」「長峰エリア」と3つのエリアに大きく分かれている。
「舞子エリア」はホテルを有し、緩斜面が多いのでファミリーや修学旅行生などが多い(もちろん非圧雪斜面や上級者好みの斜面もある)。またスノーパークや土日限定ナイターなどの設備も充実。
ゴンドラ側にある「長峰エリア」は急斜面や中斜面が多く、中上級者に楽しい。ただ、その斜面を取り巻くように迂回路が整備されており、だれでも満足できるコースが整っている。
「奥添地エリア」はゴンドラ側の山の奥にあり、北向きの斜面が広がっている。その特徴を生かして、今回特に掘り下げて紹介したいツリーランエリアや非圧雪エリアが広がっているのだ。
また、ホテル側が入口である「舞子エリア」と、ゴンドラ側が入口である長峰エリア&奥添地エリアの間には連絡リフトが繋がっており、それぞれに行き来も可能だ。
非圧雪斜面とツリーランエリアの概要を掴む
奥添地エリアには奥添地クワッドリフトの横に3つのエリアから成るHaglöfsツリーランエリアがある。ツリーのなかは細かな地形変化に富んでいて、気持ちよく流すのに最適だ。斜度も比較的緩やかでどこを滑ってもゲレンデに戻れるので、ツリーランに挑戦してみたい人などにうってつけだ。なお、このエリアはウェブ事前申請の上、ヘルメットと腕章を着用すれば誰でも滑走できる。
そのほか舞子エリアのチャンピオンコース、ゴールドコースとシルバーコースの間の森もツリーランができる。狙う場所も多い。
ライダー2人による舞子パウダーの攻略法
以上が舞子パウダーエリア、ツリーランエリアの概要だ。3つのエリアにさまざまな非圧雪・ツリーランエリアがあるということが分かっただろう。では、パウダーを狙うために朝イチからどのように動けば良いか、ベストな選択を見つけたい。
頻繁に舞子へ訪れる、プロスキーヤー・スノーボーダーの彼ら流の舞子攻略法を聞いてみよう。
スキーヤー廣瀬健の場合
「朝イチはゴンドラに乗って、奥添地エリアに行きます。リフトを何本も乗り継ぐ必要がなく、一気に標高を上げられるのが舞子のいいところですね。そして奥クワ(奥添地クワッドリフト)にのって、非圧雪斜面の『グングンコース』のファーストトラックを狙いに行きます。グングンコースの上は一部圧雪斜面になるので、そこからまっすぐにスピードをつけてコースドロップします。自分は地形があって、雪も溜まっているところを狙って滑ります。斜度も急なうえに、ハイスピードでパウダーランができるので、その気持ちよさと言ったら、病みつきです」
「その次は、奥ペア(奥添地ペアリフト)に乗って、ゾクゾクコースの非圧雪斜面を大きなターンでダイナミックに滑ります。このコースは斜度があって幅広いこともお気に入りの一つですが、またリフトに乗った時に自分のシュプールがはっきりと見えるのがいいんですよね(笑)。
その後、Haglöfsツリーランエリアのゲート1から3まで順番に攻めていきます。
ゲート1は沢地形のため左に寄って行きがちなんですが、左に行きすぎると沢のボトムまで行ってしまうので、ゲレンデ復帰に時間がかかります。右側の奥クワを意識しながら滑ると、戻るのも楽でロングランができるのでオススメです。
ゲート2、3に関しては斜度が比較的緩やかで距離は短いけど、遅い時間に行ってもノートラックが残っていることがポイントです」
「奥添地エリアの非圧雪とツリーランを満足するまで滑ったら、オフピステゾーンへ滑りに行きますね。
もしくは、朝イチから奥添地エリアに行かずに、長峰エリアのオフピステゾーンへ真っ先に向かうのもアリです。面ツルであれば、ど真ん中を豪快に滑ってから、コースの左右空いているところを何本かノートラックで滑ります。ここはちょっと歩いただけでロングランパウダーが滑れるので人気のコースなのですが、早く行けば人が集まる前にパウダーを独り占めできるんです。
その後、奥添地エリアでパウダーが残っているツリーランエリアを滑る、という流れですね」
スノーボーダー星宏樹の場合
スノーボーダーの星宏樹は滑走場所のバリエーションの豊かさについて触れた。
「舞子はパウダーのバリエーションの豊かさが魅力ですね。たとえば奥添地エリアはメロウなツリーランもあるし、斜度があってハイスピードなパウダーランも滑れるので、色々な斜面を滑れます。スノーボードの場合は緩い斜度のツリーランでも、小さな沢や細かい地形に当てこめて楽しいし、晴れて板が走る日は心地よいスノーボーディングができるなって思います。ちょっと刺激的なランがしたければ、グングンコースやゾクゾクコースで非圧雪を滑れるので、同じリフトで趣向が異なるランができるのはいいですよね」
「朝はやっぱり、ゴンドラを上がって奥添地エリアに行きますね。そこで、あえてグングンコースのパウダー競争には参加せずに、僕は一部非圧雪とグルーミングが楽しめるグイグイコースでカービングとパウダーを楽しみます。コース脇パウダーもたくさんあるので、気持ちいいんですよ。あと、グングンコースは上級者向けの急斜面ですが、グイグイコースは中級者でも滑れる斜度なので、グングンコースがレベルに合わない人にもオススメできます。
そのあと、奥ペアが開いたらゾクゾクコースの非圧雪斜面を流します。コース幅が広いので、人が多くても探せば長い時間パウダーが残っています。そのあと、Haglöfsツリーランエリアを流す、という感じですね。あとは長峰エリアへ移動して、オフピステゾーンを滑ったり圧雪コース脇パウダーを滑るのもいいですね。朝イチはやっぱり奥添地に人が集中するので、早めに長峰エリアへ移動すれば、コース脇パウダーも十分、長い時間楽しめます」
「そうこうしているとあっという間に、お昼になっちゃいます。
午後は舞子エリアに移動して、チャンピオンコースとスノーパークを楽しむっていうのが1日の流れですね。
斜面バリエーションが色々あるうえに、エリアによっては斜面の向きが違うのでさまざまな雪質でパウダーを楽しめます。サラサラなパウダーや弾力のあるパウダーなど、舞子にきたらその違いを滑り比べられるのも面白いなと思います」
以上がライダーの楽しみ方だ。降雪が見込める狙い目な日は、ライダー2人が述べたようなイメージを持ってスキー場へ行ってみよう。
今回滑ったライダー
SB:星宏樹(左)
南魚沼で滑り続け、地元の山々で滑ったフィルミングやフリーライドのコンペティションなどに出場し活躍中。今季DRAGONファミリーの一員となった。
Instagram:@hiroki_nts
SKI:廣瀬健(右)
群馬県在住。いい雪を求めてフットワーク軽くどこへでもいく。雪が降った日はとくに舞子や中里をよく滑っている。
Instagram:@kenny_fjc
■Information
舞子スノーリゾート
〒949-6423 新潟県南魚沼市舞子2056-108
公式サイト:https://www.maiko-resort.com/
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