まだまだ滑れる! 根本風花イチオシの春のエイブル白馬五竜

Photo: Takanori Ota

例年より早く進む融雪のため、徐々にクローズするスキー場もちらほら。けれども「雪、解けないで!まだ滑りたい!」というのが滑り手のホンネだろう。

コアな滑り手から、「ちょっとスキー・スノーボードを始めてみようかな」という初心者まで、雄壮な北アルプスの景色を見ながらスキーやスノーボードを楽しめる場所がある。それがエイブル白馬五竜だ。

このスキー場のゲレンデ上部は例年 11月下旬から5月連休明けまで滑れる長いシーズンが特徴。ゲレンデレイアウトは、「アルプス」「とおみ」「いいもり」の3つからなり、モーグルコース、パーク、キッズゲレンデなど個性豊かな専用エリアがある。ナイター実施期間中は毎日ナイター営業を行い、さらには土日祝限定で早朝のサンライズ営業も行っており、朝から夜まで滑りたいスキーヤーにとって魅力的なスキー場だ。

そんな五竜にベースを置き、エイブル白馬五竜のアンバサダーとしても活動する根本風花から、春の五竜の魅力とコース別の楽しみ方を教えてもらった。

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初心者でも眺め最高の山頂エリアが滑れる!パノラマコース

まずは初中級者でも安心の斜度とコース幅をもつ「パノラマコース」だ。滑走距離は850m、最大斜度18°、 平均斜度は15°。このコースは、山麓から五竜テレキャビン(ゴンドラ)に乗り、山頂のアルプス平駅を降りて、すぐ目の前にあるリフトを乗った先にある。

アルプス第1ペアリフトでアクセス

ゴンドラからの景色も素晴らしいが、さらにその上の山頂まで行くと大迫力の山々の絶景が待っている。ここまで難しいコースを滑る必要は全くなし。雄大な五竜岳をはじめとした白馬の山々がまるですぐ近くにあるかのように、大迫力なビックパノラマを眺められる。

根本風花のイチオシポイントは「山頂と聞くと初心者は用心しがちですが、アルプス平のコースは斜度も緩いから、安心してきれいな景色を見ながら滑ってもらえます」。
圧雪がしっかりと入り、朝一でも適度に締まった、ゆるやかなバーンを気持ちよく滑れる。

朝一はピステン跡が残り、春でも気持ちよくカービングできる

中上級者なら、エッジが雪によく噛みスムーズにターンができる。「スキー上手くなったかも⁉」と思わせる、いわゆる”勘違いバーン”だ。

シーズン真っ只中のパノラマコースは、とても寒さを感じやすい。標高1515mに位置し、スキー場からも「標高が高いため、防寒しっかりとしてください」と案内があるほどだ。しかし、春の時期はそんな心配は少ない。心地よい風を受けながら、ゆったり滑るのも楽しみ方のひとつだ。

このコースでの一番のビューポイントは、アルプス第1ペアリフトの降り場。ここは少し高台になっており、大パノラマを背景に記念に一枚、というのに絶妙な撮影スポットだ。

根本風花もおすすめのフォトスポット

中上級者はこのコースで腕磨き!グランプリコース

次に教えてくれたおすすめのコースはグランプリコース。中・上級向けで、滑走距離900m、 最大斜度23°、平均斜度 21°の五竜最大の1枚バーンだ。朝一締まった時の滑りやすさは格別だ。こちらのコースは北アルプスを背にして滑り、麓へ飛び込んでいくかのような迫力を味わえる。

アルプス第3ペアリフト乗り場からは白馬の街並みが見渡せる

ここは整地だけでなく、リフト脇には不整地もある。柔らかくなった春雪はコブの練習にも最適な環境。長いレーンもあれば、少し斜度が緩いところにもコブは出現している。

「バーンも緩まったので入ってみましょう」と誘う彼女は「コブが一番楽しいです!」と言うのだ。

それもそのはず。先日開かれた基礎スキーの全日本技術選では決勝15位という輝かしい成績を収めながら、指導者としても先生を指導する立場にあたるナショナルデモンストレーターにも認定された実力者。見事な滑りを披露し、リフトに乗っているお客さんの注目を集め、スノーボーダーから「え、うま!」との声が聞こえてきた。それを伝えると「やった~嬉しい!」と笑顔がこぼれていた。

リフト上のお客さんからの視線を釘付け

「コブの間隔が広いより細かいコブの方が好きです」と語る。それは何故か。
「コブの間隔が広いと切替が待てなくなっちゃうんですよね。私の場合は、間隔が長いとスキーのテールが出てしまう動きになりやすくて苦手です…(笑)」とのこと。


整地だけじゃない!地形遊びもできる

さらにグランプリコースにはちょっとした地形遊びができる場所もある。グランプリコースのスキーヤーズレフト側にゲレンデ内に残る木々があり、普段は印象のない地形が出ているツリーエリアを基礎のトップ選手が滑ったらどうなる…?と興味本位で尋ねると、「普段なら滑らないけど、滑ってみたいです!」じゃあ行ってみようと、下でカメラを構えて待っていると…

「今日の雪はずらしやすくて滑りやすかったです!」

さすがというか、確かな技術を持っているだけに当たり前だが上手い。地形に合わせた見事なライディングを披露し、撮影クルーたちを唸らせた。

ちょっとした壁への当て込みにも挑戦

「ジャンプして板をクロスさせたり、グラブするのカッコよくないですか?できるようになりたいな」
と、フリースタイル系のトリックへの興味も見せた根本風花。いずれそんな姿も見られるかも?


五竜名物のビュースポット 山頂アルプス平駅上の展望台

「実はゴンドラ山頂駅の上に展望台があるんです!」とおすすめしてくれたのは、北アルプスから浅間山や八ヶ岳まで、360°見渡せるビュースポット。ゴンドラを山頂で降りて、そのまま階段を上がってたどり着く景色は必見。景色を眺めながら、のんびり過ごすもの良さそうだ。

滑り疲れたら景色を眺めて休憩もOK

絶景テラスでランチ!展望レストラン Alps360

滑り疲れたらこちらのレストランへ。ゴンドラ山頂駅と隣接しているAlps360では、名前の通り絶景を眺めながら食事がいただける。外にはデッキもあるので、晴れやかな春の陽気を感じながら、疲れを癒せるスポットだ。

根本風花おすすめのメニューはボリューム満点の「信州味噌カツ丼」。シーズンの営業終了まである人気メニューだ。他にも信州ならではのメニューも充実しているので、是非立ち寄ってみては?

信州味噌を使ったかつ丼はシーズン終了までラインナップ

滑り終わったらオシャレカフェで一息 自然派喫茶Sol

エイブル白馬五竜のベースとなるエスカルプラザにはフードコートやファーストフード店などが入っている。なかでもおすすめしてくれたのが「自然派喫茶Sol」だ。ベジタリアン・ヴィーガン志向のカフェで、ドライフラワーが所々に飾られ、オシャレな空間を演出。まるで街ナカにあるような、オシャレなカフェだ。

地産地消・オーガニックにこだわり、身体にも優しい素材で提供

滑り切った根本風花セレクトは「ソイラテ」。スキー場内で本格的なコーヒーやドリンクでほっと一息つけるのは嬉しい。

お気に入りのソイラテ

滑り終わった彼女に改めて「五竜の魅力とは?」と尋ねると、「シーズンを通して初心者から上級者まで充実したコースがあること」。幼少の頃から五竜に通う彼女だからこそ感じる魅力だ。

「子供の頃はホントに自由に滑っていたから感じなかったんですけど、自分が指導者になってみて、すごい良いスキー場だなって思います。初心者がちゃんと最初から滑れるコースもあれば、上級者がしっかり練習できるコースもあるところってなかなかない。ゲレンデ内の移動が縦へコンパクトにできるっていうのは、すごい五竜の魅力かなって、指導者になってからすごく感じました。いいもりもすごい広いゲレンデで、安心して滑れるかなって思います」

「シーズンも長いですし、47と合わせれば結構広いし、いろんな楽しみ方ができますね。パークもありますし」

さらに五竜の魅力として挙げたのが、クルマで訪れる来場者が地味に気にかける「駐車場の立地の良さ」だ。スキー場のベースとなるエスカルプラザの周辺に駐車場が集まっており、スキー場への行き来がしやすいこと。週末など混雑する日はスキー場から少し離れた場所に停めざるを得ないが、シャトルバスが運行しているので、行き来もストレスフリーだ。

残り少ない雪に触れられるのも今のうちだ。是非シーズンの締めくくりに、コースの充実ぶりと最高の眺め、美味しいフードにカフェ、と3拍子揃ったエイブル白馬五竜にこの春出かけてみては?


撮影小話

以前STEEPで特集した「暑い夏こそ雪やスキーを感じられるTシャツを着よう! 2022 Summer T-shirts」にて彼女が手掛けるブランド「SPUR/s」を紹介したことがきっかけで、今回の撮影に参加してもらった。

この撮影日は技術選が終わった数日後。大会に向けて万全の準備を行い、それまでは気を張っていたという彼女だったが、この日はうって変わって晴れやかな表情だった。「久しぶりに肩の力を抜いてスキーを楽しめました!」と嬉しいコメントもいただいた。
そんな彼女の元気っぷりからか、撮影当日は天気が崩れる予報だったが、なんと撮影終了まで晴れ間が続くという奇跡も。何か”持っている”に違いない。

エスカルプラザ内には根本風花等身大パネルも設置。パネルと一緒に写真を撮るのも五竜の定番?に。

「始めは恥ずかしかったけどもう慣れちゃいました」とノリノリのご本人

教えてくれた人

根本風花 Fuka Nemoto

東京都生まれ。幼少期よりアルペンスキーを始め、東京から通いながら競技を続ける。高校からより競技に専念できる環境を求め、長野県飯山高校に進学。その後大学卒業と共にアルペンスキーから基礎スキーに転向。2023年3月実施の全日本スキー技術選手権大会では決勝15位。今季よりSAJナショナルデモンストレーターに認定。

自身のInstagram上にて「#スキー女子を流行らせたい」を発信しており、エイブル白馬五竜アンバサダーとしても活動中。

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ギア:FISCHER、GOLDWIN、FULLMARKS

Instagram:@fuka.nm

取材協力:エイブル白馬五竜

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