地球の環境保護活動に積極的に取り組むpatagoniaが、メッセージの表現・発信のツールとして手掛けてきたpatagonia film。この度、新作フィルムがリリースされた。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州のブガブー山脈から、セルカーク山脈のロジャースパスまでの約130kmにも及ぶトラバーストリップを、8日間でやってのけた3人の女性たちのバックカントリーアドベンチャーの記録だ。
トラバーストリップとは、スキー、テレマーク、スプリットボードを使用し、出発地点から目的地点までを歩くタイプの登山で、カナダではとてもポピュラーな登山スタイルだ。ワンデイから数泊のものから、1ヶ月に及ぶものまで個々のレベルや志向に併せて楽しまれている。日本であれば夏季の穂高縦走といったところか。
タイトルは「山の向こうにある記憶 バグス・トゥ・ロジャーズ」
この作品の舞台となるBugaboos(ブガブー)山脈・ブガブー山群は、中には標高3400mを越える鋭いスパイア(尖った頂)が12もあることから、世界中のクライマーにとても有名だ。冬にはヘリスキーのエリアとしても人気で、日本でもよく知られるCMHはこの地にベースロッジを持ち、ヘリオペレーションも行っている。一方、ロジャースパスも年間平均10mもの降雪があることから、バックカントリースキーヤ-にはよく知られる峠。今回の作品は、この2つの有名スポットをpatagoniaアンバサダーとその仲間たち女性3人でスキー縦走したドキュメントフィルムだ。
一口にトラバーストリップといっても、実にブガブーとロジャースパスは約130kmも離れていて、そのルート上には大小20近いグレイシャー(氷河)が広がり、数え切れないほどの峠が続々とやってくる。クラック(亀裂)のリスクも孕むグレイシャーを横断しながら極寒の中での峠越えの繰り返し…。なんとこのトラバーストリップの総標高差は10,000m近くにもなるのだ。
聞いたただけでも半端なくハードコアな冒険であることは容易に想像がつく。約130kmのトラバーストリップを通じて3人の女性スキーヤーたちが観た・感じた大自然の姿とは一体どのようなものだったろう。仲間とともに分かち合ったものとは、彼女たちがむきだしの過酷な自然環境の中で学び知り、得たものとは?
コロナ禍でなかなか海外にも出られない今、あたかも自分も一緒に旅しているようなモードで、ぜひこのドキュメントフィルムを楽しんでみては?
【アドベンチャーの概要】
patagonia Snow アンバサダーであるマリー=フランス・ロイとリア・エヴァンス、そしてリアの古くからの友人であるマデリンの女性三人による8日間のバックカントリーアドベンチャー。ルートはブガブーからロジャースパスまでの137km。
今回のトリップのガイド役であるマデリンは過去に数え切れないほどのトラバーストリップをやってのけた、体は小さいが誰よりもガッツと体力のある女性。マリーとリアは生粋のフリーライダーであり、バックカントリーと言えば日帰り、もしくは滑りがメインのトリップが多く、今回のようなトラバース(山脈の横断)のようなロングトリップは初めて。137km、累積標高差9,150mにおよぶバグス・トゥ・ロジャーズの縦走に挑戦し、濃密な旅の記録と3人の深い友情を描く。