スペックの数字だけではうかがえないスキーの「乗り味」や「性格」の違い。これぞスキー選びの奥深さ、面白さでもある。そこで、類似した2つの26ー27注目モデルをピックアップ。ユーザーの試乗レビューを軸にそれぞれの個性を読み解いてみよう。あなたはどちらを選ぶ?
KÄSTLE「TRANSCEND 104」それとも NORDICA 「UNLEASHED 106 CA」?

新登場のTRANSCENシリーズに、刷新されたUNLEASHEDシリーズ。プレイフル要素を取り入れた両フリーライドモデルの特徴は…?
| Model | D(ディメンション) | R(ラディウス) |
| TRANSCEND 104 | D=137.5-104-126.5㎜ | R=19.8m(189㎝) |
| UNLEASHED 106 CA | D=138.5-106-127.5㎜ | R=18.7m(185㎝) |
「TRANSCEND 104」はこんなスキー

KÄSTLEの新世代フリーライドラインとして2025年に登場した「TRANSCEND」シリーズ。センター98・104・114mmの3サイズで構成され、遊び心と安定性の両立を狙う。“フリーライド新時代の幕開け”とうたわれる本モデルは、チタンを組み合わせたツインチップ構造と、先端を中空化する独自の「Hollowtech 2.0」により軽さを維持しつつ、“岩のような”安定性を確保。
このモデルを試乗したのは、年間滑走日数が80日にのぼるユーザーの八尾良太郎さん。ほぼオール5の評価に加え、板の性能を引き出すコツまで教えてくれた。
軽快さと安定感が高次元で両立した一本です。取り回しが非常に軽く、板の返りも素直なので、スピードに乗せても安定し、ストレスなくターンがつながります。しっかりしたハリがあり、踏み込めば確実に反発が返ってくるため、ターン後半の抜けも非常にスムーズです。
エッジグリップも強く、硬めのバーンでも安心して踏んでいける一方で、思ったラインをそのままトレースできるコントロール性があります。スイッチやジャンプも軽快にできるので、カービングとフリースタイルいずれも対応可能です。
圧雪バーンでのカービングから荒れた斜面など、ゲレンデを流すだけでなく、パーク、地形やサイドヒットなど、遊びを取り入れた滑りをしたい人、1本で山全体を楽しみたい人によくフィットすると思います。
とくにターン中の踏み込みでしっかり反発を引き出せると、この板の性能を最大限活かせると思います。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約80日
身長 168cm / 体重 70kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)・アルペン
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:野沢温泉スキー場
My Gear:VECTORGLIDE/GENIUS(185cm)
│Binding:SALOMON/ S/RAB SHIFT 13 MN SH 100、ALPINE TOURING SKI BINDING BLACK│Boots:KÄSTLE/K130P RYF
【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□□■□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★★
カービング:★★★★☆
万能性:★★★★★
浮力性:★★★★★
遊び心:★★★★★
「UNLEASHED 104 CA」はこんなスキー

従来のENFORCERシリーズで確立したフリーライド路線に加え、近年はフリースタイル要素を取り入れたUNLEASHEDシリーズを展開するNORDICA。106はその中心モデルとして登場し、パーク・地形遊びからパウダーまで横断的にこなせる設計となっている。本モデルはカーボン主体で軽快な操作感が特徴。ツインチップ寄りのシェイプにロッカーとキャンバーを採用。しなやかなフレックスで、フリーライドカテゴリーのなかでもプレイフル寄りの新たな領域を担う。
そんな本機は2名が試乗。まずは、「SPOPIA シラトリ」の大橋伯夫さんによるインプレッション。
普段はゲレンデ中心で滑っていますが、このモデルは遊び心と走破性があり、ゲレンデを自由に滑るにはこういったスキーが楽しいと新鮮に思えました。
パウダーでの浮力はもちろん、荒れた斜面での安定感を求めるスキーヤーにはオススメできる印象です。
26-27からメタル入りの「アンリーシュド 106」と、カーボンタイプの本モデルの2種類がリリースされます。いずれも悪雪や春のボコボコした雪でも、雪を切り裂いて進むような走破性と安心感があります。重厚感のあるメタル入りと、軽量でスイングしやすくて安定感もそれなりにあるCAで、好みでチョイスできるのは魅力です。
ある程度脚力があってサイドカントリーなども行く方は、メタル入りでアグレッシブな滑りを楽しめますし、ゲレンデメインの方は、取り回しやすいカーボンタイプが好みになると思います。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約10日
身長 170cm / 体重 68kg
滑り志向: フリーライド(パウダー)・基礎
ホームゲレンデ:野沢温泉スキー場
My Gear:Ski: LINE/SAKANA
Binding: MARKER /GRIFFON 13
Boots: K2/MINDBENDER 130
【Review】
軽い□■□□□重い(5段階)
柔らかい□■□□□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★★★
カービング:★★★★☆
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★☆☆
遊び心:★★★★☆
続いて、同モデルの108を愛用するユーザーの矢澤智博さんによるコメント。
現在のメタル入りの愛機(アンリーシュド108/180㎝)と比べると、カーボンに変更したことで大幅に軽量化。短くなったこともあるだろうが、取り回しが楽になった。
メタルありほどの安定感やエッジグリップはなくなったが、軽い割にバタつかない。メタル入りは、午後に脚が疲れてくるとややきつかったけれど、こちらのカーボンモデルは脚力もそれほど必要なさそうだし、万人受けするはずです。
ビンディングはややセンター寄りで、ノルディカにしてはフリースタイル的な感覚。少し太いけれどパークやコブでも活躍すると思う。今流行の100㎜付近の太さで、軽さと安定性を持ち合わせており、クセもないので、買って失敗しないスキーだと思う。
板の出来は本当に良いと思うので、パークからちょいパウダーまで1本ですべてこなす板を探している人には、とてもオススメ。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約60日
身長 180cm / 体重 70kg
滑り志向: フリーライド(パウダー)・パーク・コブ
自称レベル:初級
ホームゲレンデ:アライマウンテンリゾート、妙高杉ノ原、斑尾
My Gear:Ski: NORDICA/UNLEASHED 108(180cm)│Binding: LOOK/PIVOT│Boots:PHAENOM/FR 02 120
【Review】
軽い□□□■□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★☆
カービング:★★★★☆
万能性:★★★★★
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★★☆
比較から見えてきたこと
圧雪からパウダー、ツリーや地形まで山全体を遊べる新世代フリーライド2台。TRANSCEND 104はチタンによる安定感と、ロッカーを活かした操作性を併せ持つバランス型。一方UNLEASHED 106 CAはメタルを使わず、軽量ウッドコア+カーボンによる軽快なレスポンスが持ち味。柔らかな雪ではスラッシュやスミア、地形ではポップに動ける、より遊び心の強い一台だ。強く踏み込むも、軽やかに弾ませるも、どちらも遊び。あとは、自分の遊びにどこまで安定感を求めるか。

