2022年2月4日に開幕し、連日熱い戦いが繰り広げられている北京五輪。過去2大会は男子日本代表選手が出場できなかったが、北京大会には2人の日本人アスリートが出場権を獲得。その躍動ぶりが話題となっているのがスキークロスだ。今回オリンピック初出場を決めた成長株、「どんな選手?」と話題を集めている古野 慧を紹介しよう。
古野 慧 (ふるの・さとし)
FURUNO Satoshi
新潟県上越出身、小学 1年から夏はBMX、冬はアルペンスキーに本格的に取り組んできた。BMXでは小学生時代に年代別の全日本チャンピオンとなり、世界選手権にも出場。7位にもなった。傍ら小学4年の時にスキークロスに出会い、傾倒。高校1年から FISの海外レースにも参戦するように。持前の高い身体能力とアルペン競技で磨いた滑走技術でスキークロスでも力を発揮。高校2年生からナショナルチーム入りも果たす。
その後、慶應義塾大学法学部に進学し、スキー部に在籍しながら活動をしていたが、’21秋にUSEN-NEXT HOLDINGSに入社。企業サポートを受け、より良い環境を得てリザルトを積み上げ、幼少期から目指してきた北京五輪への切符を掴んだ。古野には2歳上の兄がおり、同じくスキークロスのアスリートとして海外レースを転戦してきたが、兄は代表には届かなかった。北京の舞台では兄の分まで頑張る、と思いを強くしている。
☟ちなみにコチラは古野慧選手の自身のインスタグラム。北京五輪の代表が決まり喜びの心境と決意表明を投稿。
@satoshi_furuno
■ プロフィール
生年月日 | 1999年6月11日生まれ |
出身 | 新潟県長岡市 |
所属 | USEN-NEXTGROUPSC |
近年の主な戦歴 | '19 FIS Jr.選手権優勝 '20 北米選手権5位、7位 '21 世界選手権出場 |
使用ギア | スキー板 : SALOMON スキーブーツ:SALOMON |
@satoshi_furuno |
■ 古野 慧・滑り映像
'20年12月に開催された ワールドカップArosa (FRA)大会で16位となった滑り(自身のInstagramより)
こちらはFacebookに投稿されている’21シーズン1月のワールドカップカルガリー大会(CAN)でのコース自撮り映像
■ 北京五輪直前の「代表決定オンライン会見」コメント
いよいよ北京五輪がすぐそこまでというタイミングで、日本代表決定オンライン会見が全日本スキー連盟によって開催された。古野慧選手のコメントを抜粋してお届けしよう。「Q」はメディアの記者による質問だ。
1月31日(月)12:00~13:00 代表決定オンライン会見より
Q. オリンピックを決めたいまの気持ちは?
― 本当に小さい頃からの夢だったオリンピックという舞台に立てることを非常に嬉しく思っています。
Q. 一緒に戦ってきたお兄さんは惜しくも出場できなくなってしまいましたが、お兄さんの思いも背負ってのオリンピックだと思いますが、そのあたりいかがですか。
― そうですね、本当は兄弟揃って出場できれば一番よかったんですが、小さい頃から自転車も含めて一緒にトレーニングしてきて、兄のおかげもあってここまで成長できたという感じもあるので、兄の分まで精一杯いい結果を出せるよう頑張りたいと思います。
Q. どんな姿を日本中の皆さんに見せたいですか?
― 僕のことを昔から知ってくれている方には、小柄な僕がオリンピックという大きな舞台で、体も大きくなって成長した姿を見せることができたらなと思いますし、今回初めてスキークロスや僕を知ってくださる方も多くいると思うので、そういった方にはスキークロスの魅力や僕自身のことを少しでも知ってもらえる、そしてカッコいいと思ってもらえるような滑りをしたいなと思います。
Q. 今回のオリンピックの具体的な目標を聞かせてください。
― 目標はやっぱりメダル獲得というところに一番は置いているんですが、それだけではなくて、僕の場合は4年後もしっかり見据えて結果だけにとらわれないように、すべてを経験としていい方向にしてもっていけるように、そういった大会にしたいと思っています。
Q. 古野選手は長岡市で小さい頃からスキーをされていたとのことですが、小学生の頃から鍛えたアルペンと4年生から始めたスキークロス、小学生の頃の思い出を振り返ると、今にどのように活きているでしょうか。
― 小学生の頃はアルペン競技と自転車のBMXという競技もやっていました。いろんな種目をやらせてもらって、BMXとアルペンスキーが一緒になった種目がスキークロスだと思っているので、そういったいろんな種目を小学生の時に経験できたことが今のスキークロスで世界で戦えることに繋がっているのかなと思っています。
Q. 地元新潟でアルペンやジャンプが好きで取り組んでいる子供たちに、オリンピックでどのような姿を見てほしいですか?
― 新潟県にはスキー場もたくさんあってアルペンの環境はあるのですが、スキークロスのちゃんとした常設コースはまだないので、将来的に新潟県にスキークロスのコースができるところまで繋げていきたいと思っているんです。そのために、まずはスキークロスがカッコいいなと思ってもらえるような滑りをしたいなと思っています。