【北京オリンピック】フリースキースロープスタイル 注目ポイントまとめ|日本代表選手/日程/放送予定/試合形式/採点/ルール〈2/6日更新〉

2月4日に開幕し、連日熱い戦いが繰り広げられている北京五輪。日本選手の活躍が期待されるスキー種目のひとつがフリースキースロープスタイルだ。長いスロープ上でジャンプだけでなくジブ系の技術も統合的に備えた上に「スタイル」を表現できていないと勝てないスロープスタイルは、まさに職人たちの戦い。ここではクリエイティブなトリックの競演となるフリースキースロープスタイルの要点を紹介。ぜひ基礎知識をつけて技とスタイルの競演を楽しもう!


フリースキースロープスタイル|Free Ski Slope Style

流れるクリエイティブなパフォーマンスの連続
テクニックとスタイルを融合できる者が王者となる

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■北京五輪フリースキースロープスタイル競技スケジュール

フリースキースロープスタイルは大会の中盤の3日間に開催される。午前中のスタートで、しかも、女子予選を除いてはすべて平日という、一般的には見づらいスケジュールなのが残念だ。
(天候などの都合によりスケジュールは変更になる場合あり)

開催日時会場放送予定
2月13日(日)10:00-12:00
(日本時間 11:00-13:00)
女子フリースタイル・スロープスタイル予選1~2本目雲頂スノーパーク2月13日(日)10:55~ 生中継(NHK総合/BS4K)
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2月14日(月)9:30-10:49
(日本時間 10:30-11:49)
女子フリースタイル・スロープスタイル 決勝1~3本目雲頂スノーパーク2月14日(月)10:25~ gorin.jpにてライブ配信
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2月14日(月)12:30-14:32
(日本時間 13:30-15:32)
男子フリースタイル・スロープスタイル 予選1~2本目雲頂スノーパーク2月14日(月)13:30~ gorin.jpにてライブ配信
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2月15日(火)9:30-10:50
(日本時間 10:30-11:50)
男子フリースタイル・スロープスタイル 決勝1~3本目雲頂スノーパーク2月15日(火)10:30~ gorin.jpにてライブ配信
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■北京五輪フリースキースロープスタイルの見どころ

ソチ五輪から五輪種目となったフリースキースロープスタイル。コースは大きく分けてジブアイテムとジャンプ台が並ぶジャンプセクションの2部構成となっている。コースは大会ごとに異なり、開催国にちなんだアイテムが設置されるのがオリンピックのスロープスタイルでは恒例化している。そこで、各選手が自由に披露したパフォーマンスをジャッジが採点するシステムだ。

ジャッジの対象となるのは、トリックの難度や完成度、スタイル、そしてスロープスタイルコース全体を通しての流れの滑らかさ、クリーンさなどだ。そのためには、それぞれのランディング(着地)もポイントになる。転倒はもちろん減点になってしまうし、いかにスムーズに着地し、スピードを保ったまま次のアイテムに繋げるかで、トリックの大きさにも変わってくる。ジャンプなら大きく飛べば滞空時間も長くなるため、空中でのスタイルも出しやすくなるのだ。ちなみにコースを滑るタイムは評価の対象ではない。

また、逆風が強いときは大きくジャンプができないなど、当日の天候に左右されることもある。そのため、今回の北京のスロープスタイルのコースでは秘策も練られた特設コースとなっているが、それでも何が起きるかわからないサプライズの可能性が高い種目といえる。

フリースキースロープスタイル男子のメダル争いは、予想が難しい状況だ。ワールドカップの総合ランキングでトップのファビアン・ボブシュ(スイス)から、本来ならば金メダル候補の筆頭だったが負傷で出遅れた5位のアンドリ・ラゲットリ(スイス)まで、6選手(5位は同率で2選手)のポイントはほぼ横並び。つまり、圧倒的な存在がいない状態なのだ。1位のボブシュは3戦中1度も優勝はしておらず、安定して上位に入っているからこその順位だった。五輪で金メダルを掴むには、いかに攻めるかが勝負の分かれ目になるかもしれない。安定性よりリスキーなチャレンジをして、いかに難度の高いトリックを成功させらるか、自身のスタイルを最大限にアピールできるか、にかかっているかだろう。

女子は’21₋22季のワールドカップの結果を見る限り、ケリー・シルダル(エストニア)とアイリーン・グー(中国)という2強対決となりそうな様相だ。シルダルは15歳の頃に平昌五輪の金メダル候補と目されていたがケガにより出場を逃した過去がある。グーはアメリカ育ちの中国とのハーフで、今回は母親の母国である中国からの出場。2021 Winter X Gamesに初出場していきなり3つのメダルを獲得と、衝撃の世界デビューを飾り、今世界が最も注目する女性アスリートの筆頭だ。名門スタンフォード大学に飛び級で入学、トップモデルとしても活躍している、という絵に描いたような才色兼備で、中国ではもはや大フィーバーのアイドル状態だ。

両者に共通するのはハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアのすべてをこなす点だ。今季のワールドカップではハーフパイプではグーが強いが、スロープスタイルではシルダルが勝っている。全3ラウンドある両者のバトルは必見だ。

日本からは唯一出場権を獲得した白馬出身の高校生、近藤心音が世界に挑む。シルダルやグーとの技術的な差はあるものの、独特のスタイルを持っている。ワールドカップ最終戦では堂々の5位入賞も果たし、実力をメキメキとつけ急成長中、なんといっても今、勢いづいている。自己ベストの滑りを見せられれば上位入賞も十分に可能だろう。


▼2018平昌五輪フリースキースロープスタイルの映像


■北京五輪フリースキースロープスタイルの試合形式

「個人」では、予選から決勝まではこのような流れで争われる。

  1. 〈予選〉全員が2回ずつ滑り、各選手の高い方の得点を採用し順位を決め、上位12名が決勝へ進出する

  2. 〈決勝〉予選を通過した全員が3回ずつ滑り、各選手の最も高い得点を採用して最終順位を決定する

フリースキーハーフパイプと同様で予選はチャンスが2回あり、高い方の得点が採用される形式だ。滑走順は抽選で決まる。ただし、1回目に高得点を出した選手の方が精神的には有利となる。決勝はW杯が2回であるのに対し、五輪は3回であるため、通常とは異なる緊張感の維持が求められる。なお、決勝の滑走順は予選順位の下位から。予選上位の選手は決勝の流れ次第で駆け引きができるので、その点で有利である。

*当日の天候などにより試合形式、順位決定形式が変更になる可能性あり


■北京五輪フリースキースロープスタイルの会場

雲頂スノーパーク

スロープスタイルのコースがすごい!

先日、ついに公開されたスロープスタイルのコースがこちら。際立つデザイン性は中国のカルチャー色たっぷり。万里の長城をイメージさせる雪のウォールは、階段のようにレイアウトされ、なんと滑走中のアスリートの風よけとして機能する。6セクションに分かれた展開で、アイテムのバラエティさ、大きさ、コンディションの完璧さ、何をとっても「ネクストレベル(次の次元)」の芸術的コースと絶賛ものだ。

スロープスタイルコースについてくわしく見る

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■北京五輪フリースキースロープスタイルの日本代表選手 

[女子]

nameInstagram生年月日出身所属五輪出場回数
近藤心音(こんどう・ここね)@cocone_kondo2003年2月19日長野県北安曇郡オリエンタルバイオ初出場

平昌五輪には男子の山本泰成が出場したが、今回、男子選手は出場資格を得られず。一方、女子の近藤心音はワールドカップで昨季は7位、今季は表彰台に迫る5位を記録し波に乗った状態で初めての五輪の舞台に乗り込む。

Text/Daisuke Mizorogi
Edit/STEEP


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