滑る楽しみと科学の魅力を雪を通して子供達に伝える。 NOK キッズバックカントリーツアー

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親子で楽しめるバックカントリープログラム

雪山を滑るのは本来、スキー場がない時代から存在したスキー・スノーボードの本質的な楽しみ方だ。そしてそれは何も大人だけの遊びじゃない。子供達だって雪山を滑る魅力を共有してほしい。むしろ、子供達にこそ滑ってほしい。

そんな願いを込めて始まったのが、NOK キッズバックカントリーツアーだ。

これは、新潟県南魚沼・湯沢エリアを中心に3年前から始まった取り組みで、親子で参加できるバックカントリープログラムである。バックカントリーを嗜む親は子供に、自分たちが感じている自然の素晴らしさ、雪山の美しさ、滑ることの面白さを体感してもらうことができ、子供達も普段ゲレンデでは味わえない、パウダースノーや景色に出会える。色々な景色、体験に触れて子供達の成長の機会にもなる。
親子で安全にバックカントリーを楽しめる貴重な機会だ。このツアーは年々人気が高まり、参加者も増えてきている。

コロナ禍も落ち着きを見せてきた今季は年6回開催とバージョンアップしてスタート

さて、ここで冒頭に挙げた「子供達にこそ滑ってほしい」とはどういうことだろうか?
そこにこの取り組みのきっかけがある。プロジェクトの背景を発起人のバックカントリーガイド永井拓三さんに語ってもらった。


自然の魅力を科学的に伝えて滑る、環境教育のひとつ

「このNOK キッズバックカントリーツアーはお父さんやお母さんが楽しんでいるバックカントリースキー・スノーボードを子供も一緒に体験できることによって、親子の絆を深めてもらいたいという思いで始めました。今までは、年に1度の開催だったのですが、すぐに定員になってしまうので、さらに多くの親子に参加してもらえるように今季は6回開催することにしました。

雪山を一緒に登って滑ることによって、楽しんでもらいたいということはもちろんですが、この取り組みは環境教育の一環として行っています。雪山の登りながら『雪はなぜ白く見えるのか?』『なぜ雪がたくさん降るのか?』など普段の学校では習わないような雪や自然に関することを科学的根拠のもとできちんと解説します。それと同時に、自然は人間が壊してしまうものでもあることを伝えるのもこのプログラムの大切な役割です。

ゲレンデにはない自然の美しさを身をもって体験できる

流れとしては、我々が手作りのスライドを持って山に登ります。そして休憩している時にスライドを見ながら授業をし、また歩いては休憩して授業。そして最後にはスキー・スノーボードの本質である『雪山』を滑る体験をしてもらいます。

私達は科学的なアプローチで物事を理解することが大切だと考えています。なぜなら身の回りの全てのことは科学で説明がつくので、科学を知るということは自分たちの生活を知るということで、生きていくうえで必要不可欠なものです。なので、子供のうちに科学をもっと好きになってくれる子を増やすことも狙いのひとつです。

はじめての子供でもギアの使い方を説明してくれるから安心
小さい子供でも非圧雪斜面を一生懸命滑る

この取り組みは子供達を対象にした(厳密には親子)プログラムですので、お金をいただくことは考えていません。今の世の中では『体験』の価値が高まっています。さまざまな体験を積むことで、将来に繋がったり、成長のきっかけになるのであれば、そのきっかけを全ての子供達が手に入れられるようにしたいと思っています。

また、昨年までは湯沢・南魚沼エリアで開催していましたが、今季からは県外へ飛び出し、立山や尾瀬などの国立公園でも行えるよう準備中です。現在の国立公園は範囲は定められていますが、その利用や認知についてはあまり活発ではありません。大人でも登山などに親しんでいなければ山がある国立公園のことを知る人は少ないと思います。
子供のうちから国立公園の存在を知って親しむことで、もっと国立公園が利用されて多くの人に日本の自然の豊かさを知ってもらえるのではないかと考えています。このプログラムでその一端を担えたらと思っています」

ゲレンデとは勝手が違う斜面をドキドキしながら滑る

※子供達は体格等の理由でシャベルとゾンデを背負っていない子がいますが必ずビーコンは着用しています。


現在決まっている今季の開催日・場所は以下の通りだ。子供と一緒にバックカントリースキー・スノーボードができる絶好のチャンスをお見逃しなく。

1回目 2/26(八海山) ※満員
2回目 3/12(舞子スノーリゾート)
3回目 3/21(かぐら)
4〜6回目は開催地決定後、以下リンク先よりアナウンスする。

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 永井拓三(ながいたくみ)

東京都出身。大学進学をきっかけに新潟へ移住。その後南魚沼の人、山に惹かれて移住。現在はガイド業をしながら南魚沼の魅力を広く伝え続けている。
・理学博士(雪氷学)
・ 公益社団法人 日本山岳ガイド協会認定 山岳ガイドステージⅡ / スキーガイドステージⅡ 

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