新潟県南魚沼市は都心から関越自動車道に乗っておよそ2時間、抜群のアクセスを誇るスノーエリアだ。なかでも、群を抜いて交通利便性に優れるのは舞子スノーリゾートである。塩沢石打ICを降りて1分。目と鼻の先にスキー場があるのだ。「THE DAYなら舞子」と言われる、その理由はなぜか。舞子をよく知る二人の話を聞きながら探ってみよう。
アクセス抜群パウダーランに最適なゲレンデ
アクセスの良さから、ツアーバスが頻繁に出入りしたり、学生やファミリーに人気のスキー場、舞子スノーリゾート。スキー場の下部はなだらかな斜面も多く、初心者にも優しい。しかし、ここはもともと全国的にも豊富な積雪量を誇る地域。ハイシーズンになると、ドカ雪が毎晩のように降り、朝には腰まで雪が積もっているなんていうことも珍しくないエリアだ。
とくに舞子は非圧雪コースが豊富なので、上級者や滑り慣れた地元民にとっては「THE DAYなら舞子」というほど、パウダーランに最適なスキー場なのだ。そんなスキー場の魅力を知り尽くした舞子スノースクール校長の斎木さんと、スノーパーク造設などを手がける地元企業『スノーケース』の腰越さんに案内してもらった。
斎木さん:「舞子スノーリゾートは、すべてのジャンルのお客様に受け入れられるベースがあります。お子様やスキー・スノーボード初心者、ご年配の方、またはエキスパートまで、どんなお客様でも満足していただけるスキー場です。
スキー場の触れ込みとしては「初級者にうってつけ」と言っていますが、上級者も唸るような斜面も併せ持っているので、グループで来てレベル差があっても問題なし。だから、上達したり歳をとっても楽しみ続けられるんです。私は地元出身なのですが、地域のスキークラブに所属していた子供のころから舞子を滑っていましたし、社会人になってほかの某スキー場さんに勤めていた時も、休みを利用してわざわざ舞子に帰ってきて滑っていたほどです(笑)
今は40代になって、地元に戻ってきて舞子に勤めていますが、世代や年齢が変わっても色々な楽しみ方があるというのが、舞子スノーリゾートなんです」
腰越さん:「舞子スノーリゾートの魅力は一言では語り尽くせないですが、まずは景色ですね。ゴンドラを上がると正面に見える百名山の巻機山を中心とした絶景の雪山パノラマビューを堪能してほしいです。周囲の山々を一望できるのは、標高の高い場所にある舞子だからこそ。雪が降った翌日は木々も真っ白になるので、雪国らしさ溢れる抜群の景色が楽しめます。ゴンドラ山頂駅を出てすぐの場所にはカフェもあるので、そこでゆっくりするのもオススメなんですよ」
舞子は、3つのエリアに分かれる大きなスキー場
スキー場は「舞子エリア」「長峰エリア」「奥添地エリア」の3つのエリアに分かれている。舞子エリアはスキーイン・スキーアウトができるホテルがあって、緩斜面が多いので初心者〜中級者に人気。スノーパークもココにある。長峰エリアはゴンドラでロングランができる。奥添地エリアは非圧雪エリアや急斜面もあり、中上級者向き。それぞれ特徴が分かれているため、3つのスキー場が合わさった、とも表現できる。
2つの玄関口があり、長峰エリアと奥添地エリアはゴンドラステーションが起点だが、舞子エリアはマップ右側のホテル側が入り口となっている。
ゴンドラを使えば、一気に標高約850mまで駆け上がり、非圧雪コースが豊富な奥添地エリアへすぐにアクセスして、極上の雪にありつけるのが舞子の魅力のひとつ。
色々と見どころが多い舞子のなかで、とくにパウダーランがオススメなのはどこか、最適なルーティンとは? 2人に教えてもらった。
斎木さん:「奥添地エリアは山の奥まった場所に位置するので比較的、陽があたりづらく、いい雪がたくさん残るんです。新潟の雪は重いってネガティブなイメージを持たれることが多いのですが、そのなかでも奥添地の雪は東北に負けない軽い雪が降る日もあるんです。
また、奥添地エリアのコースは色々な方角を向いているので雪質も多種多様。コースが豊富なので時間が経ってもどこかしらにパウダーは残っています。
奥添地エリアの注目ポイントは、Haglöfsツリーランエリアです。比較的斜度が緩やかなツリーランエリアなので初級者にうってつけ。ゲート1、ゲート2、ゲート3とゲートが3箇所あります。1が最も斜度があり、3は斜度が緩め。オープンなパウダーランとは違った楽しさがありますし、バックカントリーへ行く前の練習にも最適です。
雪が降った日は、皆さん奥添地エリアの一番奥にあるグングンコースに向かうパターンが多いと思います。ここは面ツルの一枚バーンなので、滑っていて爽快なんですよね。
しかし、実は私が朝イチにオススメしたいのは長峰エリアのオフピステゾーン。ここはグングンコースよりも若干標高が低いので、先に滑っておきたいコースです。競争率が少ないので、ゆっくりとファーストトラックを頂いちゃう、というのもアリなんです。
ローカルの人たちは競争率の激しいグングンコースよりもオフピステゾーンをチョイスする人も多くいるんですよ。もしくは割り切っちゃって、スキー場向かって右側のホテルエリアにあるFWT ZONEに行っちゃうというのも手です。ホテルエリアはファミリー層が多いので、非圧雪斜面の競争率は低い。なので、ここでもゆっくりとパウダーを堪能できるというわけです。それで落ち着いてからじっくりツリーランを狙いに行くというのが私のいつものパターンですね」
奥添地エリアは雪がよくて、非圧雪コースもたくさんある。朝イチには定番のコースだが、あえてそこを外して、競争はせずに間違いなくファーストトラックを狙うのが斎木さんのルーティンのようだ。Haglöfsツリーランエリアはチケット窓口もしくはゴンドラ山頂カフェITADAKIであらかじめ申請してから滑るコースとなっている。
奥添地の山頂から麓まで一気に滑り降りるTop to Bottomは満足度も高い
腰越さん:「雪が降った次の日の抜群に晴れたパウダーの日をTHE DAY と呼んで、最高なコンディションで滑るわけですが、舞子スノーリゾートの降った日は、基本急斜面を踏まずにパウダーを残してあります。整地されたコースに雪を積もらせているわけだから、”パウダーの面” も綺麗なんです。そこをスピード出して長く踏んでターンするのは最高。それが僕のなかの舞子って感じです。
コースを一通り滑り倒したらデザートにツリーランが滑れるのも特徴のひとつ。木の間隔も丁度よく、ツリーランはゆっくり木を避けながらクルージングして楽しめます。木々が整備してあるので、ラインがいくつも選べていくら滑っても遊び尽くせない。滑ることが好きな人が設計していなければ、こんなに面白いコースにはならないよなー、と思います!(笑) 舞子はスキー場を運営しているスタッフもみんな滑るのが大好きなんですよね。」
「僕のオススメのルーティンは
①朝一に到着できたパターン
ゴンドラ乗車→奥添地のグングンコース→ゾクゾクコース→オフピステゾーン→ツリーラン→ITADAKI でコーヒー
② 遅刻してしまったパターン
長峰第1乗車で長峰第2に乗り→オフピステゾーン→滑り倒されたボコボコのグングンコース→ツリーラン→長峰フリーラン→ITADAKI でコーヒー
です。遅刻パターンもしっかり想定しています(笑)
あともうひとつ紹介したいのが、奥添地山頂から長峰第2乗り場まで流すフリーラン。足がパンパンになりますよー! 朝イチにハイスピードでカービングをしながら滑って、所々でパウダーもつまみ食いしつつ、迂回コースの壁も当て込みながら滑る。フリーライディングの醍醐味が一本に詰まっています。ハイシーズンだけじゃなくて、春になると壁も育っていい感じなんですよ。オープンしてからスキー場がクローズする3月末までずっと面白いってことですね!」
最後に舞子を知り尽くした2人が1日を楽しんだ映像をご覧ください。
スキー、スノーボード、年代や趣向が違えば滑り方も異なるが、様々な人が満足できるのが舞子スノーリゾートだ。パウダー、フリーライディング、パーク、カービングなど楽しみ方が豊富なので、1日滑っていても飽きない。誰もが一度でも訪れてみれば、その舞子の懐の深さに気づくはずだ。
■Information
舞子スノーリゾート
〒949-6423 新潟県南魚沼市舞子2056-108
公式サイト:https://www.maiko-resort.com/
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