岡田英光と中川未来の北海道パウダーベルトトリップを写真とともに振り返る|旭川・富良野・トマム

北海道の旭川・富良野・トマム一帯を北海道パウダーベルトと呼ぶ。ここは、北海道の内陸に位置し、周囲を大雪山系や十勝連峰に囲まれているため、軽い雪がたくさん降るエリア。道内でもとくに”軽い雪”を味わうべく、普段は札幌にいる岡田英光と中川未来の2人がショートトリップ。2人の旅の様子と北海道パウダーベルトのパウダーの魅力をみてみよう。

photo:Ayako Niki

2人がまず向かったのは旭川市。旭川市は北海道第二の都市でありながら、車で1時間圏内の場所に12つのスキー場がある。それぞれ特色溢れるスキー場に囲まれながら、市街中心部は飲食店などが多数立ち並び、グルメや観光も楽しむことができるのだ。

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「スキー都市」旭川は街と雪山を楽しめる場所

旭川の数あるスキー場のなかでも2人が行きたかったのは「カムイスキーリンクス」、通称「カムイ」だ。ここはなんと、スキー場の3割を非圧雪エリア、及びツリーランエリアが占める。北海道パウダーベルトに降る軽い雪を余すことなく感じられるスキー場なのだ。

なかでも2人のオススメはスキー場の北端にあるディープパウダーコース。最大斜度32度の急斜面が長さ800mにわたって続く、上級者向けのコースだ。地形変化も豊富でジャンプポイントや地形のうねりを使って、フリーライディングに滑ることも可能。北向き斜面なので、雪質もいい状態が長く保たれる。

ディープパウダーを滑った後はまだまだある非圧雪コース「トドマツ」や「バンプス」、「ロイヤル」などを滑る。緩やかなコースやツリーランが楽しいコース、オープンなコースまでバリエーションが豊かで楽しいのが、カムイが人気の秘訣。

カムイに来たら絶対に滑りたいのが「ゴールド」コース。上から「ゴールド3」「ゴールド2」「ゴールド1」に分割されており、合わせておよそ3kmの長さになる。なんといっても「ゴールド3」と「ゴールド2」はゲレンデ幅150mもあり、豪快にターンをしながら滑れる。

スキーヤーを暖かく迎える街ナカのホテル

カムイを滑り終えたら、2人は旭川市内に戻り、宿にチェックイン。旭川の宿はOMO7旭川(おも) by 星野リゾートだ。ここは市内の中心地にあって、都市を感じながら、スキーヤーにも手厚いサービスが充実している。

まず、エントランス手前にはスキー乾燥室があり、2人が宿泊する部屋にはスノーアイテムを収納できるスペースがあり、手袋やブーツなどを干すことが可能。旭川周辺はマイナス20度が当たり前の世界。凍ったままのギアだと滑走に不具合を起こしてしまうので、アイテムを干せるのはありがたい。

ほかにも、周辺スキー場のリフト券を購入できる「OMOチケットカウンター」や当日のベストなパウダースポットを予報し、現地スキー場と中継を繋ぐ「本日のパウダー情報/生中継」。約30種類のワックスを無料で使用できる「OMO WAX BAR」など、スキーヤーには手厚すぎるサービスが整っている。また、カムイスキーリンクス、大雪山旭岳ロープウェイ、ぴっぷ、サンタプレゼントパークの4スキー場への無料送迎バスが運行しているのも嬉しい。

夜も楽しめる旭川ステイ

夜は、旭川の街を知り尽くしたOMOレンジャーに街を案内してもらおう。1000円のガイド料金で旭川の観光スポットとスノーバムたちが集まる酒場を案内してもらえる。街をよりディープに知りたいなら、使わない手はない。

スキーに没頭する、究極のリラクゼーション

旭川で街歩きとパウダーを堪能した2人が次に向かったのは星野リゾート トマム。トマムは旭川から車で3時間南下した先にある。広大な北海道において3時間の移動はへっちゃらの2人。到着して早速、ゲレンデへ繰り出した。

トマムは内陸型の気候により、乾いたドライパウダーのみが降り積もる。さらにトマムがある占冠村は、2000年以降日本の最低気温を記録した村でもある。その温度は実にマイナス35.8度というのだから、一度降り積もれば、いつまでもサラサラパウダーが保冷されているのだ。今季は全国的に「スーパーエルニーニョ」の気候が予想され、暖冬傾向となる見込みだが、トマムはそんなのどこ吹く風であろう。

なかでもオススメの非圧雪コースはタワーマウンテン側にある最大斜度35度で、770mも急斜面が続く「ノーグラビティ」や尾根沿いのコース「グローリー」だ。朝イチにノーグラビティを滑り、その次にそのほかの非圧雪コースを滑るのが鉄板ルーティン。非圧雪コースを滑り終えたら、「上級者限定解放エリア」へ向かいたい。ここはyukiyamaアプリの登録後、理念合意書の同意と滑走の際はヘルメットを着用して行ける、上級者向けのエリア。ここにはまだまだパウダーが眠っているのだ。トマムのパウダーは2人も「忘れられない」と形容するほど過去にいい雪を当てたこともある。

それほどまでに極上パウダーが降るのに、スノーパークも充実しているのがトマムの良さ。パーク出身の岡田と、最近ジャンプを練習している中川は早速このパークに食いついた。2人とも整備が行き届いたパークに夢中になる。
岡田曰く
「海外のスキーリゾートではパークがあるのは当たり前だけど、国内のリゾートでこれほどまでにパークを整えているのはトマムしかない」
とのこと。

朝イチ、雪の状態がいいうちはピステンバーンや非圧雪エリアを滑って、午後からはパークへ移動する。といった滑り方にバリエーションがあるのもトマムの嬉しいところ。

トマム内で満喫できるラグジュアリー

スキー場を満喫したあとは、ホテルでゆっくり過ごすのがトマム流の過ごし方。
リゾナーレトマムは全室スイートルームで、広々とした室内に個室サウナとジェットバスが備わっている。なかでもスキーヤー必見なのが、リゾナーレトマムに1室しかない「スキーヤーズスイートルーム」だ。ブーツやウエアなどを乾かせる専用ラックとブーツヒーターが備わり、壁紙はスキー場の写真。ベッドルームの下にはスキーバックを収納できる細長い収納スペースがある。さらに、かつて実際に使用されていた1人乗りチェアリフトをリユースしたチェアのインテリアまで。スキー好きの心をくすぐって堪らない部屋になっている。

夜ご飯を済ませた2人が向かった場所は「アイスヴィレッジ」。氷でできた建物のなかにはバーや飲食店、雑貨屋などがあり観光を楽しめる。ほかにもスケートリンクやジップラインなどのアクティビティを楽しめる。ほかにも真冬でもプールで常夏気分を味わえる「ミナミナビーチ」など、スキー以外でも楽しめる遊びがたくさんあるのがトマム。移動を繰り返さなくてもトマムのなかで滞在を満喫できるのだ。

至れりつくせりのCATツアー

翌日はCATツアーに参加。トマムから送迎用の車で狩振岳の麓まで移動。そこからCATに乗って、誰もいないノートラックの斜面へと連れて行ってくれる。滑走面はおもに北東斜面。だいたい1日に6本前後滑り、1本の滑走距離は200〜450mほど。山の上部はオープンバーンで中腹以下は樹林帯など、シチュエーションも幅広く楽しめる。2人がトマムに到着した日の前日には降雪がなかったのだが、CATツアーで滑る場所にはずっとパウダーが残っていた。

お昼には大型テントの「パオ」のなかで豪華な昼食をいただく。この日はすき焼きだ(内容は変更の可能性あり)。

岡田と中川は
「一歩も歩かないで、パウダーがある場所に案内してくれて、お昼はすき焼きだなんて、そんなことしたことないです笑」
と笑ってしまうほど豪華な内容だ。

北海道パウダーベルトは、道内でもとくに良質なパウダーが降る場所。そのエリアを1か所滑るだけでなく、滞在も楽しみながらパウダーを体験できるのが北海道パウダーベルトの真髄だろう。
最高のパウダー体験をしに来る際は、期間を長めに設けて3エリアに滞在しながら満喫することをオススメしたい。

岡田英光

札幌在住。スロープスタイル選手を経て、現在はバックカントリーなどオールマウンテンで滑る。パーク仕込みのジャンプトリックが得意で数々の撮影でダイナミックな絵を残す。スキーと同じくらいラーメンが大好き。

Instagram:@hidemitsu_okada

中川未来

札幌在住。アルペン、基礎スキーを経て、現在はフリーライドコンペティションにも出場する。2023JFO優勝。アルペンで鍛え上げられたカービングターンは見るものを魅了する。

Instagram:@mikinakagawa1015

OMO7旭川(おも) by 星野リゾート
所在地:北海道旭川市6条通9丁目右1
料金:1泊1室あたり20,000円〜(税込・食事別)
URL:https://omo-hotels.com/asahikawa/
SNS:InstagramX (旧Twitter)

星野リゾート トマム/星野リゾート リゾナーレトマム
所在地:〒079-2204 北海道勇払郡占冠村字中トマム
電話:0167-58-1111(代表電話)
客室数:735室(トマム ザ・タワー 535室、リゾナーレトマム 200室)
チェックイン:15:00〜/チェックアウト:〜11:00
料金:トマム ザ・タワー 1泊 11,400円〜、リゾナーレトマム 1泊 21,900円〜(いずれも2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込、朝食付)
アクセス:新千歳空港から車で約100分、JRで約90分(乗換あり・トマム駅から無料送迎バスあり・予約不要)
URL:https://www.snowtomamu.jp
SNS:InstagramFacebookX (Twitter)

狩振岳CATツアー
営業期間:2023年1月26日〜3月10日
料金:1人 50,600円
お申し込みはこちら:https://www.snowtomamu.jp/winter/ski/expert/cat.php

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