Photo:Koichi Ishimori
グランスノー奥伊吹とは、 名古屋から50分、京都から80分、大阪から100分と、中京・関西圏からのアクセスの良さが自慢のスキー場。そして、上級者好みのパウダーや急斜面コースもラインアップする関西エリア最大級のスキー場だ。ちなみに、某サイトのスキー場の人気ランキングでは全国1位※にも選ばれている(※「ウェザーニュース」の全国スキー場人気ランキング2020-21調べ)。
今回は、グランスノー奥伊吹とはどんなスキー場なのか? なぜホットスポットとなっているのか? に迫ってみたい。滑ってくれたのは、奥伊吹のローカルであり、W杯や世界選手権など世界のモーグルコンペシーンで活躍した伊藤さつきだ。
グランスノー奥伊吹とは?
グランスノー奥伊吹は、関西エリアで今、とても話題と人気を集めているホットなスキー場だ。名古屋からわずか50分、京都から80分、大阪から100分、関西圏・中部圏のクルマ派にとってはインターからも30分と近くて、日帰りトリップには絶好だ。駐車場も2,700台収容とメガサイズ、ゲレンデに直行できるエレベーターもあるので、駐車場からの移動も快適だ。
電車やバスを使ってもアプローチはイージー。新幹線も停まるJR米原駅からはシャトルバスで55分、JR京都駅・大阪駅からも直行バスでアクセスが可能というロケーションだ。
また、グランスノー奥伊吹の’2021-22シーズンの来場者は約25万人。これは苗場スキー場や白馬八方尾根スキー場など東日本エリアの老舗スキー場とも肩を並べるスケール感だ。コロナ禍でまだまだ観光が厳しい状況下でも、グランスノー奥伊吹には、週末には6,000人、平日でもコンスタントに連日2,500人もがやって来ている。
人気の秘密①~信じられないほどの降雪量
グランスノー奥伊吹のパンフレットの表紙には、「積雪量11m82㎝・日本一!」と表現されている。滋賀県で世界一?と不思議に思うが、これがどこからきているかというと、世界最高の積雪量を観測した山「伊吹山」だ。滋賀県と岐阜県の県境に位置する標高1.377m(滋賀県では最高峰)の名峰で、日本百名山にも選ばれている。グランスノー奥伊吹は、その伊吹山麓にあるため、関西とは思えないほどの大量の雪が降り積もるというわけだ。
「奥伊吹のパウダーがすごい」のは、実は関西・中京エリア在住のスキーヤー・スノーボーダーにはよく知られている。奥伊吹のローカルでもあり、国内外で活躍してきたモーグルアスリート伊藤さつきも、降雪のあった週末の朝はパウダーハントにやって来る。
グランスノー奥伊吹のパウダーに伊藤さつきも大喜び
STEEP編集部が撮影に訪れた日は、2月初旬のとある平日。前日からフレッシュスノーが降り積もり、ゲレンデトップエリアはご覧の通りのノートラック。狙っていたかのように伊藤さつきが持ってきたのは、モーグル板ではなくパウダー用のファットスキー。スプレーを上げながらリズミカルなパウダーターンに「うゎ~★ パウダー気持ちいいー! とっても滑りやすい雪! メチャメチャ楽しいです~!」と、この笑顔。
人気の秘密②~スティープ&ディープな上級者向けコースがおもしろい
可愛らしいゲレンデマップとはうらはらに、グランスノー奥伊吹が誇るのは、パウダーや急斜面、ロングランなど多彩なフリースキーが楽しめるコースがあること。全14コース中4本のエキスパートコースを保有、そのうち一つはスキーヤー専用となる。晴れた日には美しい御岳山や遠く白馬連山が望めるのもスキー場のウリだ。
日本一と銘打つ最大斜度46度という急斜面や非圧雪コース、ブナ林のツリーラン、オリンピアも生んだモーグルバーン、スノーパークももちろんアリと、自分のレベルや嗜好に合わせて遊ぶのに申し分のない懐の深さなのだ。
評判のグランスノー奥伊吹のパウダーが楽しめるコースを紹介!
STEEPユーザーに向けて、「パウダー狙いならココ!」のイチ押しコースを紹介してもらった。
Heavenly46°
滑走距離:400m 斜度:最大46°/平均43° 北向き
なんと最大斜度46°は堂々の日本一のスティープぶり!バックカントリーを思わせるエキスパート向けコースだが、雪がしっかりとつき、コンディションの良いときしかオープンしないというスペシャルスポットだ。訪れた日は残念がらクローズしていたため、伊藤さつきは入り口でご紹介。
写真のようにコースの入り口からしばらくは細い廊下を辿っていく。トップに立ったときに、あまりの急こう配のためボトムが見えないというスリリングさ。ここにフレッシュパウダーが溜まった朝は、こちらの写真のようになるという。コースが開いていたら最高のNo.1だ。
モンブラン
滑走距離:500m 斜度:最大30°/平均25° 北向き
降雪後はパウダーライドが楽しめる非圧雪コース。モンブランペアリフトの降り場から左に尾根伝いを滑っていくラインだ。北向きのた雪の良いコンディションが保たれやすい。リフト1本で回せるのも人気の秘密。コーストップからは雄大なパノラマも楽しめる。
天狗岩コース
滑走距離:900m 斜度:最大30°/平均22° 北向き
ゲレンデ最上部からボトムに向かって滑り込むロングコース。天狗の烏帽子のような岩大きな岩が目印。基本は圧雪コースだが、コース途中に右に少しそれた部分にパウダーが溜まる三角形のスポットがある。パトロールは通称「おにぎり」と呼び、降雪後はローカル御用達のパウダースポットとなる。
スカイビューコース
滑走距離:300m 斜度:最大20°/平均13°
ゲレンデ最上部(1,250m)のコースでボトムからはリフトを3本乗り継いで到達。空気の澄んだ晴れた日には、なんと滋賀県から遥か長野県の北アルプスまでが望めるという絶景ぶり。美しいブナの原生林の中で静けさを味わいながらツリーランを楽しみ、ゆったりとした時間が過ごせる。人も少ないためパウダーが残っている確率も大。スカイビューリフトでクルクル回してツリーとパウダーを満喫できる。
チャンピオンコース
滑走距離:500m 斜度:最大33°/平均30°
伊藤さつきが幼少期から通い詰めた「スキーヤー専用」のチャンピオンコース。長さ500m、平均斜度30度のフェイスにハードなコブがきれいにビッシリと続く。世界で活躍するトップアスリートを排出してきた関西屈指の名コースだ。このコースだけを滑るために、遠方からもたくさんのコブマニアが訪れる。もちろん降雪後はご機嫌のパウダーラインになる。
人気の秘密③~すべてのメニューを制覇したくなるグルメ
グランスノー奥伊吹の人気は、コースの良さだけではない。ひと際充実しているゲレンデグルメにも注目したい。
センターハウスのフードパークピステとフードコートは、1,300席もあるという広々したスペースやスタイリッシュな内観もナイスだ。そこには多国籍でユニークなメニューが勢揃い。どの料理も「インスタ映え」する豪華な見た目で、かつ味のクオリティも上等だ。
この日、フードコートでSTEEP撮影部隊がチョイスしたメインディッシュはこの3品。
他にも石窯で焼いた熱々ピザやパエリア、洋食屋さんのようなオムライスや近江牛のステーキ丼、カルビラーメン、本格的なスイーツ、地元の農園とのコラボレーションで新鮮な素材をふんだんに使った奥伊吹ならではの味、など80種類以上ものグルメがバラエティ豊かに楽しめる。地元のクラフトビールもあり、日中から食事&カフェメインでまったりと過ごす人も。コーヒーなどドリンクは100円! お代わりしてつい長居がしたくなる。
奥伊吹グルメの達人?伊藤さつきによると
「どのメニューも本当に美味しいんです。見た目もお洒落。それに、ここにはゲレンデでの食事無料の食べ放題デーがあるんですよ!リフト1日券があれば1日中どれだけ食べても無料! 信じられないですよね! その日は1日中、フードコートで食べて飲んで、滑らなくてもいい!なんて人もいます。気持ちわかります~(笑)」
人気の秘密④~おもしろいことは即実践!の仕掛け人たち
いつも「何かある」お楽しみ感がすごい
グランスノー奥伊吹のイベントカレンダーを見ると、そのイベントの豊富さに驚くばかりだ。「レディスDAY」に「イケメンDAY」もあり、男性でもリフト券が2500円になる。その他、カップルDAY、高校生限定のリフト1日半額DAY、リフト券無料DAY、カップルDAY、高校生限定のリフト1日半額DAYなど、ほぼすべての人が対象になるリフト券が半額近くになる大割引サービスがある。
その上、バス無料DAY、さらにはお食事無料DAYなどという、驚きのスペシャルDAYまであるのだ。加えて、誰もが楽しめるお祭り的なイベントやキャンペーン、レッスンや大会など、常に「お得なこと」や「おもしろいこと」が、起きている。
これらを仕掛けているのが、この人たち
実はグランスノー奥伊吹はファミリー経営で、創業者から現在では3代目。今の奥伊吹の勢いは、まさにこのファミリーの剛腕ぶりによるものだ。会長の草野丈治さんは72歳で、年間滑走日数60日という現役バリバリの滑り手だが、人間心理を巧みに読む戦略家でもある。長男の丈太さんは社長で、自らこんなふうにモービルで現場を巡回したり、人工降雪機の稼働まで担当している。そして専務の次男・穣治さんは広報も担当で、スキー場内を常にアクティブに動きまわり、あちらこちらで写真をパチリ。SNSでの細やかなメッセージ発信にも余念がない。
ユーザーのニーズを敏感にキャッチし、トップがいいと思ったら即実践する。驚異的な集客力は、コースの良さ・山の面白さだけでなく、ユーザーの心に届く様々なサービスを、戦略的にスピード感バツグンの実行力で実現し続けているという側面があるのだろう。
「ゲストの笑顔のためにできることは何でもすぐにやります」という温かなマインドが、奥伊吹に独特のマイホームのような雰囲気を生み出している。伊藤さつきも、もちろんそのファミリーの一人。「大好きなホーム」というグランスノー奥伊吹の楽しさを、弾ける笑顔で教えてくれた。
伊藤三姉妹 × グランスノー奥伊吹
モーグルフェスティバル
2023年3月5日(日)開催!
伊藤三姉妹にモーグルが教えてもらえるモーグル教室!キレイにカッコよくコブを滑ったり、エアの上達を目指したりできる上級・中級コースと、初めてコブを体験する人にも丁寧に教えてくれるはじめて教室の2教室を開講! 奥伊吹のコブと伊藤姉妹に会いに行こう。
Navigator
伊藤さつき Satsuki ITO
2歳の時にスキーを経験し、5歳の時にモーグルの競技に出会う。2015年ワールドカップたざわ湖大会デュアルモーグルで2位に入り初の表彰台に立つ。日本の女子フリースタイルスキー・モーグルアスリートの「伊藤三姉妹(あづさ・みき・さつき)としても有名。オリンピックを目指して活動してきたが、現在は仕事の傍ら、より自由なスキーを追求している。
Support:
vector glide
swany gloves
white time tokyo
Instagram:satsukiito
■Information
グランスノー奥伊吹
滋賀県米原市甲津原奥伊吹
公式サイト:https://www.okuibuki.co.jp/
公式SNS:Instagram|Facebook|Twitter|You tube