POW(パウ)JAPANが「サステナブル・リゾート・アライアンス(SRA)」を発足!

この美しい雪山でいつまでも滑り続けられるように……。「スノーコミュニティ発の脱炭素社会の実現」に向けてさまざまな活動をしている「Protect Our Winters(POW=パウ)Japan」。2023年12月、持続可能な運営を目指すスノーリゾートと企業や個人のスキーヤー・スノーボーダーを繋ぐ「サステナブル・リゾート・アライアンス(SRA)」を発足させた。その狙いや活動の内容について紹介しよう。

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POWの願いが生んだサステナブル・リゾート・アライアンス(SRA)

自然のフィールドを気候変動の危機から守るために、スノーコミュニティのできることを考え、脱炭素社会に向けての啓蒙活動やネットワークづくりなど、STEEPではこれまでもPOWのさまざまな取組みを紹介してきた。

「気候危機を解決するには、問題を引き起こしている今の経済社会システムからの変化が求められている。温暖化の影響を直接受けるウインタースポーツだからこそ、率先して変化を起こしていきたい」。そんな思いから、全国のスキー場のゼロカーボンとサステナブル化を目指し、そしてスキー場と滑り手がともにその実現を目指せる場として、POWはこの冬に「サステナブル・リゾート・アライアンス(以下、SRA)」というプロジェクトをスタートさせた。

「アライアンス」とは「連盟」のこと。つまり、サステナブル化を推進するリゾートの連盟体、というわけだ。構想から約1年、2019年のPOW JAPANの立ち上げ以来、最大規模のプロジェクトとして2023年12月より活動を開始している。

SRAとは

SRAとは、気候変動の問題に向き合うスキー場や、自然環境に配慮したサステナブルな経営を目指すスキー場をサポートするためのプラットフォーム。意欲あるスキー場のために、脱炭素化に向けた取り組みのステップがわかるガイドラインの作成・提供、そして、既に取り組みが進んでいるスキー場のノウハウや海外の先進事例を共有するセミナーや勉強会などの場づくりを、2024年春以降から実施していく予定だ。

POWによるセミナー Photo:Yusuke Kunimi

SRAへの加盟条件は、サステナビリティを経営の優先事項に置くこと。また、脱炭素の取り組みをゲストや地域、関係事業者など「スノーコミュニティ」とともに実現すること、というコミットメントに同意すること、となっている。
2024年2月の時点で、すでに以下のスキー場が加盟している。

滑り手への働きかけ・カルチャーの提案

それぞれのスキー場が取り組みを進めていき、スノー産業全体の変化に繋げていくには、滑り手の後押しや、地域やその他のスノー関連企業と一緒に取り組むことが欠かせない。グリーンなスキー場を選択すること、サステナブルなスキー場で滑ることが気持ちいいというマインドを育て、その取り組みを応援することは雪の未来を守ることにつながっている、という理解を浸透させていき、それが当たり前である「新しいカルチャー」を提案する。

そんなカルチャーが育つために、スキー場とユーザーの両者がそれぞれにサステナブルな取り組みを活性化させるためのサポートや、双方が交わってプラスの相互作用を生み出すような仕掛けを作っていく。例えばキャンペーンは滑り手がスキー場を応援できる具体的なアクションの一つだ。

SRAのビジョン

SRAは、まずスノーリゾートとユーザーが循環できるプラットフォームという役割からはじめ、将来的にはリゾートのある地域全体をターゲットに、宿泊施設や飲食店、交通インフラ、農業などの地域産業をも包括したムーブメントとなることを目指す。そして、スノーコミュニティが核となって地域全体でサステナブル化を実現していくこと。さらには、全国のスノーリゾートのサステナブル化だけでなく、連盟として国のエネルギー政策にまで影響を与えられるような存在に発展させていくこと。このような目標を長期的なビジョンのなかで描いている。

「POWチケット」試験導入スタート

SRAは連盟体の特性を活かした取り組みとして、スピーディーに動き出している。この2月より早速「POWチケット」の試験導入を始めたのだ。「POWチケット」とは、通常のリフト券にドネーション(寄附)がプラスされた特別なチケット。ドネーションはスキー場のゼロカーボンやサステナブルの実現に向けた取り組みに活用される。つまり、ユーザーはこのPOWチケットを購入することで、直接的にスキー場の取り組みが応援できる、という仕組みだ。

SRA加盟スキー場のなかで、2024年2月20日より白馬八方尾根が先陣を切ってこの仕組みを導入。ドネーションはスキー場の森林整備に使われる予定だ。持続可能なスキー場を目指し、できる限り環境に負荷を与えないような対策を進めていくという。

白馬八方尾根スキー場

POWチケットを購入すると、POW JAPAN及び白馬八方尾根のオリジナルステッカーがプレゼントされる。これは嬉しく、ちょっと誇らしい気分になるだろう。こんなふうにスキー場のゼロカーボン・サステナブル化に個人のできる取り組みとして、気構えずに自然にできることから始めてみるのはどうか。

現在、POWではこちらのキャンペーンを実施中。滑り手の声をアンケートで集めてスキー場に届けるという取り組みだ。STEEPユーザーにはぜひとも参加してほしい。

ワンクリックで応援!キャンペーン  〜3月末日まで!

ホームゲレンデやお気に入りの、思い出の詰まった大好きなスキー場でこの先も滑り続けたい。
あなたにとって特別なスキー場が”脱炭素化・サステナブル化”に取り組み、グリーンなスキー場になることを応援しよう!

POW JAPANは、本キャンペーンで皆さんがアンケートに回答してくださった「応援したいスキー場」へ「SUSTAINABLE RESORT ALLIANCE」への加盟と脱炭素化・サステナブル化に向けたサポートを提案いたします。

>エントリーページへはコチラから

このあとのシリーズ展開

小さなアクションも集まれば大きな力となる。マインドを共有できる仲間をどんどん増やして、新しいカルチャーをともに作っていこう。

このあとSTEEPでは、このSRAに加盟しているスキー場や企業をピックアップし、そのゼロカーボンやサステナブルへの取り組みを詳しく紹介していく。シリーズ掲載スキー場は以下の通り。スキー場がそれぞれにどのような考えや視点で、どのようなアクションを起こしているのか、ぜひ楽しみに見てほしい。

—SRA加盟スキー場より
●白馬八方尾根スキー場
●エイブル白馬五竜
●かたしな高原スキー場
●スマイル・リゾート
●東急不動産株式会社
(掲載順は未定)

Information  POW JAPAN
◆公式サイト:https://protectourwinters.jp/
◆公式SNS:InstagramFacebookYouTube

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