Hakuba Valley全山共通シーズン券利用者が語る。その魅力とメリット。スキーヤー五味秀敏さんのケース

Hakuba Valley全山共通シーズン券(以下通称であるバレー券に省略)を滑り手たちはどう使い込んでいるのか? 山スキーを嗜む横浜市在住の会社員五味秀敏さんは、ここ1、2年は成長した子どもと一緒にスキー場を滑るのが楽しくなっている。北海道から白馬エリア(以下 白馬)までを滑る五味さんのバレー券のある冬のライフスタイルを垣間見てみよう。スノーボード大坪脩三郎さん編はこちら

INDEX

子どもが滑れるようになるまでは山スキーが主戦場

長野県茅野市出身で現在は横浜市在住の五味秀敏さん。高校生からスキーを本格的にはじめ、大学ではスキー場でアルバイトをするほどに。次第にアルペンスノーボードへと傾倒し、果てにはNZへ行くほどハマっていった。

1978年生まれ、横浜在住の五味秀敏さん。12月から5月GWまで約5ヶ月間、愛息とスキーを楽しむ

社会人になってからはシーズン滑走日数10日ほどだったが、2006年にARAIへ行ったのが転機となる。そこで新雪や深雪に開眼し、アルペンボードからフリースタイルボードへとシフト。しばらくはスキー場のパウダーを堪能していたが、次第に視線はその後ろにある山へ。山ボードへとスタイル変わるなか、当時はスプリットボードの存在を知らなかったため、北海道でブルークリフのガイドツアー中にスキーの行動力に目を奪われスキーへと返り咲き。

それ以降は山スキーにどっぷりとのめり込み、ハードな山行を繰り返す日々を送っていた。

子どもが生まれてからも同様のスキースタイルだったが、3歳から始めたスキーが日々上達し、小学生になって一緒に滑れるようになってからは、一瞬で過ぎ去る子どもとの時間を優先し、現在は自分の山スキーの時間を減らして、子どもと滑る機会を多くしている。

大人はバレー券、子どもはNSDキッズプログラムを主に過ごした22-23季

「22-23季はシーズン55日滑りました。山スキーが26日、スキー場が29日。そのうち息子と一緒に滑ったのが31日で、フリーは24日です。 会社員なので土日の休みはほぼ毎週末、自宅の横浜から各地の山へ行くのがルーティーンですね。有給や冬の休みがあるので、あらかじめ平日休みを申請できますが、ここ数年は業務の関係もあって直前に休みをとるのが難しいところです。

スキー場をガンガン滑る父子だが、時々母親も混じって家族3人で滑走。フリーライドに傾倒したキッズ用ギアに本気度がうかがえる

バレー券を使うようになったのは22-23季から。理由のひとつはNSDのキッズプログラム(小学生以下は10ヵ所のスキー場が無料)があったからです。鹿島槍、八方、栂池の3スキー場が滑れるのにプラスして、五竜47の子どもシーズン券も購入しました。なので、実質白馬エリアの半分のスキー場は、一緒に滑る機会が確保でき、22-23季は自分だけで滑るよりも、子どもと一緒に滑る回数が初めて上回った年でした」

子どもが小さかった時期は仲間と頻繁に山スキーを楽しんでいた五味さん。白馬では杓子岳のジャンクションピークや不帰などリスクはあるが充実感の高い山行を繰り返していた。

子どもがスキー場を自由に滑れるまでは山を滑ることが多かった五味さん。白馬岳金山沢。Photo/小寺 周

ガイドクラブで知り合った全国の友人と主に長野県の山々を滑ることが多かったが、子どもと一緒に滑れるようになってくると、安全で滑って楽しい路線へと次第にに軸足を移していった。以前に比べて新雪エリアの整備や開放が進んだスキー場が増えてきた影響も大きいという。

とはいえ、全く山へ入らなくなったわけではないので、バレー券は子どもと一緒に滑りつつ、フリーの時間はスキー場のパウダーを、またはバックカントリーへ、という五味さんの志向とマッチしていた。

近くの山より白馬の山々が良い理由は高速道路!?

横浜から白馬へと毎週通うには距離もあり時間もかかる。NSDのキッズプログラムも白馬以外にもいくつか滑れる場所もあり、関東圏は滑る場所の選択肢は他にも多くあるはずだ。
それでも、五味さんはどうして白馬エリアをホームマウンテンとして選んだのだろうか。

「週末の関越道が苦手なんですよ。めちゃくちゃ混むじゃないですか。早朝5時でも練馬からは渋滞が始まっていますし、帰りはもっと酷いですよね。自宅は横浜なので中央道経由で白馬エリアへ行けば、群馬・湯沢方面へ行くのと距離はありますがさほど時間は変わらないんですよ。ほかにもスキー場にいる客層が自分の志向と合わなかったり、ひとつのスキー場に人が集中していたり、良い雪を当てるのが難しかったりと要因はいくつもあります。

手前に見えるのがHakuba Valley最北端の白馬コルチナ。北アルプスを背後にスキー場がいくつも点在しているのがよく分かる

その点、白馬は行ってしまえば、スキー場が10ヵ所あって選択肢が多いし、山へ行こうと思えばすぐ行けます。ゲレンデだけでも十分満足できるし、海外の人が多い雰囲気も私は好きですね。
あとは、山へ一緒に入る友人が関西・中京圏にも多く住んでいるので、関東圏の私と中間地点になる白馬はちょうど都合が良いんです」

雪質も良く、斜面バリエーションも豊富で、仲間が集まりやすい白馬をベースにしつつも、五味さんはスキー場や山のコンディションを見極めて身軽に動くのも信条だ。

天気予報やSNSに上がる情報などをチェックして、あきらかに妙高方面が降り積もってたらシャルマンやARAIへ、内陸が良ければ斑尾や野沢温泉など、白馬にいてもそれらのエリアは日帰り行動範囲内として軽やかに行動する。バレー券に縛られて、本来行くべき場所に行かないのは避けたいのだ。

それでも、降っていたり積もっていたりするならば迷わず白馬を選ぶという。エリア内での選択肢の多さや各スキー場の標高、雪質のことを考えれば、白馬に軍配が上がるという。

「スキー場内とは思えないほどのコースも魅力ですね。例えば、八方の黒菱からスカイラインへと繋いだライン。距離も標高差はほかのスキー場ではなかなか味わえません。『おむすび』のような非圧雪コースもバックカントリーの斜面と大差ありません。まぁ、最初の1、2時間滑ったら、もう満足しちゃうんですけどね」

白馬八方尾根スキー場の「おむすび」。起伏に富んだ急斜面はダイナミックな滑走感が楽しめる

バレー券を手にしてから頭のなかから損得勘定が消えた

シーズン中は限られた休日のなか、いいタイミングを逃さないように行動する五味さん。そういう面からみても、早期割引価格と優れたユーティリティ性の絶妙なバランスをもったバレー券は自身のスタイルにぴったりだったという。
1シーズン、バレー券を使ってみた印象はどんな感じだろうか。

「1日券って朝から半日は滑らないと、ちょっと損した気分になるんですよ。でも、バレー券を持ったことで、そういうこだわりからは解放されました。雨の日でもスキー場に上がって1、2本滑って嫌だったら麓に降りてこれば良い。楽しかったら滑り続けるだけ。損得勘定が先に立たず、その時の気分次第で動けるのはストレスがありません。

それから、よくある話ですが、風による運休や下部リフトしか動かないけど払い戻しはないといったときに気兼ねなく違うスキーへ移動できるのは大きなメリットではないでしょうか。コンディションや新雪の滑り残しを求めて、気軽に移動することもできます。

八方尾根スキー場の黒菱を滑る五味さんの息子。大人でも手強い斜面を滑り切る

あまり声を大にしては言えませんが、山スキーへの入山前後に滑れるのも大きな魅力です。朝イチのゲレンデのパウダーやビシッと整ったコンディションの圧雪斜面も滑り手としては見逃せませんので。

あとは細かなことですが、毎回リフト売り場に並ばなくていいのは地味に大きいです。他県ではサービス利用時に大行列ができて1時間待ってもチケットが買えなかったりしたこともあったので、そういった思いをしなくて済むのはとても助かりました。そうしたことを総合していくと価格に対する滑走満足度は適正かなと考えています」

NSDキッズプログラムを所有しているが、子どもと一緒に滑るときは47が多いという。その理由はなるほどと思うことだ。

「47は駐車場からゴンドラへのアクセスが近くてとにかく便利なんですよ。パークも滑ってみたい年頃なので、その環境も充実しているし、上部では五竜と繋がっていて滑れる場所も多い。

降った日でも朝からパークに入りたいと言って聞かないときもありますが、子どもと一緒にいるときはできるだけ言う通りにしようと思っています。でも、何度かあまりにも条件が良くて、いまはコッチのほうが良いよとさり気なく誘導して、ルート2や3のパウダーを滑ることもありますね。

白馬47の上部へ向かうリフト上。親子で楽しめるスキーはリフト上での会話も楽しい

あとは栂池が多かったです。DBDはエリアも広いので、パウダーの残る場所がいくつもあります。小谷が雪が降っていたら、47を切り上げて転戦したりすることもやりましたね。大人も子どもも一緒になってコンディションにあわせて移動できたのはバレー券とNSDキッズプログラムの組み合わせならではと思いました。

でも、バレー券を持っていても、白馬より信越、妙高エリアが降っていたり状況が良ければ、躊躇なく移動して滑るのは子どもがいても同じですよ」

気兼ねなく行ける場所が作れる

バレー券を軸に他パス券を活用しながらシーズンを過ごしている五味さん。22-23季に初めてのバレー券を持ち、これまでとの変化はあったのだろうか。

「正直なところスキーが上手くなったとか、考え方が変わったとか、以前より白馬へ滑りに行くようになった、というような大きな変化はありません。ただ、気兼ねなく滑りに行ける場所を一つ作れたことが大きいかなと思います。

特定のスキー場だとそこだけを滑ることになってしまいます。でも、Hakuba Valleyはなんだかんだ言っても北から南まで広いし、スキー場も10ヵ所あって選択肢も多い。行き先が豊富で、シーズンも長いから飽きないですね」

22-23季にはバックカントリーにもチャレンジした五味さんの息子

一緒に滑った回数が格段に増えたこともあって、小学3年生の子どもはスキー場内のパウダーならほぼほぼどこでも滑れるようになっただけでなく、22-23季にはバックカントリーへも足を運び、白馬岳の金山沢の斜面を攻略するほどに成長した。いろいろな場所をたくさん滑り経験を重ねることで、吸収力の高い子どもは急激に伸びていく。

「子ども用のバレー券はありますが、行ける回数を考えると価格面で躊躇するので、親子セットのバレー券ができると個人的には嬉しいですね」

そう語る五味さん。どんなレベルの子どもとでも、一緒に楽しめるスキー場が揃っているHakuba Valley。五味さん親子はこの冬も白馬エリアに出没する予定だ。

INDEX