小さな子どもの母でありながら、アスリートとして挑戦を続け、今の自分の最高の在り方を追求する小野塚彩那の映像プロジェクト「MOMENTAL」。
等身大の小野塚彩那が1シーズンをかけて山岳フィールドでの滑走に挑む姿を追うドキュメンタリームービーは制作真っただ中。
3月8日の「国際女性の日」に、メッセージが届いた。
12月にSTEEPサイトでも、この「MOMENTAL」プロジェクトに挑む小野塚彩那を紹介したが、今秋の映像完成が楽しみだ。
以下は、3月8日に小野塚彩那のInstagramで投稿されたメッセージ。
私にとってスキーとは人生そのものであり、スキーのない人生なんて考えられない。
これまで多くの支えがありオリンピックではメダルを獲得し、世界タイトルも4回取ることが出来、
ハーフパイプ競技を退いたあとはフリーライドの世界へ飛び込み、プロスキーヤーとして今現在も活動させて頂いている。
そんな私も、コロナ禍中の2020年、大会直後に妊娠が発覚し、同年に長男を出産。
女性にとって最大とも言えるライフイベントを迎える事が出来た。
しかし、その後、育児も並行して頑張るも、今まで通りのプロ活動とはいかず、睡眠時間は削られ、
自慢の体力も落ち、鋼のメンタルもズタボロになり、育児ノイローゼもしっかりと経験した。
アスリートとして”しか”生活をしてこなかった自分に疑問も生まれ始め、
「母となったことで挑戦する事を諦めなくてはいけないのか?」
プロ活動への時間が増えるという事は息子と離れる時間が増えるという事でもあるが、
幸いにも家族が最大限のサポートをしてくれて活動ができている。
しかし、息子にとって母は私しかいない。
一方、スキーヤー小野塚彩那として最前線で活躍できる時間も限られている。
時間は待ってはくれない。
何度も何度も自問自答した。
そして私の出した答えは「挑戦し続けたい」ということだった。
世界チャンピオンを目指していたあの頃と同じように、常に昨日の自分を超えたい。
心の中に消えることのない火が燃え続けている事に気がついた。
この経験から、私は同じような葛藤を持つ女性がいるのではないかと思うようになった。
何かに挑戦したい、一歩を踏み出したい。
しかし、子どもがいるから、家庭があるから、とその場に踏み止どまざるを得ない。
それが母としてあるべき姿の一つかもしれないが、私は「母親でも挑戦できる」を体現したいと思っている。
この秋、「MOMENTAL」という映像作品をリリース予定だ。
「MOMENTAL」という言葉を分解すると、MOM-母-、MENTAL-気持ち-という言葉が現れる。
そしてMOMENTAL-現在-になり、まさに今の私を表現するにはピッタリな言葉である。
このプロジェクトは出産をきっかけに、母としての姿と挑戦し続けたい姿の葛藤を映し出すドキュメンタリー映像になる。
どんな気持ちで山に向かうのか、なぜ挑戦し続けるのか。
スキーと母いう私の現在地を通じて、この映像を見てくれた女性たちに一歩を踏み出す勇気を与えられれば嬉しいと思っている。
小野塚彩那
2024年3月8日
小野塚彩那(おのづか あやな)
1988年生まれ。南魚沼市出身。一児の母となりながら現役のアスリートとして活動。スキーハーフパイプのナショナルチーム選手のプライベートコーチや小学校の特別授業など活動は多岐にわたっている。
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