Photo:Tony Harrington
2024シーズンのニュージーランド南島スノーリゾート現況
8月、日本が真夏の頃、南半球ニュージーランドのスノーリゾートはトップシーズンを迎えている。6月初旬に南島のMt.Huttを皮切りに2024シーズンがスタート、6月は平均よりも乾燥して温暖な月となったが、7月はじめにまとまった降雪があり、各リゾートのリフトはフル稼働となった。
今年は例年よりも少し寒い冬となり、大雪シーズン!とは言い難いものの、ニュージーランドスキー&スノーボードの中心となる南島のスノーリゾートは安定的な積雪量を維持している。ちなみに南島の主要なリゾートでは、1日券が昨シーズンより$10~$35ほど値上がりした。(1NZD=88.46円 2024.8/2現在)
NZ南島の主要なコマーシャルフィールド
コマーシャルスキーフィールドは、営利目的でオペレーションされているスキー場で、スキー場は企業などが管理しており、雪上車や人工降雪機などで整備の手が入り、多数のリフトやレストランやショップ、レンタルやスクール、アップデートな情報提供など、様々なサービスが提供される商業施設だ。
ニュージーランドで主要なコマーシャルフィールドは日本人にも有名人気で、スキー・スノーボードアスリートたちがトレーニングのために利用したり、ツアー会社の旅行パッケージなども多い。ベースタウンからアクセスも良く、シャトルバスも運行されているので、海外旅行者には便利だ。
そこで、人気のコマーシャルフィールド5選を紹介していこう。
マウントハット|Mt.Hutt
マウントハットはこんなスキー場
ニュージーランド南島で最大のスケールを誇り、最もシーズンが長いことでも有名人気なMt.Hutt。最寄りのベースタウンのメスベンからはシャトルバスで約30分、
ベースから山頂までを一気に運ぶ6人乗りチェアリフトがリーチするトップの標高は2000m越え。一面に森林限界を超えたオープンスロープが広がっている。眼下に広がるカンタベリー平野から果ては太平洋までが見渡せる展望は息を呑むほど。
大自然のパノラマを愛でながらのロングコースから、美しいグルーミングバーン、ワイルドなオフピステまで、バラエティに富んだフィールドは、海外らしいいビッグスケール感を感じさせる。斜面の難易度も中級者向けが多く、硬くパックされたバーンは高速カービング天国だ。
滑り派の満足度の高さは言うまでもないが、なかでも難易度◆◆ダブルダイヤモンドの「ラカイアサドル」は、Mt.HuttきってのSteep&Powderが楽しめるゾーンとあって、フリーライド派にはたまらない。
南島のゲートウェイ(空港)のクライストチャーチからも日帰りが可能だ。毎朝シャトルが運行している(所要時間約100分)ので、朝、天気が良ければ山に上がって滑りを満喫、コンディションが思わしくないときは、街での観光が楽しめるというメリットもある。また、メインの滞在はクィーンズタウンやワナカにして、帰りのクライストチャーチからのフライト前に1日、立ち寄って滑るというのも贅沢なプラン。
■INFO
シーズン | 2024年6月14日(金)Open~10月13日(日)予定 |
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ベースタウン&アクセス | クライストチャーチ(クルマ1.5時間) メスベン(クルマ30~40分) |
リフト料金 | 1日券 $165 シーズンパス:$1075 |
共通パスなど | 提携しているコロネットピーク、リマーカブルの共同シーズンパス 3 PEAK SEASON PASS $1495 |
■Mountain情報
トップ標高 2,086m | 標高差(ベース標高) 682m(1,404m) | 平均降雪量 4.0m | 滑走エリア 365ha |
最長滑走コース 2km | リフト/その他 リフト3/カーペット1 | スノーパーク 4 | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map
カードローナ|Cardrona
カードローナはこんなスキー場
クラウン山脈にあるCardrona、ベースタウンとなるのはワナカ(所要時間約45分)またはクイーンズタウン(所要時間1時間強)。以前よりスノーボーダーに絶大な人気を誇るリゾートで、オリンピックスタンダードサイズの22フィート(6.7m)のモンスターパイプがあるのは、ニュージーランドの中で唯一Cardronaだけ。テレインパークもキッカーやジブアイテムなどとても充実している。
世界のトップライダーたちが集結するWinter Games NZも開催され、夏はCardronaでトレーニングしているナショナルチームやアスリートも多い。日本人のローカルが最も多く通い詰めているのもココだ。
Cardrona の3つの窪地にまたがるゲレンデはワイドスケールで、8人乗りゴンドラと、4基の4人乗りリフトがあり、他のリゾートと比べても機動力が抜群、効率よく滑りを楽しむことができるのがウリだ。2021年にオープンしたWillow's Basinは、オフピステ天国ゾーン。カキーンと硬いグルーミングバーンの印象が強いCardronaに新たなパウダー名所が登場とあって、フリーライド派もこれからはどんどん増える予感だ。
Captains Quadはスキーヤーに人気。 中斜面で幅がワイドなカービングバーンはNZでNo.1と名高く、高速カービングをロングで楽しめるのは、いかにも海外らしい。スキー場中央部には岩場のクリフやシュートもあり、フリーライドのエッセンスも十分に楽しめる。
■INFO
シーズン | 2024年6月15日(土)Open~10月13日(日)予定 |
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ベースタウン&アクセス | ワナカ(クルマ35分) クィーンズタウン(クルマ60分) |
リフト料金 | 1日券 $169 Multi-Day Passes 最大7日間まで買うほどディスカウントされ最安値 1日あたり$169 シーズンパス:$1749(トレブルコーンと共通パス) |
共通パスなど | リフト券+レンタルのパッケージ 1日 $204(18歳以上大人) 3日 $480 |
■Mountain情報
トップ標高 1,860m | 標高差(ベース標高) 600m(1,670m) | 平均降雪量 2.9m | 滑走エリア 465ha |
最長滑走コース 2km | リフト/その他 ゴンドラ1、リフト4、 カーペット3、プラッター1 | パーク 4 Half pipe2本 | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map
トレブルコーン| Treble Cone
トレブルコーンはこんなスキー場
ワナカから約35分と、ワナカエリアを代表するリゾートのTreble Cone。山のトップの標高は2088mと2000mを超え、最上部のリフトの地点1960mからベースまで実に700mという、ニュージーランド南島では一番の標高差を持ち、斜面もビギナー向けはわずか10%、中・上級者向けで全体の90%を占める、難易度高めともいえるリゾートだ。
NZで初めて6人乗りチェアリフトを設営した先駆的なリゾートとしても知られている。現在リフトは4人乗りのクワッドと2本。オープンは例年6月下旬と雪付きがやや遅め。
Treble Coneの象徴ともいえるのが、4㎞というロングコース。もちろんハードパックのきれいなグルーミングされたコンディションで、美しいワナカ湖を眺めながらのロングクルージングは格別。また、山頂まで6人乗りのHOMEBASIN EXPRESSで一気にアプローチし、そこから10分間のハイクをすれば広大なオフピステゾーンを滑走できるのも、Treble Coneならではのお楽しみだ。
Treble Coneでは、モーグルキャンプも盛んに行われており、日本のモーグルナショナルチームも例年、夏はここでトレーニングをしている。
■INFO
シーズン | 2024年6月29日(土)Open~9月29日(火)予定 |
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ベースタウン&アクセス | ワナカ(クルマ30~35分) クィーンズタウン(クルマ90分) |
リフト料金 | 1日券 $169 Multi-Day Passes 最大7日間まで買うほどディスカウントされ最安値 1日あたり$169 シーズンパス:$1749(トレブルコーンと共通パス) |
共通パスなど | リフト券+レンタルのパッケージ 1日 $204(18歳以上大人) 3日 $480 |
■Mountain情報
トップ標高 2,088m | 標高差(ベース標高) 700m(1,260m) | 平均降雪量 2.9m | 滑走エリア 550ha |
最長滑走コース 4km | リフト/その他 リフト2、カーペット1、 プラッター1 | パーク — | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map
コロネットピーク|Cornet Peak
コロネットピークはこんなスキー場
クイーンズタウンからわずか20分というアクセスの良さに、シャトルバスも便利に運行。NZで唯一ナイター設備を持ち、金曜、土曜の夜は16~21時までナイターが楽しめることもあり、とても人気が高いリゾート。
標高は1620mと比較的低めではあるが、なんと217基もの人工降雪機を稼働させることで常に安定したバーンコンディションを維持している。その数はもちろん南半球No.1だ。比較的、中・上級者向けの斜面が多く、コブ斜面もあれば、美しいグルーミングバーン、攻め甲斐のある急斜面と、バラエティなコースで様々な志向のスキーヤー&スノーボーダーを喜ばせている。
なかでもCornet Peakのトップ部の急斜面は有名。そしてフリーライド派が外せないのがバックボウルのオフピステ。コンディションが良いときにしかオープンしないが、降雪のあった朝は一番で6人掛けのハイスピードチェアリフトで一気にトップへアプローチ、ボウルに溜まったパウダーを滑りまくりたい。ワカティプ湖をはじめとする湖と山々を見下ろす雄大な景色は、ニュージーランドの大自然の豊かさを体感できる。
■INFO
シーズン | 2024年6月15日(土)Open~9月22日(日)予定 |
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ベースタウン&アクセス | クィーンズタウン(クルマ20分) |
リフト料金 | 1日券 $165 シーズンパス:$1495 |
共通パスなど | 提携しているMt.Hutt、リマーカブルの共同シーズンパス 3 PEAK SEASON PASS $1495 |
■Mountain情報
トップ標高 1,649m | 標高差(ベース標高) 462m(1,187m) | 平均降雪量 1.9m | 滑走エリア 280ha |
最長滑走コース 2km | リフト/その他 リフト3、Tバ1 基、 カーペット4 | パーク RAILガーデン | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map
リマーカブルズ| The Remakables
リマ―カブルズはこんなスキー場
クイーンズタウンから約 40分のロケーションのThe Remarkables、シャトルバスも毎日運行。1943mという標高の高さに加えて、北斜面であることから雪質のクオリティは極上、NZのスキー場のなかでも格別なパウダーライドが楽しめる。 The Remarkablesは下部に広がる初心者向けのビッグな緩斜面と、上級者やフリーライド派を魅了するオフピステエリアとが2極化しつつ、山全体として融合して、どんな技術レベル、志向のスキーヤー・スノーボーダーでも大満足に楽しめる山になっているのが特徴だ。
NZナンバーワンともいわれるエクストリームなホットスポットは、ベースから伸びるシャドウ ベイスンチェアで一気に上がってアプローチする広大なオフピステエリアHomeward Boundだ。豊かな自然地形を活かしたエリアでは、どこをどう滑ってもOK、自慢のファットスキーの威力を存分に発揮して楽しもう。面白いことにスキー場ベースよりも下に滑っていくことができ、ベースへは無料シャトルバスが運んでくれる。降雪のあった翌朝はThe Remarkablesに決まり!
■INFO
シーズン | 2024年6月15日(土)Open~10月13日(日)予定 |
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ベースタウン&アクセス | クィーンズタウン(クルマ45分) |
リフト料金 | 1日券 $129 シーズンパス:$599 |
共通パスなど | 提携しているMt.Hutt、リマーカブルの共同シーズンパス 3 PEAK SEASON PASS $1495 |
■Mountain情報
トップ標高 1,943m | 標高差(ベース標高) 468m(1,475m) | 平均降雪量 3.67m | 滑走エリア 385ha |
最長滑走コース 2km | リフト/その他 リフト3、Tバー1 、 カーペット4 | パーク 2 | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map
INFO
ニュージーランド政府観光局