スキープロショップは、毎シーズンの最新マテリアルはもちろんのこと、これまでの商品や実際に購入したユーザーからのフィードバックなどの情報を長年蓄積してきている。また、オーナーやスタッフが滑り手であることがほとんどのため、専門的な知識や経験も豊富だ。
そのため、多角的な視点からプロダクトを評価したり、数々のブランドを横断的に比較検討することに長けている。そこで、今回、プロショップの目利きによる「コレは絶対にいいぞ!」と折り紙つきのスキーを教えてもらった。今シーズン新しいスキーを手に入れたいと思っているようなら、参考にしてはどうだろう。

プロショップの目利きが選んだ「今シーズンは断然この一台!」

VECTOR GRIDE(ヴェクターグライド)| Nadurra


Recommend:石井スポーツ 札幌西インター店
日本を代表する山岳ガイド&プロスキーヤーの佐々木大輔がプロデュースしたバックカントリースキー。特に佐々木大輔が活動のメインとしている北海道でのディープパウダーにフォーカスしつつも、滑るだけでなく、さまざまな雪質で登る、滑るを考え尽くして生み出されたものでしょう。
ゲレンデで調子がいいスキーが必ずしもバックカントリーで調子よく滑れるわけではなく、自由に扱える懐の深さも大切だということを教えてくれる一台です。浮力を十分に感じつつ三次元の雪の深さを十分に味わい尽くせるセッティングになっています。また、地形を利用したライディングもやりやすいとのこと! 期待しちゃいますね。

高梨さん
Recommend:TOYRU
VECTOR GLIDEのスキー、Nadurraがイチ推し。佐々木大輔によって作られたスキー。軽量で自由度の高そうな形状と柔軟なフレックス、期待大です!

Recommend:石井スポーツ 新潟店
115mmもあるセンター幅のスキーだと、パウダー専用モデルのように思われがちですが、Nadurraはそんなありきたりなモデルではないです。
SUPER LIGHT COREとカーボンを芯材に採用し、サイドウォールを廃したキャップ構造にすることで、軽量化を実現したオールマウンテンスキーに仕上がっています。シーズンを通して雪山全体を、この一台でたっぷりと楽しむことができます。
トップとテールを軽量かつしなやかにすることで、抜群のスウィングバランスを獲得。滑走時の操作性が良く、ツリーランでの軽快さは素晴らしいの一言。ハイク時の取り回しもしやすくなっています。もちろん115mmのセンター幅だからハイクアップのラッセルにも大活躍です。
24mという大きめのラディウスながら、しなやかなため、サイドカーブに頼らず、たわませてターンすることが可能です。さらに、ターン時にスキーをズラしやすい。ここ、とっても重要です。ラディウスは小さくないし、ロッカー形状もきつくない……。 今っぽくないニューモデルですが、これが最高!
LINE(ライン) | BLADE


小田島さん
Recommend:Mountain shop Niseko 343
店で開催した試乗会でもダントツ人気でした。高いカービング性能とターン後半の抜けの良さが素晴らしい、エッジに乗った深いターンが可能で、トップのターンの入りから後半の抜けまでしっかりとエッジに乗っていけ、今までにないターンの感覚が得られる、といった高評価。他にもこんな声が続々。
今までにない形状の板で、体を倒し込んだターンが簡単にできるのが最大の魅力。新しい遊び方を提案できるスキー。ターン前半ではトップが噛み、ターン中盤で は全体がたわみ、後半ではテール側のエッジがグリップする。また、ターン最中に板を簡単にズラすことも可能。地形に合わせて自由自在に操作ができる。
サイドカーブがキツイので、ハードなバーンでも大回りも小回りもバタつかずしっかり踏み込め、スムーズにカーンビングできます。短い分、安定とスピードに弱いと思いきや、メタルが入っているせいか、安定性、スピードにも問題ないです。トップが太いけれど、力のない方でも楽に乗りこなせる1本。パウダーでも力を発揮できると思います。ゲレンデ、パウダー、BC、どちらでもいけます。
……ということで私の総評も、「新感覚のシェープとフレックスでカービングを楽しめるオールラウンドスキー」です。

Mikiya Tanno
丹野さん
Recommend:TRUNKBASE まず何よりもLINEという、パウダーやパークなどフリースタイル系のブランドのLINEがプロデュースしたカービング系の板ということで、その観点やメッセージが新鮮で、「BLADE」には最初から注目していました。
魚の骨のような状態で中抜きのメタルが入っているので、硬いのかと先入観を持っていたけれど、実際に乗ってみると硬さを感じさせずに、よくたわむし、すごくよく曲がる。
エッジグリップや安定感は言うまでもないところ。一般的な細めのカービングスキーと比べて、エッジコンタクトするにあたって少しゆとり(
カービングだけでももちろんなくて、パウダーもパークもいける。より汎用性の高いライディングができるから、ゲレンデがより楽しくなる、新しい提案ができる魅力的な作品です。
※BLADEの世界をLINEによる映像で見てみよう。
ARMADA(アルマダ) | ARV 116 JJ UL


Recommend:SKI SHOP Vail
トップ・テール部の深いロッカー形状によって接地面が短く、コントロール性能がいい。ノーズとテールが3D形状になっていることで、ターンに入りやすく抜けもいい。パウダーの中でもトリックをして自在に遊び回れるあたりは、さすがフリースタイルのライダーたちから始まったARMADAのルーツを感じます。
ウエスト幅は116mmとワイドながら、太さに左右されない操作のしやすさレベルを問わず誰でもパウダーを楽しめるし、あらゆるバーンで使用できると思います。その上、軽量化されているので、女性にもお勧めです。
ARMADA(アルマダ) | ZERO WHITE WALKER



Recommend:COMPASS HOUSE
かのサミーカールソンのシグネチャーモデル。 「ARV116JJUL」と3サイズは同じですが、pin Top & Tailが特徴的。軽量コアをカーボンで包み込むことで軽く、反発の強い仕上がりになっています。パウダーを切り裂くように進み、かなり前にピークを持たせたキャンバー により、突然現れる硬い面にもしっかりグリップします。
ビックマウンテンでのハードな滑りにも対応。反発が強いのでナチュラルでもしっかり飛べて着地の安定感も抜群。かなり強いのでJJのような感覚では乗れない玄人好みのスキー。 私自身、シーズンの半分くらい履いていたお気に入りのスキーです。 履けば履くほど良さがわかります。
ICELANTIC (アイスランティック)|SABA PRO


Recommend:BUMPS札幌
ロッカー形状に一致するサイドカーブ設計のため、板を倒し込むことでトップからテールまでしっかりとグリップし、数年前に流行ったフルロッカーとは全然イメージの違う安定感をもたらしてくれる。
試乗前の見た目のイメージと試乗後の感想のギャップが一番感じられたスキーで、非常に人気が高かったです。
※ライディングのフィーリングを、SABA PRO使用ライダーの佐々木徳教の映像から見てみよう。
ICELANTIC (アイスランティック)|NOMAD105

| D=140-105-130mm | R=17m( 186)

Recommend:SKI SHOP Vail
NOMAD105は昨年と同様のコアを採用し、
機能面でも、サイズによってフリースキーからパウダーまで用途に合わせて幅広く使用できます。柔軟なフレックスが、さまざまな遊び方ができそうと、スキーヤーのイメージや想像を膨らませるんですね。
FACTION (ファクション) | AGENT3.0


Recommend:石井スポーツ 札幌西インター店
バックカントリーツアースキーカテゴリーの一台ですが、軽さと滑走安定性、操作性のバランスに優れたスキーで今シーズン最も注目を集める一台でしょう。
同ブランドの人気モデルの「DICTATOR3.0」とサイドカットなどは同一ながら、軽量な芯材に変更し、さらにメタルシートの代りにカーボンストリンガーを採用して強化した、フリーライディングテイストあふれるツアーモデルとなっています。滑りも軽さも両方大事という欲張りな人におすすめのモデルです。
4FRNT (フォーフロント)|DEVASTATOR


わっしーさん
Recommend:BLACKDIAMOND
今シーズンのデバステイターは今までのフリーライドなDNAはそのままに、フルモデルチェンジ。全体の印象は、多様な雪面での操作性が高まり浮遊感がアップ、安定感が光ります。
複数のラディウス値を持った新しいリフレクトテック™を搭載していて、これまでよりも板のトップがさらに浮きやすくなっています。切れ味のいいターンができる。タイトなツリーランやクリフドロップもいい。
新しくなったサイドカットはキャンバースキーのようなエッジグリップの良さがあり、操作性と安定感が増しました。スキーコアもカーボンファイバーとの組み合わせによって10%軽量化。「これさえあればどこでも行ける」と思えるスキーです。
EXTREAM(エクストレーム)| FUSION 105 RELOAD


Recommend:石井スポーツ 新潟店
スカンジナビア唯一のアルペンスキーファクトリーによるハンドメイドスキー「FUSION105」。EXTREMの定番モデルである「OPINION」をチューニングし、グルーミングバーンでの対応力を高めたモデルです。
弾力性の高いポプラと安定感を高めるブナの芯材により、どんな斜面でも気持ちよく軽やかな滑走を可能にしてくれる正真正銘のオールラウンダー。
適度な上がり具合で長めに設定されたトップ部のロッカーと、短いながらもしっかり上げてあるテール部のロッカー形状は、エッジグリップを犠牲にせず、カービング性能を維持。整備されたグルーミングバーンでも楽しめる。深雪のときの浮力もしっかりあるのでご安心を。
もちろんもっと太いスキーで滑った時のパウダースノーでの浮遊感には勝てないけれど、このモデルには雪の状況を選ばないという絶対的な強みがあります。1日中ずーっとパウダースノーはなかなかないから、「FUSION105」を履けばパウダーじゃなくても楽しめます。リフトやゴンドラを使ってパウダースノーを楽しみたいと思っている人、これです! もっと浮遊感あるスキーもあります、もっとカービング感を味わえるスキーもあります、でもこの「FUSION105」がちょうどいいんです。

目利きのプロショップが惚れ込んで、ディストリビューターになった「このブランド・この一台!」
プロショップは、オーナーのお眼鏡に叶った「イイモノ」を取り揃えようと、国内外のさまざまなスキーを知り、研究しているものだ。その過程でオーナーが大いに気に入って「これはウチが扱う!」とディストリビューター(輸入販売元)になることもある。こだわりの目利きを惚れこませた、海外からの2ブランドのイチ推しモデルを紹介しよう。
KYE SHAPES (カイシェープス)|NUMINOUS

「KYE SHAPES」のフラッグシップモデル

Recommend:BLACKDIAMOND
(POW WAVE)
4FRNTで長年開発とテストを重ねた後、スキーを通したより自由な表現を求めて、Kye Petersen(カイ・ピーターセン)が興した新ブランドの「KYE SHAPES」。Kyeは2019年世界のベストスキーヤーにも選出されている。
NUMINOUS(ヌミナス)は、KYE SHAPESのフラッグシップモデル。ロングテーパーチップと複数のラディウス値をブレンドした緩やかなチップカーブのロッカーにより、アグレッシブでありながらも安定感のあるスキーに仕上がっています。
4FRNTで過去に作っていたKYEシリーズを彷彿とさせる乗り心地で、さまざまなパウダーに対応、しっかりとエッジを効かせたターンからスライドターンまでそつなくこなせるモデルです。
※KYE SHAPESのプロモーションPVをチェック!
J SKIS(ジェイスキー) | THE HOTSHOT

L=177、 183、189cm | D=134-106-124mm

L=177、 183、189cm | D=134-106-124mm
コロナ禍の中でも絶好調で全世界限定450本のイチ推し

Recommend:スキーバム商会
LINEスキー創業者の Jason Levinthal(ジェイソン・レビンソール)が興したスキーカンパニーJ skis(ジェイスキー)。ショップへの卸を一切せず、全世界に完全ダイレクト販売という業界の常識を覆すビジネススタイルで展開するユニークなブランド。
今季は新しいメタルスキー「THE HOTSHOT」がイチ推し。全世界限定生産450本。グラフィックは2種類。広いスイートスポットを持ち、あらゆる地形やコンディションで直感的に操作できます。ターンを仕掛けるだけで、ロッカー形状のトップを含むエッジ全体が完全に噛み合うため、思い通りに反応してくれる精度の高いフィーリングが得られます。
軽量の高品質アルミニウム「チターナル」 をラミネートする形状と位置を最適化。必要なところにはより多くのパワーを、そうでないところはより軽くした結果、パワフルで滑らかで安定したスキーに仕上がっています。
※Jason LevinthalによるパロディタッチのプロモーションVPと Nocturnal Daydream でコラボレーションしたRyan SchmiesによるNocturnal Daydreamの紹介動画も見てみよう。
欲しい・気になるスキーは、イチ推ししてくれたショップを訪れて商品を実際に手に取ったり、問い合わせをしてみてはどうだろう。
(ショップ名をクリックするとSTEEP内のSKI PRO SHOPページに飛びます)
きっとさらに熱くその魅力を語ってくれるはずだ。
取材協力(読み仮名のあいうえお順):
石井スポーツ札幌西インター店、石井スポーツ新潟店、COMPASS HOUSE、SKI SHOP Vail、スキーバム商会、TOYRU、TRUNKBASE、BLACKDIAMOND、BUMPS札幌、Mountain shop Niseko 343