フリースタイルスキーで世界に挑む!近藤心音に「フリサケ」で声援を届けよう!

その声援が世界に挑むアスリートをもっと強くし、もっと輝かせる。
2021年11月にキックオフとなったアスリートとサポーターをクラウドファンディングで繋ぐプラットフォーム「フリサケ」。この対象となっている長野県ゆかりの7名のトップアスリートの中から、【STEEP】的に俄然気になる白馬村出身の18歳、フリースキーヤー近藤心音さんに接近してみたい。

近藤心音|Kokone KONDO

「スロープスタイル」「ビッグエア」でFIS W-Cupを転戦、世界のコンペティションシーンで戦うフリースキーヤー近藤心音(こんどうここね)。2003年2月19日生まれの18歳。

スロープスタイルとは、その名のように斜面で‟スタイル“を競う種目だ。距離1000m前後の斜面に設置されたレールやボックス、エア台などでトリックを決めながらトップからボトムまで流して滑り、全体の印象や流れのスムースさ、トリックの難易度や完成度、エアの大きさ、個性的なスタイルなどがスコアで評価される。フリースタイルスキーの種目としては、日本ではビッグエアやハーフパイプに比べると、まだあまり馴染みがないかもしれない。

ジュニア時代からこのスロープスタイルを得意としてきた近藤心音は、2021年にはW-Cupスイス大会で予選2位・決勝7位の好成績を叩き出し、同年3月には世界選手権へ初出場、スロープスタイルで9位まで上ってきた。アスリートとして近藤心音が見据えてきたのは常に世界だった。18歳の今、紛れもなく日本女子のエースとして、この冬、北京オリンピックという夢の舞台に立とうとしている。

※映像はW杯予選で2位に入った際のラン


フリースキーヤー 心音ができるまで

日本のアルプス、白馬連峰を望む長野県白馬村で生まれ育った近藤心音。小さな頃から雪山は生活とともにあり、スキーというスポーツは身近にはあったが、なぜフリースタイルスキーだったのだろう? 

それは、父親がトップフリースキーヤーであったからだ。心音の父、近藤 信(こんどうまこと)は、フリースキーが世界的にブレイクした2000年頃に、日本のシーンを牽引していたライダーの一人。スタイルにこだわった独特のライディングで、国内外のビッグエア大会やフリースキームービーで活躍、「隊長」というニックネームで名を馳せた滑り手だ。コーチとしてもその実力は名高く、白馬の子供たちの指導や選手の育成などを長年手がけてきた剛腕。ちなみに心音の母も現役時代はモーグル選手&コーチだ。

「隊長」こと父親の近藤 信さん

こんな両親のもと、白馬村で生まれ育った心音がフリースキーに傾倒するようになるのに、理由はいらなかったのだろう。

心音が初めてスキーを履いたのは3歳の頃。それ以前から父親の背中におんぶされ、すでに飛んだりしていたこともあった。小さな子供が初めてスキーを覚える際によく使われるのがプラスチック製アタッチメントだが、これをキッズスキーの先端につけると自然にスキーがㇵの字に開いてボーゲンができる。心音も例に漏れず、このラバーバンドをつけて雪上デビューした。腰にも犬のリードのようなストラップをつけてもらい、チョッカリ(直滑降)するのを、信さんが後方から支えつつコントロールするのだ。

「後ろからストラップを引くとキュッキュと左右にターンして、操り人形みたいでおもしろかったですね。ある時は、ちょっと動きが妙だなって思って見たら、なんと寝てました!(笑)寝ながら滑ってるんですよ。これには驚きましたけど、小さな頃から雪の上ではいつも楽しそうにしていましたね」(信さん)。心音は信さんのスキーコーチの現場にもいつもついてきた。そんな環境で育ってきた心音にとって、雪上で過ごすことはごく自然だったのだろう。

アスリートへの転機

そんな心音に大きな変化が生まれたのは小学5年生のときだった。

当時の近藤心音

長野県が主催する『スワンプロジェクト』という選手育成・応援プログラムがあり、小学5年生の時に応募。心音は選抜テストに合格し、親子で参加し始めたのだった。

スワンプロジェクトでは、何年後の自分はこうなっていたい、と目標を明確にして、子どもたちに発表させていた。そこで心音は『オリンピックに出たい!』と宣言したのだ。

そこからだ。
スキーのイメージが変わり、スイッチがアスリートモードに入ったのは。

それから親子で毎週スワンに通い、心音は熱心にフィジカルトレーニングを、信さんはアスリートの栄養学を徹底的に学んだ。それを実践した料理を作り、栄養を管理したのは母。アスリートの体づくりに栄養の専門知識は欠かせない。これは、アスリートというものは子供一人では育っていかない、親による環境サポートも必須である、という考えによるものだった。

スワンに加えて土日は毎週、親子で必ず山に上がった。信さんが仕事で行けないときは母が代わりにコーチをした。小学校高学年になると参加できる大会もそれなりにあったため、表彰台を目指して親子で練習を重ねていった。

白馬エリアには世界基準のスペックを持つハーフパイプの練習場所がない。必然的に大きなパークのあるHAKUBA47などをメインに練習することで、自然とスロープスタイルの滑り方が身についていった。白馬のビッグマウンテンでフリーランの滑走ポテンシャルを上げながら、パークを流して滑るという形で、心音はトータルにスキー技術を磨いていったのだ。

トレーニングは冬だけではなく一年中続けた
ジュニア時代から常に表彰台に立ってきた

悔しさのなかで

「私は元々すごい運動神経がいい方ではなかったし怖がりだったので、この競技をしていく上で恐怖と戦う場面は何度もあって、泣きながら練習をしている時もありました。けれど今までできなかった技が完成して、自分の持ち技になった時の達成感は忘れられず、楽しくてこのスポーツが好きになりました」。と心音は言う。

W-Cupの舞台で

実はオリンピック出場へのチャンスは2018年の平昌で掴んでいた。技術的には届いていたはずなのに、当時14歳の出場可能年齢までわずか2カ月足りないことで五輪切符を逃し、悔しい思いを呑み込んだ。

何度となくケガにも苦労してきた。ケガして戻して、その繰り返し。2シーズン前にイタリアでのW-Cupで前十字靭帯を切断。このような大きなケガは回復に時間がかかり、復帰までには粘り強いリハビリだけでなく、強靭な精神力も必要になる。昨シーズンは世界選手権とW杯に出場したが、前年のケガからの復帰戦だった。そこで世界選手権9位、W-Cup7位と良い結果を出したのは、心音のアスリート魂と努力の賜物だ。

一方で、自分の力ではどうしようもないコロナという問題が起きた。コロナ禍に掻き回される中、すごく悔しい思いもしてきた。例年なら夏場はニュージーランドでじっくりトレーニングができるのに、制限で海外に出られない。はがゆさや焦りでいてもたってもいられないところに、SNSからは氷河でトレーニングしている海外の連中の動画や写真がバンバン送られてくる。これは気持ち的にきつかった。

心音がようやく日本を離れることができたのは10月下旬だ。現在はヨーロッパでトレーニングしながらコンディションを調整中、徐々に雪上の感覚に慣れてきたという。この後、スイス、オーストリア、アメリカとW-Cupやビッグエアの大会を転戦して、いよいよ2月、北京オリンピックを迎える。この時期に調子のマックスをいかに合わせるか、が勝負だ。

オリンピック出場の選考基準である「W -Cup8位以内」というリザルトを、2021年スイス杯ですでに得ている心音。フリースキー種目において出場基準を満たしている日本人女子選手としては、唯一の存在だ。

その原動力

さまざまな困難にも負けることなく、オリンピックイヤーについに夢見た五輪の舞台に立つところまで来た。近藤心音、その原動力となっているのは何か。

「スロープスタイルは見ている人に勇気と感動を与えられるエンターテイメント性が強いスポーツ。まだ日本では知名度の低いスロープスタイル競技を広く知ってもらって、私の活動を通してたくさんの魅力を伝えていくことに挑戦したいです!」とはシーズン突入前の心音の言葉だ。

「心音はいつも熱心に言ってますね。スロープスタイルがとにかく大好きでたまらない。いろんな人に見てもらいたい、知ってもらいたいって。もう、スロープ愛がすごいんです(笑)。あと、白馬で3年前から自分が始めたフリースキー育成プログラムというのがあるのですが、そこの小中学生の子供たちと心音はたくさん滑ってきたので、みんなが心音を目標にしてくれてたり、すごく応援してくれている。それも励みになっているんじゃないかな。心音には同じくこの競技をやっている叶音(かのん)という12歳の妹がいるんですが、次は叶音と一緒にオリンピックに出たいってことも考えているみたいですよ」(信さん)。

12歳の妹・叶音と一緒に

譲れないスタイルへのこだわり

「最近で一番気に入っている一枚」 Photo: @ryo.piyo.abe

子供の頃からオリンピックを目標に努力を積み上げ、世界を見据えるたくましいアスリートに成長した心音。そのスタイルへのこだわりは半端ない。いつも『パっと見て女の子とわかる女子っぽい滑りは絶対にしたくない』と周囲に話してきた。ナチュラルなムーブメントや、トリックをメイクした際のアウトラインは確かに力強く、それでいてしなやかで独特のスタイルを持っている。

心音が一番最初に覚えた3Dトリックはミスティ。小学生のときにはもう完璧に、それも自分のスタイルでメイクしていたというから驚きだ。そして、まだ雪上でオフィシャルに披露していないダブルのトリックが、実は2つあるという。まだ世界でも女子では誰もやっていないスイッチとレギュラーからのダブルトリックだ。北京五輪でそのトリックを出すかはわからないが、心音としては、今シーズンこそどこかで見せたいと思っているのではないか。

未公開のハイレベルなトリックを引っさげての世界の頂への挑戦。ただ、派手なトリックだけでなく、全体の流れで総合的に見るところが、スロープスタイルの面白いところ。

スロープスタイルは流れのある競技なので、フィギュアスケートに近い。ジャッジもタイムではなく技術点や芸術点から評価される。東京オリンピックで注目を浴びたスケートボードのストリートのエッセンスも融合している。そういう目線で見てみると、スロープスタイルというスポーツはさらに興味深い。近藤心音は、その流れの部分が際立って上手い。スロープ全体を通した心音スタイルにぜひ注目したい。

スロープスタイルは世界ではX-Gamesをはじめコンペティションの花形種目だ。この冬、世界舞台で躍動する近藤心音をぜひ応援しよう!

近藤心音 -こんどうここね-
■公式HP:http://kokonekondo.com/
■Facebook:https://www.facebook.com/coco.freeskier/
■Instagram:https://www.instagram.com/cocone_kondo/

Special thanks to Makoto KONDO


「フリサケ」の公式サイトでは、シーズン中に国内外を駆けまわるアスリートたちから活動のレポートがライブにポストされる。アスリートたちの熱い戦いやスポーツに賭ける思いをぜひ共有しては。

https://furisake.com/

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