バックカントリー(BC)に出るのに必携な装備の一つとして欠かせないのが「水筒」だ。ハイクアップと滑走の繰り返しで、活動量の多いBCでは水分は必須。また、糖分を摂ってエネルギー補給や、美味しいスープや珈琲など、休息時の楽しみにもなる。そこで問題は「どんな水筒がいいか?」だ。保温・保冷機能だけでなく、寒冷時の耐久性や使い勝手のよさ、軽さや容量など、水筒選びには複数のチェックポイントがある。そこで、BCでの経験豊かなプロガイドたちは、普段どのような水筒を使っているのか、その理由とともに聞いてみた。
時期や目的に合わせたチョイス
バックカントリーにどんな水筒を何本持っていくのかは、山に入る時期やツアーの長さ、どんな目的で使うのか、などによって選択肢は異なってくる。例えば、厳冬期ならば、雪山で体を温めるために熱々の飲み物が欲しくなる。けれど、天候が晴れで気温が高めのスプリングシーズンの日であれば、ハイクで発汗して喉が渇けば、冷たい水分が欲しくなる。プロガイドたちはツアーの行程を詳細に計画し、登行と滑走を含めて、その日の行動量がどれくらいかを把握し、ツアー催行時の時期や天候も併せて山に持参する飲料を調整している。
水分補給オンリーでよく使われているのは
PLATYPUS|プラティ 2L ボトル

最大2.5Lの容量をもつPLATYPUS(プラティパス)のベストセラー。安全で臭いがつきにくいBPAフリーの素材を使用し、軽量で丈夫。形が変わるので扱いやすく、使用後は小さく丸めて、コンパクトに持ち運びできる点も便利。
容量:2.5ℓ
重量:36g
¥2,310
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愛用しているBCガイドたちの声
水筒はプラティパス2L。中身を消費するたび小さくなる。非常時の湯たんぽにもなる。(テレマークスクール&スキーガイド和泉屋AK.T|阿久津研二)
気温の高い日は、PLATYPUS(プラティパス)のハイドレーションシステム。(RIKI JAPOW GUIDE|中島 力)
軽量性を重視して選ばれているのは
nalgene |広口 Tritan 1.0L/ 0.5L

重量:約180g/右:広口 Tritan 0.5L 容量:500㎖
重量:約90g 1.0L ¥2,310 / 0.5L ¥1,980
純度の高いプラスティックと高い気密性で、世界中のアウトドアユーザーに愛用されているnalgene(ナルゲン)。USAの環境に優しい「飽和ポリエステル樹脂」を採用、飲み物にプラスチックの匂いが移らない。ボトル本体の体熱耐冷温度は100℃~-20℃と、十分な耐熱性・耐冷性を備えながらも軽くて丈夫。
完全密閉する独自のキャップシステムにはパッキンが使われていないため、洗いやすくて衛生面も安心だ。
1.0Lは、nalgene(ナルゲン)を代表する人気ボトル。広口タイプだけでなく細口タイプもある。アウトドアアクティビティからデイリーユースまで、シーンを選ばずに広く使われている。同じ広口Tritan 1.0Lでも、様々な色やグラフィックがあって選ぶのも楽しい。
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愛用しているBCガイドたちの声
500mlのナルゲンを防寒ケースに入れ,沸騰したスポーツドリンクいれておく。
そして、500~1000㎖のTHERMOS。コップが大きな子供が持つ魔法瓶が便利。保温力は変わらないと思うし、安い。(黒田山岳ガイド事務所|黒田 誠)
タイガー魔法瓶のモデルは不明、0.5Lサイズを15年以上使っているけど、保温力が落ちない。
そして、nalgene1L。割れない!(LOCUS GUIDE SERVICE|古瀬和哉)
nalgeneボトルとTHERMOSを愛用している。
ナルゲンボトルは経口補水液などを入れる。広口0.5ℓが使い勝手よい。
サーモスはお湯に。冬季サーモスは0.75ℓを愛用。春は0.5ℓを使用。(Rhythm Works (リズムワークス )|旭 立太)
保温性と使い勝手を求めて選ばれているのは
THERMOS|山専用ボトル

山での厳しい条件に対応した「山専用ボトル」。〝ヤマセン”の通称で登山家や山岳ガイドから圧倒的な支持を集める。しっかり握れるシリコン性のボディリングに、衝撃に強い底カバー、グローブをつけたままでも扱いやすいシンプルなスクリューなど雪山での使い勝手はピカ一だ。
FFX-901 | FFX-751 | FFX-501 | |
容量 | 900㎖ | 750㎖ | 500㎖ |
保温効力※(6時間) | 80℃以上 | 78℃以上 | 77℃以上 |
保冷効力※(6時間) | 9℃以下 | 10℃以下 | 10℃以下 |
重量 | 380g | 360g | 280g |
価格 | ¥7,150 | ¥6,600 | ¥6,050 |
Color | マッドレッド・マットブラック・マットステンレスの全3色 | クリアステンレス・マットブラック・サンドベージュの全3色 | サンドベージュ・マットブラック・クリアステンレスの全3色 |
専用ポーチ | ¥2,640 | ¥2,420 | ¥1,980 |
※保温効力とは、室温20℃±2℃において製品に熱湯を中せん下端まで満たし、湯温が95℃±1℃のときから中せんとコップを付けて縦置きにした状態で6時間放置した場合におけるその湯の温度。保冷効力とは、室温20℃±2℃において製品に4℃以下の水を中せん下端まで満たし、水温が4℃±1℃のときから中せんとコップを付けて縦置きにした状態で6時間放置した場合におけるその水の温度を示す
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愛用しているBCガイドたちの声
ボトル:山専ボトル900ml 保温性は類をみない。熱々の湯を入れている。(テレマークスクール&スキーガイド和泉屋AK.T|阿久津研二)
Thermos 山専ボトル900mL or 500mlを愛用してます。安定の使いやすさ!(Vertical Land|伊藤裕規)
山専ボトル750㎖。ザックに横向きに入れてもじゃまにならない。(チロル|佐伯 岩雄)
THERMOS 500ml。軽さとスリムなシルエット、また適度な保温力の高さが愛用の理由です。(COLOR SPORT CLUB|舎川 朋弘)
THERMOS 350ml には、紅茶やお茶、コーヒーなど を。
mizu 500ml or 山専500mlは、お湯専用 。(RIKI JAPOW GUIDE|中島 力)
THERMOS 山専用ボトル0.5L。保温力では最も信頼できるボトル。(インフィールド|中野豊和)
THERMOS山専ボトル 軽くてグローブをつけたままでも扱いやすい。
圧倒的な保温力で信頼できる。(番亭〜bamboo tail〜(バンテイ)|竹尾雄宇)
THERMOS! 保温性が良い。(かぐらパウダーステーション|五十嵐 和哉)
THERMOS山専ボトルを。1dayツアーだと、ほとんど自分が飲むことはないので、非常用に携帯しています。(Epic Japan|中江明子)
THERMOS! 信頼と実績(照井大地)
「山専」の対抗馬とこちらも保温性への信頼が高い
mont-bell|ALPINE THERMO BOTTLE

極寒の環境でも抜群の保温効果を発揮する、登山用に開発された軽量コンパクトなサーモボトル。本体外側には強度に優れたSUS304ステンレス鋼、内側には抜群の耐蝕性を誇るSUS316ステンレス鋼を使用。シリコーンゴム製の滑り止めや、半回転で開閉できる内栓など、グローブ着用時でも扱いやすい仕様。素早く水分補給が可能な直飲みタイプと、より保温・保冷効果の高い内栓・コップタイプを目的に応じて使い分けることができる。
0.5Lモデルはヨーロッパ最大のアウトドア国際見本市『OutDoor Show 2016』で「OutDoor INDUSTRY AWARD 2016」WINNERを受賞した実績もある。
BOTTLE 0.9L | BOTTLE 0.75L | BOTTLE 0.5L | BOTTLE 0.35L | |
容量 | 900㎖ | 750㎖ | 500㎖ | 350㎖ |
保温効力※(スタート時94℃→6時間後) | 81℃以上 | 80℃以上 | 78℃以上 | 74℃以上 |
保冷効力※(スタート時4℃→6時間後) | 70℃以下 | 80℃以下 | 8℃以下 | 10℃以下 |
重量 | 380g | 360g | 265g | 240g |
価格 | ¥4,950 | ¥4,400 | ¥3,850 | ¥3,300 |
Color | ステンレス・レッドの全2色 | ダークグレイ・レッド・ステンレスの全3色 | ダークグレイ・レッド・ステンレス・グリーンの全4色 | グリーン・ダークグレイ・レッド・ステンレスの全4色 |
※ 保温・保冷効力(効果)とは室温20度(±2度)において、製品に規定量の95度の熱湯(4度の冷水)を満たし、所定時間(6時間)放置した場合の温度
愛用しているBCガイドたちの声
特別なこだわりはないですが、mont-bellのアルパインサーモボトル0.9L を使っています。
mont-bellでもTHERMOS山専ボトルでも、冬は保温力の高いものをオススメします。(CIRCLE GAME guide service|佐々木翔平)
mont-bellのアルパインサーモボトル0.5L! 保温力が優れる。(マウンテンガイド・コヨーテ|古市竜太)
mont-bell 0.35 とTHERMOSの0.15か0.18を2本持ち。大きいのは非常用(飲むと行動中常に拡販され冷める)で、最後まで使わない。飲用は小さいボトルと冷たいペット500mlのみ。(北海道バックカントリーガイズ|塚原 聡)
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