Skier:Naoto Kono Photo:Daniel Honda
日本のスキーシーンの伝統とイメージを支えてきた志賀高原。志賀高原を織り成す18のスキー場の総滑走面積はなんと425ha(ヘクタール)。これは東京ディズニーランドが10個すっぽり入ってしまう大きさで、文句なしの日本最大、広大なフィールドに広がるのは84のコース。それが1枚の共通リフト券で滑り放題だ。また、志賀高原は信越エリアの妙高や湯沢エリアと比べて内陸に位置しているため降雪量はさほど多くはないが、湿気の少ない良質な雪が降る。志賀高原のパウダーを満喫できるスキー場と名物コースを紹介しよう。
奥志賀高原スキー場
志賀エリアで際立つパウダークオリティとスケール感
志賀高原最奥部の奥志賀は、志賀高原のなかでも天然雪のみで営業している数少ないスキー場。それほど大量の雪が降り、溜まるエリアなのだ。それだけにパウダー派にはたまらない。ゲレンデ内でも降雪後はオーバーヘッドのパウダーが味わえる非圧雪の急斜面や、美しいツリーライディングができる景観のよいコース、全長2.2kmものロングコースにスノーパークとバラエティ豊か。志賀の自然の美しさとスケールの大きさを堪能しよう。
'22-23シーズンも、奥志賀高原スキー場と焼額山スキー場の共通シーズンパスも販売されているので、ダブルで楽しめるのは嬉しい。
奥志賀高原スキー場のパウダー名物コース
・ダウンヒルコース
最大斜度:28度 平均:19度 / 距離:2,200m / 斜面向き:東面
奥志賀ゴンドラ終点から滑り出す全長2,200mというロングランができる奥志賀の名物コース。上部は中級レベル、途中から急斜面になり、コース変化も豊か。コース両脇の木の間にちょっと潜り込めばツリーラン気分も味わえる。フリーライド派からは奥志賀で最も楽しいコースとも。
・第2エキスパート
最大斜度:30度 平均:23度 / 距離:630m / 斜面向き:北東面
奥志賀高原ホテルサイドからすぐアクセスできる、スキー場名物コースは中級・上級者 向け急斜面の一枚バーン。通常はグルーミングされているため、カービング系のスキーで豪快にターンをきめながら最大斜度30度の急斜面にチャレンジするのもいい。
中盤にやや斜度変化があるものの、縦に真っすぐ延びる一枚バーンの急斜面は滑り応え十分だ。スキーヤーズレフト、リフト側の斜面は常に非圧雪のため凹凸ができやすい。フリーライディングに遊ぼう。中央よりライト側は圧雪が効いているから、縦にスキーを落としてスピードを出すターンが気持ちいい。
・熊落としコース
最大斜度:30度 平均:20度 / 距離:400m / 斜面向き:南面
奥志賀で最も急斜面の非圧雪上級コース。ダウンヒルコースの中盤にスキーヤーズライトへ進んだ斜面だ。両サイドを木々に挟まれ。幅もあまり広くない。コースの真ん中を頂点に両端に向かって斜面が傾いたような地形になっており、縦に落とすとスリリングなライディングができる。
スキーヤーズライトは落ち込み地形も点在しているため、ジャンプポイントもある。スキーヤーズレフトはコース終盤に向けて当て込みやすい緩い地形になっている。
◆公式HP/http://www.okushiga.jp/
志賀高原焼額山スキー場
本州屈指の雪質と美しい針葉樹の森でツリーランに酔う
スキー場単体としては、志賀高原のなかでもっとも規模の大きい焼額山。さらにその雪質は本州でも屈指と呼び声も高い。そのパウダーを十二分に堪能できる「ファーストトラック」のシステムもあり、非圧雪コースも確保されており、フリーライド派には志賀高原の中では圧倒的な人気を誇る。景観の美しさも魅力だ。美しい針葉樹の森がゲレンデを包み込むように16のコースがレイアウトされており、ツリーランにも大満足だ。
ゲレンデベースには志賀高原プリンスホテルの東館・南館・西館がラインナップ。滑りと洗練されたリゾートステイが融合したハイスペックなリゾートだ。
志賀高原焼額山スキー場のパウダー名物コース
・ヤケビウォール
最大斜度:39度 平均:32度 / 距離:369m / 斜面向き:北東
焼額山がフリーライド派にその名を轟かせる名物コースが「ヤケビウォール」。最大斜度 39 度の非圧雪コースで、下から見上げると、まるで壁のようにそびえたっていることが、その名の由来だ。
緩やかなアプローチからいきなり落ち込む斜面変化がスリリング。降雪時は焼額山ならではの極上パウダーをSteep&Deepで味わえ、降雪がないときは攻略しがいたっぷりの不整地斜面として楽しめる。
・ミドル
最大斜度:21度 平均:19度 / 距離:329m / 斜面向き:北東
焼額山のなかで穴場的なパウダー(非圧雪)コース。訪れる人が少なく、比較的遅い時間でもパウダーが楽しめる、とっておきの穴場スポットだ。
▼ストリートビューでコースを見る
https://goo.gl/maps/MWZ28RYaKMNMyCYu8
・スーパージャイアントスラローム
最大斜度:27度 平均:10度 / 距離:1208m / 斜面向き:北東
ゴンドラ線化を滑りぬけるため、注目度は抜群の上級コース。降雪後のあさイチは全面パウダー、常時、最大斜度27度の急斜面パートをメインに部分的に非圧雪の状態にしている。降雪後は流しながらパウダーにも潜れて楽しさ倍増だ。
▼ストリートビューでコースを見る
https://goo.gl/maps/KxevoEw6L2H8F37E7
・ジャイアントスラローム
最大斜度:25度 平均:12度 / 距離:2062m / 斜面向き:北東
志賀高原を象徴するような美しい針葉樹の森を眺めながら、急斜面のパウダーを満喫。なんと2㎞越えのロングコースのため滑り応えはハンパない。ロングラインの中間部は非圧雪パートがあり、コース脇ではパウダーツリーランが楽しめる。
▼ストリートビューでコースを見る
https://goo.gl/maps/KxevoEw6L2H8F37E7
+PLUS DESCENTEファーストトラック
志賀高原焼額山スキー場の恒例イベント、まだ誰も滑っていない「ノートラック&グルーミングバーン」が楽しめる「DESCENTEファーストトラック」。雪質の良さを最も感じられるのはグルーミングorパウダー? どちらでも朝イチが最高。まだだれも滑っていないコースに、自分だけのシュプールを描く「ファーストトラック」。その快感は、何ものにも代え難い特別な体験だ。今シーズンはA4オリンピックコース&A1ジャイアントスラロームコースを滑走予定。予約不要で当日の朝にチケットを購入。
※2023年~3月26日(日)までの土休日
※2月23日(木・祝)、3月21日(火・祝)は中止
※詳細はコチラへ
◆公式HP/https://www.princehotels.co.jp/ski/shiga/winter/
竜王スキーパーク
標高1,930mが保証するサラサラ自慢のパウダー
志賀エリアの中でも北志賀に位置する竜王スキーパーク。標高が1,930mと非常に高いため、ロープウェイや中腹のSORA terraceから、北アルプスや遠くは佐渡島まで見渡せる。時には雲海に沈む夕日が見られることもある、その景観の美しさは有名だ。
パウダー派は朝一番にロープウェイで目指すのが「木落コース」だ。標高の高さが保証するサラサラパウダースノーを満喫できる、パウダーフリークがこぞって集まるの竜王自慢のコースだ。ヘルメットの着用義務あり。ロープウェイ山頂駅にある「SORA terrace cafe」でレストを入れながら1日中滑っていられる楽しさだ。また、スノーパークも人気で、FUNをテーマに小さめのキッカーやBOXなどが並び、ステップアップして上達できるように工夫された入門者向けのパークだ。
竜王スキーパークのパウダー名物コース
・木落しコース b
最大斜度:36度 / 平均斜度:23度 / 距離:1320m / 斜面向き:北
ロープウェイ山頂駅からエントリーする竜王の名物コース「木落とし」は、b・c・e と3本に分岐する上級者向け非圧雪コース。コースbは3本の中では一番ロング。最大斜度が36度、北向き斜面のため、良質なパウダーが溜まる。沢地形をなんと1300mもの超ロングランで楽しめる。天候によりコース状況も多様で、降雪後はディープパウダーも期待できる。
・木落しコース c
最大斜度:36度 / 平均斜度:23度 / 距離:1172m / 斜面向き:北
ロープウェイ山頂駅から右手に滑り込み、ロープウェイの下を通過して後半でbに流れ込むコースc。こちらもロングで降雪後はオーバーヘッドスプレーもあげられる深雪ぶり。降雪後はb・C・eの3本をクルクルと回していくらでも滑っていられるパウダー天国。
・スカイランドAコース
最大斜度:19度 / 平均斜度:8度 / 距離:1370m / 斜面向き:北
標高1,930mに位置する「スカイランドエリア」は樹氷林に囲まれた林間コース。標高の高さからもパウダーの質はお墨付きのパウダーゾーンだ。その中でも、「スカイランドAコース」は平均斜度8度と緩斜面が多く、内陸部特有のドライパウダーを1370mというロングでのんびり楽しむことができる。パウダー入門者向け。
◆公式HP/https://ryuoo.com/winter/