去る4月29日、例年秋に舞子リゾートで行われる「雪乞CAMP」のスピンオフイベント「雪乞CAMPマウンテンクリーン」が、同リゾートで実施された。雪解けを迎え、スキー場がクローズして間もない時期に、シーズン中、たっぷり滑って遊んだゲレンデをみんなできれいにしよう! と舞子リゾートと雪乞CAMP運営事務局が企画している。
今年で2回目となるこのイベント。受付を開始してから、5~6時間程で定員が埋まるという人気ぶり。参加者の意欲の高さか、美味しいごはん付きだからか。はたまた、参加特典(なんと、'23-24シーズンのリフト1日券!)が目当てなのか……。
どんな理由であれ、冬が、そして雪が大好きな我々にとって、スキー場に「楽しいシーズンをありがとう」という意味を込めてできること。その一つが、このマウンテンクリーンだろう。ゴールデンウィーク初日に、各地から集まった滑り手たちによる山のクリーンアップにSTEEP編集部スタッフも参加した。
雪乞CAMPって?
雪乞CAMPは、スキーヤー・スノーボーダーをはじめとする雪山を愛する人々が集まるキャンプフェスイベント。「この冬もたくさん雪が降りますように」と、文字通り”雪乞い”をしながら、キャンプ、ショッピング、ワークショップ、ローカルフードなど、とことん楽しむ2日間。毎年10月、舞子リゾートを会場に行われている。
イベント詳細は、雪乞CAMP公式サイト、SNSからチェックしよう。
雪乞CAMP 公式サイトはこちらから
天気は快晴! マウンテンクリーン日和
見事な快晴の元、朝9時に24名の参加者が集合。昨年のマウンテンクリーンは6月に開催したこともあり、すでにスキー場のスタッフの方々が大半のゴミ拾いを行った後だったが、今年はこのあと行う予定とのこと。また、例年より雪解けも早いため、クルマでアクセスできるゴンドラ山頂付近(標高 約800m)まで登る行程だそう。あれ、結構ハードかも? と思いつつも、やる気に満ち溢れた表情で気合いも十分だ。
準備が整ったらマイクロバスに乗りこんで、一路スカイドームレストランへと向かった。芽吹きの季節を迎えた山の中は、何分気持ちが良い。この日は25度近くまで気温が上がり、半袖で過ごせるほど。窓からは心地よい風が通り抜け、まぶしすぎない日光が降り注ぎ、これぞ春の陽気だ。
マウンテンクリーン開始!
10時、各自トングとゴミ袋を持って、マウンテンクリーンがスタート。コースに沿って下っていき、足元に落ちているゴミを見つけていく。雪に覆われていないゲレンデは、冬の雰囲気とはまったく違った風景で新鮮だ。
南魚沼市の街並みやサクラなど、春の訪れを感じながら歩くランランコース
開始早々から拾ったのは、ティッシュやマスク、カイロなど。うっかり落としてしまったものもあるだろうが、飲み終わった後に捨てられたペットボトルや空き缶などもあちこちに。雪は溶けても、もちろんゴミはそのまま残ってしまう。周囲の自然環境を守り、快適なゲレンデを維持するためには、冬以外の季節にも様々な取り組みが必要なのだ。
ちなみに、スマホやリフト券も見つかった。「滑っている時に失くしたのかな…?」と思いを馳せながら、ウエアのポケットのジッパーは滑る前に確実にしめたかチェックしよう、と心に決める。
そんな中、”大物”も続々と発見された。
途中、まばらになっていた参加者たちが、長峰第2クワッドリフト下のエリアに集まっている様子。何があったのか尋ねてみると……、
「たばこの吸い殻がすごいですよ! これSNSにあげないと!」
乗車中に投げ捨てられたのだろうか。リフトの上り線の真下に、吸い殻がかたまって落ちていた。たばこは紙や葉っぱで作られているから、いずれは土に還るのでは? と思われるかもしれないが、実はそんな単純なものではない。たばこには、発がん性の物質をはじめとした毒性の強い有害物質が含まれており、土壌汚染の原因にもなりうる。さらにフィルターにはプラスチックの一種である酢酸セルロースという物質が含まれており、分解されるまで10年以上かかるという。
大人の身勝手な行動で捨てたゴミを、子どもたちが拾っている。そんな姿を見せてよいのだろうか? ただ滑りがカッコよければいい、というわけではない。もちろん、マナーを守っている喫煙者が大半だろうが、雪や山を愛する一員として、行動する前に是非一度、考えてみてほしいものだ。
マウンテンクリーン終了! お疲れ様でした
ゴンドラ山頂付近からスタートし、およそ2時間。ゴンドラの山麓駅となる日帰りスキーセンターがゴールとなった。集まったゴミは以下の写真の通りだ。
マウンテンクリーンを終えたら、お待ちかねのランチタイム!
「お疲れ様でした~!」と明るく出迎えてくれた舞子リゾートのスタッフの方々。そこには炊きたての南魚沼産コシヒカリと、疲れた身体に染みわたる温かい豚汁がスタンバイしていた。
昨年も満員御礼となったこのマウンテンクリーン。今年の参加者の中には「去年も参加して楽しかったのでまた来ました!」というリピーターをはじめ、「シーズン中は毎週末、関東から湯沢に通っています」「今シーズン、舞子ではじめてスノーボードをしたのがきっかけで参加しました」という滑り手も。
うららかな天候にも恵まれた一日。良い連休のスタートダッシュを切った参加者たちの表情は、晴れ晴れとしていた。
今回のマウンテンクリーン、ならびに「雪乞CAMP」を主催する舞子リゾートの伊島達也さんからの今回の感想について伺った。
はじめに、2回目の開催となった「マウンテンクリーン」に参加していただいた皆様ありがとうございました。募集告知から数時間で定員に達した盛況ぶりに、正直驚きました。皆様が雪山への感謝の気持ちを持っていることに、大変嬉しく思います。
当日、参加者の皆様に楽しんでいただくために、スタッフと考えた答えは…
「山頂まで連れていっちゃえ!」
という事で、バスに揺られること約20分。簡単に踏み入る事のできない山頂エリアへご案内させていただきました。雪も何もない山頂エリアに降り立っただけで喜んでくださった様子に、またまた嬉しい気持ちになりました。
新緑の中、ハイキング気分でゴミを拾いながら、参加者の皆様とシーズン中の出来事を楽しくお話し、最後は南魚沼産のコシヒカリでお腹いっぱいになり、スタッフも一緒に楽しませていただきました。そして、今年も10/21~22の2日間、「雪乞CAMP2023(仮)」の開催が決定しました。
「雪を守る」を大きなテーマに新たな試みを計画していますのでお楽しみに!
皆様のご来場をお待ちしております。
次は、秋の「雪乞CAMP」でお会いしましょう!
「雪乞CAMP 2023(仮)」は10月21日(土)~22日(日)に開催予定。今年は例年の”雪乞い”だけでなく、雪を守るためにできること、スキーやスノーボードを愛する我々にとってできることをテーマに加え、来場者参加型のコンテンツも企画中。詳細は近日公式サイトやSNSにて公開予定だ。是非チェックしてみよう。
雪乞CAMP公式サイト:https://yukigoi-camp.com/