写真提供:Fullmarks
降雪や吹雪で視界が悪くなったり、光によって斜面の凹凸が見えづらくなったりする雪山で、安全にスキー・スノーボード滑走を楽しむために欠かせないのがゴーグル。重要な機能としては、曇り防止と見えやすいレンズであること。各メーカーが様々なテクノロジーを駆使したモデルをリリースしているが、それらに注目してSTEEP編集部がセレクトした'22-23シーズンのゴーグルを紹介しよう。
レンズやアンチフォグの高い機能を搭載し進化を遂げたゴーグルたち
Sweet Protection|Clockwork
目の疲れを軽減する革新的なRIGレンズ搭載でファンも多い

強度の高さとSweet ProtectionならではのRIGレンズが特徴の「Clockwork」。RIGレンズは、優れたコントラストにより色の歪みを最小限にして、目の疲れを軽減してくれるという優れものだ。圧倒的な耐衝撃性をもつ厚さ 2.8 mm プレミアムトーリックスカルプレンズを搭載し、広い視界を確保しながら、ローボリュームでぴったりとフィットするコンパクトな形状。ダブルレンズには GORE® プロテクティブベントが装備され、気圧の変化によるインナーレンズの変形を防ぎ、目に最適な環境をあつらえてくれる。
※ボーナスレンズセットはRig Light Amethyst レンズ付属(¥37,400)。ワールドカップバージョンにはレースカバー付属(¥38,500)
◆公式HP/https://sputnikshop.jp/pages/sweetprotection-toppage
Sweet Protection|DURDEN
ワイドサイズのフレームにシリンドリカルレンズを搭載・軽量!

’22-23シーズン初登場のモデル。ワイドフレームにシリンドリカル平面レンズを搭載し、Sweet Protectionゴーグルのなかでも比較的広い視界を実現。優れたコントラストにより色の歪みを最小限にして、目の疲れを軽減する革新的なRIGレンズを採用している。
オールマウンテンユースで、ゲレンデからバックカントリーまで幅広く対応する。日本で展開するモデルはノーズブリッジにパッドを追加したローブリッジアジアンフィットで、ノーズブリッジが低い人でも空気の隙間を最小限に抑え、安心のフィット感だ。また、レンズ外側に疎水・疎油コーティングが施してあり、湿雪の日本でもゴーグルに雪や水滴が張り付くのを防いでくれる。
◆公式HP/https://sputnikshop.jp/pages/sweetprotection-toppage
POC|NEXAL Clarity
ゴーグル上部に開閉できるベンチレーションがついている平面タイプの新顔

POCから’22-23シーズンに登場したニューモデル「NEXAL Clarity」に注目が集まっている。特徴は、アウトリガーのフレームがソフトフレームになっていて、ヘルメットのエッジ部分に柔らかく馴染むようになっていること。印象的なのがそのデザインだ。頬骨の部分が少しフレームが出っ張っていて、頬骨に沿うように面が広くなっているため、よりフィット感が向上。冷気をシャットアウトできるよう、内側のスポンジの下がスライドするベンチレーションが付いているのも魅力。降雪時はここに雪がついて結露してしまうことがあるが、それを防いでくれる優れモノだ。
◆公式HP/https://www.full-marks.com/poc/
DRAGON|R1
ゴーグルに付いた雪が取り除きやすく、広い視界でフィット感も抜群のフレームレスモデル

¥25,850
視界の広さとフィッティングサイズのバランスに優れたトゥルーミディアムフィットのフレームレスモデルが誕生。ベンチレーションに通気性のあるカバーをつけることで、付着した雪を取り除きやすくスポンジ部分の破損を防ぐ「ハイドロアーマードベント」が装着されている。水分の排出を考慮し、耐久性も向上した。
NASAにも使用される超強力曇り止め技術であるスーパーアンチフォグ2.0搭載。日本人の骨格にあわせたジャパンフィット。日本人に最適な明るさと色を持つレンズの可視光線透過率は55%「JAPAN LUMALENS」も信頼感抜群だ。眼鏡にも対応可能。2022年9月にリリース予定。
◆公式HP/http://www.dragonalliance.jp/
SPY|RAIDER
バックカントリーでは絶大な信頼感とともに強さを発揮するモデル

柔軟性と耐久性を備えた特製ポリウレタン製 と SCOOP® ベンチレーションシステムで、空気の流れを作り、曇りの原因となる汗や湿気を排除。高いアンチフォグ効果が得られるため、とくにバックカントリーでは絶大な信頼感とともに強さを発揮するモデル。SPYが誇る「HAPPYレンズテクノロジー」を駆使したシリンダーデュアルレンズ(曇り止め付き)は、目に入ってくる色とコントラストをより明確に認識することで、安心感と滑る楽しさを得ることができる。
その他、衝撃に対して耐スクラッチコーティング、強い日光から目を守る100%UVプロテクションシールド、吸湿発散性ドライフォースフリースとウレタン性フォームは、顔面から発生する汗を排出し、レンズの曇りを防ぐとともに心地良さを維持してくれる。それでいてプライスは1万円台とコストパフォーマンスも高い。
SWANS|RIDGELINE-MDH-CU-LG
NEW!調光レンズ「PHOTOCHROMIC ULTRA LIGHT GRAY」

¥33,000
SWANSの人気モデル「RIGELINE」 に'22-23シーズンは新しいレンズが登場。クリアのような見た目から深いスモークレンズのような暗さまでレンズの透過率が変化するという驚きの全天候対応型。可視光線透過率は15%~55%と幅があり、晴天から雪の日、ナイターまで、あらゆる場面でナチュラルな視界を手に入れることができる。グレーベースのレンズは雪面の陰影などもしっかり浮かび上がらせる。このレンズは「RIDGELINE」、「RACAN」、「ROVO」シリーズに搭載される。
◆公式HP/https://www.swans.co.jp
SMITH|Squad MAG™
MAGレンズチェンジステムで瞬時にレンズ交換が可能

SMITH のアイコンモデルともいえるSquadにMAGレンズチェンジステムを搭載したのがSquad MAGだ。
MAGレンズチェンジシステムはN52マグネットが 磁着してレンズが固定されるという独自の技術。左右のロックを押すだけで簡単にレンズを外せるから、天候やコンディションの変化に応じて瞬時にレンズを交換できる。平面レンズとしてはブランド初となる5X™ アンチフォグテクノロジーを搭載。
また、光の三原色のコントロールすることで、より鮮やかな視界をもたらすSMITH独自のテクノロジーによる「クロマポップレンズ」を搭載。細かい凹凸の鮮明度が群を抜いているととても評価が高い。このクロマポップレンズを カラー違いで2枚標準装備(調光モデルを除く)はありがたい。
◆公式HP/https://smithjapan.co.jp/
SMITH|4D MAG S
小顔な男性から女性ユーザー・ユースにまでフィットする「4D MAG」のS版

ゴーグルの下側までレンズが覆うデザインにより、前方の広い視界だけでなく足元までクリアに見える「4D MAG」もシーズン4を迎えた。’22-23シーズンは、そのスモールサイズ「4D MAG S」がラインナップに加わった。4DMAG™️の機能・システムはそのままにスモールサイズ化に成功。小顔な男性から女性ユーザー、ユースにまでフィットする。
下方向に対して視野角が25%アップし、いままでにない視界を提供してくれる。レンズにはSMITHのクロマポップレンズと5X™ アンチフォグテクノロジーを採用。ハイコントラストレンズクロマポップが2枚ついていて、どんな天候でもクリアな視界を得ることができる。AirEvac™️機能でヘルメットとのフィッティングも抜群だ。
◆公式HP/https://smithjapan.co.jp/
ELECTRIC|ROTECK
光を目に優しく便利にチューンしてくれる・視界の広さはELECTRIC史上最大級

’22-23シーズン、ELECTRICから登場する画期的なレンズ「TUNED LENS」。「チューン(調律)」するという名前の由来はこうだ。このレンズは、ブルーライトのように目を疲れさせたり、乱反射しやすく雪面の凹凸を見えにくくするような特定の色を光の波長から取り除く。目に入る光を目に優しく便利なものにチューンしてくれるのだ。その働きで常に変化し続ける雪面状況や地形の凹凸が鮮明に見えやすい。
サイドフレームのないアウトリガーによって横方向の幅が広く、視界がワイドになっているのも利点だ。その広さは、なんとELECTRIC史上最大レベル! 低温でも硬くならないTPU(Thermo Plastic Urethane)素材を使い、雪山の極寒の気象条件下でも柔らかく顔に馴染む。ノーズブリッジ部にスリットが入っているため、どんな顔のシェイプにもフィットしてくれる。通好みで人気の高いELECTRICの自信作、ぜひ試してみたい新作だ。
◆公式HP/https://charlie-trading.co.jp/brands/electric/
コラボレーションした話題性たっぷりのモデル
GIRO|GIRO X FENDER
世界をリードするギターメーカーFENDERとのスタイリッシュなコラボ作品

世界中のギタリストやベーシストを魅了し続けている「FENDER」。GIROがそのFENDERと共にデザインしたゴーグルは御覧の通りのスタイリッシュな平面レンズのモデル。雪面のギャップを把握できるVIVIDレンズに加え、 EXV技術により広い視界が得られる。マグネットを使ったシステムで、レンズ交換が素早く容易にできる。眼鏡にも対応可能(眼鏡のサイズによる)、 ZEISS VIVIDレンズ晴天用1枚・曇天用1枚付きと、さまざまなシーンで便利に使える。
◆公式HP/http://giro-japan.com/
GIRO|GIRO×POW
で環境への取り組みに参加できるPOWとのコラボレートゴーグル

GIROとPOW(Protect of Winter)のコラボレーションモデル。売上の一部はPOWの気候変動への活動に寄付される。GIRO×POWのコラボゴーグルを使うことで、環境への取り組みに参加していることになる。
そのメッセージ性だけでなく、機能面でも価値が高い。CONTOURはGIROゴーグルのなかでもハイスペックな高機能モデル。スリークで型破りな形状のトーリックレンズと、最先端のEXV+テクノロジーにより、肉眼で見る視界と同等レベルの広い視界を実現。クイックチェンジレンズシステム搭載で、瞬時にレンズ交換が可能だ。
VIVID Infraredレンズ(曇天用)1枚付き。
◆公式HP/http://giro-japan.com/
OAKLEY|LINE MINER
2022年北京五輪の舞台で栄光を勝ち得た無敵ゴーグル

「LINE MINER」は、ミラーが剝がれないという世界初の技術を使った画期的なレンズを搭載したモデル。また、レンズがポップアップするという、独自の換気システムを採用することでアンチフォグ効果も高く、タフなコンディションの雪山からコンペティションなど、あらゆるシーンで強さを発揮する高機能なゴーグルだ。
2022年の北京冬季五輪では、スノーボードハーフパイプで人類史上最難度のランで金メダルに輝いた平野歩選手も「LINE MINER」を使用していた。そのモデルは即完売したというが、’22-23シーズンも「LINE MINER」の人気が続くことは間違いなさそうだ。
◆公式HP/https://www.oakley.com/ja-jp
ちょっと変り種的なユニークなニューモデル
OUT OF|Bio Project
レンズ以外の素材はすべてリサイクルかサスティナブル素材。販売利益は支援活動へ

OUTOFが’22-23シーズンにブランドメッセージとして取り組むのが「BIOプロジェクト」。レンズ以外の素材を全てリサイクルかサスティナブルな素材で作るという環境への取り組みだ。ひまし油から創った樹脂でフレームを製作、廃材からリサイクルして創ったストラップバンド、ゴーグルのケースに至るまで、すべてを環境に配慮した形で創る。
また、このゴーグルの販売による利益は「SHADES OF LOVE」という慈善団体に寄付される。このBIOゴーグルを日本で購入すると、遠くチベットやヒマラヤの高山で目の健康や暮らしに困っている人々の助けになる。OUT OFのゴーグルを使って滑りを楽しむことで社会貢献ができるというわけだ。
レンズも瞬間調光のElectronicレンズとZeissレンズの2タイプを選択でき、ストラップも Leaf とSnowの2デザインある。Electronicレンズはスーパーレンズのためハイエンドな価格帯だが、Zeissレンズは非常にリーズナブルだ。
◆公式HP/URL:https://out-of.com
SWANS|RACAN-XED
「RACAN」にヒートレンズを搭載したモデル「XEDシリーズ」

大型眼鏡に対応する「RACAN」にヒートレンズを搭載したモデル「XEDシリーズ」が登場。可視光線透過率29%のレンズが発熱し、過酷な環境でも曇らないという機能を持つ優れモノ。バックカントリーやハイクアップなど、汗をかくときや悪天候のときに威力を発揮する。バッテリーがついており、スイッチを押せばレンズが発熱。単体でも使える。
◆公式HP/https://www.swans.co.jp
ABOM|HEET
内蔵特殊センサーでゴーグル内の湿度を計測。効率的に曇りを排除する

GOLD RUSH MIRROR Color:全9色 ¥46,200
ABOM独自の、電熱フィルムを用いてレンズを曇らせないという革新的だった技術が、さらに進化を遂げた。ゴーグル内部に特殊センサーを内蔵させ、ゴーグル内の曇り、湿度などを計測、アクティブに効率的に曇りを排除し続けるという驚きの働きぶり。エレクトロニクスを駆使したアクティブ・アンチ・フォグによって、まさに新世代のゴーグル感満載。
最大充電時間3時間で6時間連続して稼働する。レンズは外・内、両面ポリカーボネートレンズで、傷に強く、拭いてもコーティングの剥がれがない信頼度の高いカールツァイスレンズを採用。9種類のオプションレンズがあり、レンズ交換も簡単だ。ゴーグルはもはや電気製品と言っても過言ない。その威力を知るために使ってみたくなる製品だ。