山をスキーで登るためのシール(クライミングスキン)ってなんだ?実践編

バックカントリーのマストアイテム、シール。概要編に続き、実践編では扱い方を見ていきたい。
使ったことが無い人はもちろん、普段使っている人も使用方法に誤りがないか、改めてチェックしよう。

概要編はこちら

あわせて読みたい
山をスキーで登るためのシール(クライミングスキン)ってなんだ?概要編 これからバックカントリースキーに行きたい、雪山を登って楽しみたいという人に絶対に欠かせないのが、シールだ(クライミングスキン)。どんなものか知ってはいるけど...
INDEX

シールを購入したら

下記はPOMOCAの場合だが、シールを購入したらおおむね以下のようなパッケージのアイテムがセットになっている。

画像はPOMOCA製品を購入した場合のセット

1 シール本体(チートシート付)
2 ハードケース
3 シールカッター
4 ノーズ部分のストッパー予備
5 シールケース
6 水気取り用のシート

1番はシール本体。2番は1~6が全て入っているハードケース。これは山に持っていくことはほぼないので、何かの収納ケースとして活用するのがオススメ。3番はシールを自分の板のサイズに合わせてカットするためのカッター。後でカット方法を記載する。4番はノーズストッパーの予備。5番のソフトケースはバックカントリーに行く際や夏季の収納時にこちらを使うと良い。6番はシールを取り付ける際に板の水分を拭くシートになる。

シールを購入したら…まずはカット

シールを購入した時点では、自分の板のサイズに合っていないので、適宜カットする必要がある。
カットする目安はスキーのエッジ一本分が出るくらい。シール歩行中にエッジが出ていないと、斜面に対して横向きで歩くときにエッジが噛まなくて歩けない。
なので、シールは滑走面のみカバーするようにカットする必要がある。
店で購入すればサービスでカットしてくれる場合がほとんどだが、ネットで購入した場合は自分でカットする必要がある。カット方法は以下の手順だ。

まず、横がはみ出たままでよいので、ノーズとテールのストッパーを引っかける。その際、はみ出た部分は左右均等にする。

この状態はシールがはみ出ている。この状態はカット前
3~4mm程度の黒い突起がある

上の写真のシールカッターを使い、シールをカットしていく。赤矢印の部分を滑走面とシールの間に挟んで、そのまま、ノーズからテールの方へ向かってカットしていくだけだ。これでエッヂ一本分カットできるようになっている。

そして、カットした余分なシールのグルー部分で断面の毛を取って整える。作業はたったこれだけ、これを両方の板の左右で行う。

完成したシールはきれいにエッヂ一本分が出ている。

シールの取り付け方

シールをカットしたら、まずはすぐに実装しよう。いきなり山へ上がる前に改めて取り付けのおさらいをしたい。

それでは、正しい装着方法を動画でチェックしよう。

1) ノーズストッパーを止め、ノーズ側のシールを左右のエッジ一本分が出るように貼っていく。

2) 今度はテール側から、シールによれがないようにエッジ一本分をだして貼る。このとき、シールと滑走面の間に隙間ができないよう手でしっかりと全体をなでる。

3) テール側のストッパーを止める。この時のテンションのかかり具合は動画を参照。

文字に書き起こすと簡単なようだが、実は繊細な作業。慣れるには回数をこなすしかない。慣れれば片足30秒ほどで装着できるようになる。

雪山で装着

それでは実際に雪山で使っていきたい。と、その前に……。
POMOCAのシールの場合ではあるが、POMOCA製品はグルーとグルーをくっつけても良いように作られている。なので、現場にはチートシート(保護シート)は不要。この透明で軽いシートは現地で失くしやすい物なので、宿または車に置いていくのが無難だ。

その準備の段階で、一つやっておくことがある。それが、シールを板に取り付けやすくなる「蛇腹折り」という畳み方だ。それを動画で見ていこう。

※他メーカー製品の場合はモデルによってできるものとできないものがある

チートシートは、グルーに接着する面を内側にしてクルクルと巻いて保管する。そうしないとチートシートにごみが付き、そのごみがグルーについて不備を起こす要因になる。

チートシートのグルー面側は凹凸がある。右がグルー面。左はその裏面。写真だとわかりづらいが手触りで分かる。

これで準備完了!雪山へ

蛇腹折りでシールを持ったら、いざ現地へ。実際に蛇腹折りの扱いやすさを見てみよう。

なお、雪山でのシールの収納場所について、通常はバックパックの中で問題はない。しかし、厳冬期など、寒さでグルーが凍ってしまうような環境ではウエアの中にしまって体温で冷える防ぐのを手段もある。

滑走するときに多少ゴワツく感じはあるが凍るのを防ぐうえに、取り出しやすく機動力を上げる収納方法の一つとして覚えておくといいだろう。

ウエアによってはシールがしまえる大きさのポケットがある

さあ、これで雪山でも困らないシールの基本的な扱い方は分かったはず。あとは実戦を繰り返して技術をものにするのみ。さらに楽しいスキーライフを送ろう!


教えてくれた人

高橋ともや
ディナフィット・ポモカの日本営業担当。スキーと釣りが大好き。現在はリモートワークを活用して実家の宿を経営見習い中。夏はもっぱら釣りと山菜獲りに勤しみ、都会の慌ただしさから一変、素朴な生活へと移行中。

協力 / 株式会社レクザム

INDEX