Shop Photo/Mountain shop Niseko 343
スキープロショップは、毎シーズンの最新マテリアルはもちろんのこと、これまでの商品や実際に購入したユーザーからのフィードバックなどの情報を長年蓄積してきている。また、オーナーやスタッフが滑り手であることがほとんどのため、専門的な知識や経験も豊富だ。
そのため、多角的な視点からプロダクトを評価したり、数々のブランドを横断的に比較検討することに長けている。そこで、今回、プロショップの目利きによる「履いてみないと損をする」という優れたブーツを教えてもらった。まだ「一生モノだ!」と思えるマイ・ブーツに出逢えていないようなら、永遠のブーツ探しの旅のガイドにしてみてはどうだろう。
プロショップの目利きが選んだ「履いてみないと損をする!」という優れたブーツたち
FULLTILT
ASCEDANT SAMMY CARLSON
SIZE: 24.5-30.5cm
WEIGHT: 1880g (26.5)
FLEX: 120
¥80,000+tax
何よりどんなフィールドにも対応できる点が優れモノ
Recommend: TRUNKBASE
FT(FULLTILT)ブーツのオールラウンドモデルとなる「ASCEDANT SUMMY CARLSON」。ウォークモード搭載でテックビンディング対応、FTブーツで快適にバックカントリーツアーに行くことができる。そして何より、どんなフィールドにも対応できる点が優れモノ。パークでのトリックや、BCエリアでのハードなライディングも可能。ゲレンデ、パーク、パウダー、バックカントリーなど、まさに何でもしたいスキーヤーにオススメなブーツ。
小田島さん
Recommend:Mountain shop Niseko 343基本コンセプトが3ピース構造(ロアシェル、背面アッパーシェル、タング)のFTブーツは、フリースタイル界でトップクラスの人気。リピート率が最も高いブランドです。
その要因は足首の可動域が大きくできつつもブーツ剛性がしっかりしている。着脱のしやすさ、暖かいインナー、ブーツの軽さ。他、ワイヤーバックルによる締め付け感とラップタイプのインチューションライナーが良い感じマッチして、快適でありつつも運動性能が落ちないことなどが支持されているのかと思います。
オプションですがタングのフレックスを交換できたり、消耗パーツ類も充実しているので安心感があります。
このASCEDANT SAMMY CARLSONは、X-Gamesなどで数々の輝かしいタイトルを獲得し、今なおトップシーンで大人気のライダーSammy Carlson(サミー・カールソン)のシグネチャーモデル。今季、ASCENDANT シリーズのひとつに加えられた。その Sammyのライディング映像がコチラ。
ATOMIC HAWX PRIME XTD 130 TECH GW
SIZE: 22/22.5 - 29/29.5 cm
WEIGHT: 1668g (26)
FLEX: 130
¥89,900 + tax
今シーズンぜひ足を通してほしいバックカントリーブーツ
立見さん
Recommend:SKI SHOP Vail今シーズンから新しく採用されたMIMICインナーにより、以前より正確に足型にフィットするよう熱成型が可能になりました。シェルも踵付近に補強が入り、剛性がアップし滑走性能も高い。
以前までXTDシリーズは足幅の狭いスキーヤーに好まれる形だったのですが、PIRIME XTDの登場で、足の形を選ばなくなった点もありがたい。今シーズン足を通してほしいバックカントリーブーツです。
グリップフォークで汎用性アップ! 登りも滑りも満足できる
藤澤さん
Recommend:石井スポーツ札幌店
従来のHAWX ULTRA XTDよりも滑り重視なこと、全体の合成を高めグリップウォークによりアルペンビンディングも使えることが多くなり、汎用性が高くなっています。インナーもしっかりした素材でハードな使用にも耐えられる。登りも滑りも満足できるこのブーツに注目です。
ROXA
ELEMENT 100
SIZE: 24.5-30.5㎝
FLEX: 100
¥50,600(tax include)
これだけの高機能が詰め込まれたブーツが定価50,600円!
高木さん
Recommend:OFF-1
脱ぎ履きがしやすく膝の動きもスムーズな3ピース構造、軽量でかかとのホールド性も抜群な45°のバックル、熱成型によって幅広な日本人の足にフィットするアウターシェル&インナーブーツ、最新のグリップウォークソール。
これだけの高機能が詰め込まれたブーツが税込み定価50,600円と超リーズナブルなプライスで!! 今季一押しのフリースタイルブーツです。
Roxa(ロクサ)はMade in Italyの高品質と高性能をアピールするブランド。エンジニアと協力するアスリートチームによって支えられている、というメンバーには、かのグレン・プレイクも。RoxaのOverview映像がコチラ。
DYNAFIT
HOJI FREE 130
SIZE: 25.0 - 29.5cm
WEIGHT: 1550g (27.5)
FLEXl: 130
¥120,000 + tax
フィット感と安定感重視で攻めの滑りができる!
わっしーさん
Recommend:BLACKDIAMOND
プロフリーライドスキーヤー、エリック ホレイフソン(Hoji)が長年開発を進めてきたスキーブーツシリーズ“HOJI”の進化系。
よりアグレッシブでハイパフォーマンスな滑りを追求し、フィット感を重視したタイトな作りになっています。また、シェルの素材や形状を変更することにより、スキーモード時の安定感を最大限に引き出していて、今までよりもかなり攻めた滑りができること間違いなしです。
このブーツを開発した「Hoji」をミニインタビュー!
「HOJI FREE 130はとても気に入っているし、ツアーブーツの機能性をさらに進化させるための良いスタートになったと思う。僕の考えるブーツ開発の最終的なゴールは、上りと下り両方でのパフォーマンスを考えた時に、どちらでもまったく妥協しない、今までで最高レベルの機能を備えたブーツを作ることなんだ。
今はオーストリアとイタリアで2ヵ月間、毎日ブーツのテストをしているよ。まだ何を試しているか詳しくは言えないんだけど、まったく新しいブーツを開発するにあたってまだ始まりに過ぎない。とてもエキサイティングだよ」
K2
MINDBENDER 110 ALLIANCE
SIZE : 22.5-27.5cm
FLEX: 110
WEIGHT: 1640g (26.5)
¥70,000 + tax
実用性と滑走性のバランスが絶妙にとれている点が人気の背景
小田島さん
Recommend:Mountain shop Niseko 343
ブーツメーカーは種類が多く、競技スキーからフィードバックした高性能のブーツが人気あるように思えます。ただ、Niseko 343では性能をクリアしつつも、一日中履いていても疲れない快適なブーツ、暖かく着脱がスムーズなブーツで熱成形のできるモデルを中心に販売しています。使用目的に合わせ時間をかけて選択してもらいたいです。
K2はブーツメーカーとしては後発ながら、毎年のようにアップデートやNewモデルをリリースしており、ブーツも人気が出てきています。特に、昨年は途中で完売になったフリーライドタイプの「MIND BENDERシリーズ」がオススメです。次がライダーのレビューです。
「K2 MINDBENDER 110 ALLIANCE 使用サイズ:23.5cm 」
実用性と滑走性のバランスが絶妙で、相反する要素を適切に共存させたことが店頭での人気に繋がったのではないかと思います。 実用性においては、業界トップクラスの軽さとウォークモードの可動域がとても魅力的です。
また、 ウォークモードをONにする際レバーが上り、ウェアの裾を踏まずに済んだり、インナーに切り返しをつけることで登る動きを快適にしたりと、細かい配慮が行き届いていました。 そして、軽さにも繋がる部分だとおもいますが、シェルの厚さや硬さを部位によって変えることで ウォークモード付きブーツ特有のパキパキ感がなく、粘りのあるフレックスの感覚が滑走性の良さに繋がっていると思いました。設定されているフレックスの値より少し柔 らかく感じましたが、いい感じのフレックスだと思います。
NORDICA
STRIDER PRO 130 DYN
SIZE: 22.5-31.0cm
WEIGHT:1910g(26.5)
FLEX: 130
¥97,900 ( tax include)
TECNICA
COCHISE 130 DYN GW
SIZE: 22.0-31.0cm
WEIGHT:2035g(27.5)
FLEX: 130
¥86,900 (tax include)
TECNICA COCHISE 130 DYN GW
アッパーシェルのたわむポイントの違いがフィーリングの違いを生む。滑りに合わせておススメしたい2モデル
甘利さん
Recommend:石井スポーツ新宿西口店
TECNICAとNORDICAは兄弟のようなブランドだと私は思っています。レーシングのプロダクトでは、かなり味付けの似ている両ブランドですが、バックカントリーのプロダクトに関しては面白いことにまったく異なるのです。私が重要視している違いのポイントは『アッパーシェルのたわむポイント』です。
TECNICAは第3バックルの下辺りでたわむ感覚がありますが、NORDICAは第4バックルの下辺あたりがたわむフィーリングです。滑りへの影響は?というと、上下運動を利用して、スキーの動きに合わせて体を大きく使うタイプのスキーヤーは、TECNICAの方が脛も入るし、ブーツレスポンスもまろやかなので、FATスキーの動きにアジャストしやすい印象です。オールマウンテンには「COCHISE」がいいですね。
NORDICAは真逆の印象で、かなりアルペンブーツ(レーシング系)に近いフィーリング。ブーツレスポンスはキレキレですし、なにしろブーツのサイド合成がしっかりしているので、競技スキー・基礎スキー出身のスキーヤーには好印象だと思います。動きを出したいスキーヤーには「TECNICA」がおススメです。アルペンブーツに近いフィーリングを求めるなら「NORDICA」でしょう。店頭で足入れする機会があれば、この
2つのブランドの違いを実感していただきたいですね!
FULLTILT DROPKICK PRO
SIZE: 22.5-31.5cm
FLEX: 90
¥70,000 + tax
脱ぎ履きしやすく、軽くてフィットしてフレックス感が良い
池田さん
Recommend:PAPASUフリースキー(主にゲレンデ/パーク/モーグル)に置いて非常にオススメブーツです。脱ぎ履きしやすく軽量。INTUTIONインナーを採用して熱成型できるので、フィット感も高いのも特徴。
そして柔らかめのフレックスはパークやモーグル、ゲレンデからサイドカントリーまでフォローしてくれます。でも柔らかいだけのブーツなら他にもあります。それではダメで、なぜFTブーツが良いの?ここが大事!
FTブーツは足の曲がる方向に対して素直に力が伝わるという特徴があります。これはFTだけの特徴ではなく、3ピース構造のブーツの特徴です。単純な屈伸運動がしやすいという部分がフリースキーに向いています。脱ぎ履きしやすく、軽くてフィットしてフレックス感が良い。これがFTブーツをオススメする理由です。
K2
RECON PRO
SIZE : 24.5-30.5cm
WEIGHT: 1740g (26.5)
FLEX: 140
¥89,000 + tax
K2 RECON PRO
ブーツに求めるものが満たされている
履いたら滑りたくなる、そんなブーツ
田平さん
Recommend:でんくらふと
この「RECONシリーズ」は、いかなる志向のスキーヤーでも共通して求める「履きやすく・脱ぎやすい」「軽い」という2つの要素は完璧にクリアしています。そして重要な「暖かさ」も他のメーカーと変わりありません。(寒さ対策にはRECON 120 MV HEATがあります)
このシリーズを自分が履いて滑ってみて感じたことは、軽さはスキー操作にも関係してくる、つまり「軽さも武器になる」ということです。履きやすく、軽く、スキー操作性が良い、3拍子揃ったブーツです。お近くの取扱のあるショップさんで履いてみて下さい。履いたら滑りたくなる。そんなブーツです。
「でんくらふと」オーナーの田平さんの「ブーツ小話」
今の時代、スキーブーツに何を求めるのか? ゲレンデ派、レース志向、バックカントリーやサイドカントリーなど山を楽しみたい人、さらに性別や年齢など加味すると、滑り手は多種多様ですが、その中でも共通してブーツに求められることがある。
1、履きやすい、脱ぎやすいブーツ
2、重いブーツより軽いブーツ
3、寒いブーツよりも暖かいブーツ
こんなことではないでしょうか。あとは性能・機能との駆け引きになってきますが、そこで私の勧める「履いてみないと損をするブーツ」は、「K2 SKI Boots」です。K2はブーツに関しては後続メーカーです。K2がブーツを開発するにあたり何から始めたかと言うとスキーブーツの研究を行うラボの開設からスタートしました。世界中のブーツを集めて、これまた独自で開発した測定器にてすべてのブーツのデーター収集を行なったのです。そこで発見したのは全てのブーツメーカーでごく普通に行われていたことが性能を損なっていることです。
この発見で見出されたものが「Spyne」です。Spyneとは、背 面 に 搭 載 し た Y 型 サ ポ ー ト で 、 エ ナ ジ ー イ ン タ ー ロ ッ ク に さ ら な る 強 度 と パ ワ ー も た ら し 、 前 後 へ の フ レ ッ ク ス 効 率 と 側 面 剛 性 を 最 大 限 に 引 き 上 げ 、 い か な る 地 形 に お い て も 高 い レ ス ポ ン ス 性 を 発 揮 する、というもの。
私がK2 SKI Bootsを最初に履いたのは、2013年軽井沢スキー場での試乗会です。私の足のサイズは24cmで、履いたテストブーツは26cmなのにターンの始動時のスキーの先落としがオートマチックに、且つ上体の先行運動にも素早く反応してくれるのです。これが「Spyne」の性能であることに驚きました。
そしてこれらの性能はそのままに受け継ぎ、K2 SKI Bootsは昨年より2世代へと移り変わっています。それが「RECONシリーズ」なのです。K2 SKI Bootsもようやく世間に注目されるようになりました。バックカントリー用ブーツのMINDBENDERの登場によって、軽くてアルペンブーツのように反応の良いブーツが注目されたからです。しかし、あえてお勧めしたいのがRECONシリーズなのです。