「実は当たるとすごいローカルゲレンデ」とは湯沢中里のことを指しているのではないか。そう思わせるほどの豪雪っぷりと魅惑の斜面を持つ湯沢中里。そんなローカルのゲレンデの魅力を地元ライダーの宮田恭兵、瀬田一真が語ってくれた。
まずは2人が滑った2日間の映像エディットをみてみよう。
湯沢中里を知り、非圧雪・ツリーランエリアの概要を掴む
ゲレンデの40%が初級者ゲレンデで、幅広くて見通しがいいコースが揃う湯沢中里。ファミリーやゲレンデデビューするユーザーに優しいスキー場だが、近年は非圧雪エリアやツリーランエリアにも力を入れている。それもそのはずで湯沢中里は「雪国」の名にふさわしく、ハイシーズンは一晩で腰の高さまで雪が降ることもあるほどの豪雪地帯。
湯沢中里は2つの山からなり、マップ右側の山が1本の初心者コースを除いて、まるまるっと非圧雪・ツリーランエリアになっている。5つの非圧雪コースはダイナミック・ジャイアント・チャレンジ・エクストリーム・トレーニング。
いずれのコースも平均斜度20度を超える斜面で、ひとたび雪が降ればふかふかのパウダーのうえを無重力状態で滑れるのだから、パウダーに力を入れるのもうなずける。チャレンジバーンは最大斜度32度もあり、ダイナミックとジャイアントも急斜面がおよそ600mもの長さで続く上級者向けの斜面。ツリーランエリアは線架下や一部危険な場所を除いて滑れる場所も広い。
これだけ充実した滑走エリアを第1クワッドリフトで回せて、どこを滑っても必ずベースエリアに戻ってくる、高回転率が中里の最大の特徴だ。リフト1本で5つの非圧雪コースと複数のツリーランエリアへアクセスできるのは、パウダー天国日本とはいえ、他スキー場でもそうないはずだ。
このように中里はパウダー好きが堪らない要素が豊富に揃っている。近年は太い板を履いて朝イチにリフト待ちをする人もちらほら見えるが、まだまだ知る人ぞ知る存在だ。快適にパウダーを狙いたい人にはぜひ訪れてほしい。しかし、これだけ選択肢があると初見ではどこをどう滑っていいか迷うはず。
そこで地元ライダーの2人に中里のパウダーの魅力とオススメラインを聞いてみた。
ライダーが語る雪が降った日の湯沢中里
スノーボーダー瀬田一真の場合
「中里は標高こそ高くはないけれど、湯沢の山間にあるから積雪量もあるし、雪が軽いんですよね。
一番の魅力は非圧雪の急斜面が多いところです。大雪が降ったら斜度が緩やかだとスピードが出なくてスノーボーダーは大変なんですが、湯沢中里はスピードが出せるから面白い。ジャイアントコースは非圧雪斜面のなかでも最も距離が長く滑れるので、僕は一番好きですね。この斜面を朝イチ、かっ飛ばすのが好きです(笑)。ダイナミックコースのレフトサイドは地形もあって、滑りながら、ジャンプしたりスライドさせたりして遊べますね。あと、チャレンジバーンの上部が、体感的に一番斜度があるのかな? と思いますが、ここも雪が降ったら最高ですね。チャレンジバーンにアクセスするための通路的なコースからスピードをつければ、ジャンプして入ることもできます」
「僕は地元のスノーボーダー達と、”雪が降ったら中里”っていう感じで、間違いない日にきます。詳しくいうと、降った次の日の晴れた日、とかではなくて、一日中しんしんとふり続けてリセットされるような日です(笑)。
急斜面が多いので、ボコボコになるとスノーボードは少し滑りづらい。なので、トラックも埋まってしまうくらいの日が中里のベストなタイミングです。
今回、撮影のタイミングではちょうど風が吹いていたのですが、中里の場合、斜面の向きが北から西まで色々な方角を向いているのも特徴です。強い風で雪が飛ばされるようなコンディションでも、どこかの斜面には吹き溜まっているから、パウダーがないことはないんですよね」
「1日の流れは、まず麓から見て右側のダイナミック、ジャイアント、チャレンジから順々に滑っていきます。中里の場合、朝イチに来た人だけが得してしまわないよう、営業開始とともに一気にコースを開けるわけでなく、ゲレンデの右から順々にコースを開けていくんですよね。だから、ゆっくりと確実にパウダーを楽しめるから安心です」
「非圧雪の場合はこの3つのコースをひとしきり滑って、ツリーランエリアを滑ります。
中里のツリーランエリアは斜度はあるけど、木々の間隔も広いし、ターンがしやすくてスノーボーダーには面白いですね。なぜ滑りやすいのかというと、滑走の障害となる小枝も整理して、安全に滑れるようにしているんですよね。中里は雪が降ってる日に行くので、視界が悪い時もたまにあるのですが、ツリーの中だったら視界がとれて滑りやすいので、非圧雪斜面を早々に切り上げて、ツリーランをして楽しむのもオススメですね」
スキーヤー宮田恭兵の場合
「僕は朝イチはジョイフルコースで軽く足慣らししますね。パウダーのファーストトラック争いには加わらず、ゆっくりスタートです(笑)
さっきカズマが言ったように、非圧雪コースがたくさんあって右から順々に開いていくので、ダイナミックコースやジャイアントコースのファーストトラックを狙わなくても、どこかしらのコースでノートラックは滑れるから焦らなくていいんですよね」
「非圧雪コースはそれぞれに地形や特色があって面白いんですが、とくにダイナミックとジャイアントはロングランができて、リフトの上から眺められるので”この場所でこう当て込んで、次はここの余ってるパウダーを狙って”みたいなイメージが立てられるんですよね。ダイナミックとジャイアントの間にあるツリーのなかもリフトの上から見えますしね。ジャイアントはオープンバーンなので大きなターンで滑るのが好きです。ジャイアントの上の部分は少し平らなので、そこをチョッカって、斜面中腹で大きく4ターン、っていう感じです。チャレンジコースも、コースの入口や中腹左側で起伏があってジャンプできるのが面白いですね。スキーセンターの建物前にあって注目度も抜群なので、まさに”チャレンジ”。注目されたい人にオススメです(笑)」
「あと、中里はツリーランエリアのなかにところどころマッシュがあるんですよ。それも大きなものだけじゃなくて、小さいのがポコポコとあるのが面白い。パウダージャンプをしてみたいっていう人にはうってつけです。ツリーランエリアが充実している他のスキー場でも、これだけマッシュがあるスキー場ってあまりないと思うんですよね」
「中里は上級者から初級者までが楽しめるゲレンデです。僕は雪が降って友人とグループで滑る時によく中里に来ます。友人はスキーヤーだったりスノーボーダーだったり様々で、みんながみんなハードに滑るわけではないので、ジョイフルコースで教えながら滑ったりできますし、幅広いジャイアントでパウダーを滑る楽しさを味わってもらったりしながら滑って、レベルが違うメンバーでもみんなで楽しめるのが中里の魅力だと思います」
麓にはキッズパークや雪遊び広場、無料休憩所が充実していて、ファミリーやグループに嬉しい設備が揃っている。子供や大学生のゲレンデデビュー、初めての雪国ユーザーにうってつけのスキー場だ。
しかし、それだけではないのがこのスキー場の奥深さ。ハイシーズンの雪が降った日に訪れてみれば、すぐにその魅力がわかるはずだ。
今回滑ったライダー
SKI:宮田恭兵(左)
新潟県南魚沼・湯沢エリアを中心に滑り、スキーに限らずスノーボードも上級者レベルの腕前という異色のライダー。
SB:瀬田一真(右)
同じく南魚沼・湯沢エリアで滑る。スキー場にとどまらず、バックカントリーに足繁く通ってフィルミングをメインに活動中。
■Information
湯沢中里スノーリゾート
〒949-6103 新潟県南魚沼郡湯沢町土樽5044-1
公式サイト:https://www.yuzawa-nakazato.com/winter/
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