日本が猛暑の今、地球の反対側・南半球のニュージーランドではスノーシーズン真っ盛り。この時期、降雪機を持たない天然雪の【クラブフィールド】のスキー場もようやくオープンを迎える。日本のスキー場のような【コマーシャルフィールド】に対して、ここで紹介するのはユニークな【クラブフィールド】。それって一体どんなスキー場? ぜひチェックしてみよう。
クラブフィールドとその魅力

ニュージーランドのスキー場は、その運営方法によって「コマーシャルスキーフィールド」と「クラブスキーフィールド」の2つがある。コマーシャルスキーフィールドは、営利目的でオペレーションされているスキー場で、スキー場は企業などが管理しており、整備の手が入り、様々なサービスが提供される商業施設、日本のスキー場のようなところだ。近年、リフト券が高騰し、コマーシャルフィールドの1日券はNZ$120~160と、かなり高額だ。(1NZ$=87.29円 8/4時点)
一方、クラブフィールドとは、営利目的ではなく、地元の会員制クラブが会費や寄付によって運営し、クラブメンバーのために運営しているローカルでプライベートなスキー場。しかし、ほとんどのクラブフィールドは一般のビジターも受け入れており、利用料を支払えば日ごとで利用が可能。雪上車や降雪機を持っているところはほとんどなく、自然そのままの山の広大なスノーフィールドに、人が遊びに立ち入れるようにロープを架けただけ、という雰囲気で、そのワイルドさは圧巻だ。リフト券もコマーシャルフィールドよりは割安で、NZ$100前後。
ただ、クラブメンバーであるとリフト券・シーズン券は20%~半額近くディスカウントされたり、クラブフィールドによっては、ビジター1日券を3日間買うよりもシーズンパスのほうが安かったりと、驚きの待遇が得られることもある。その他、フィールドにあるロッジの宿泊、スクールレッスンやレンタルギアが破格なメンバー価格になったり、レストハウスのラウンジやバーがリザーブできたり、リフト券・アコモデーション・食事やレンタルまでのパッケージが格安で利用できたりと、特典もいっぱい。

また、クラブメンバーになるとメンバー間の交流がとても楽しい。滑りを楽しんだ後はバーに集まって飲み会、愉快なアフタースキーを過ごす。シーズン中にはいろいろなイベントがあり、夏場でも集まってボランティアワークや交流ができる機会がある。日本でいうと学生や社会人サークルに所属しているような感覚だろうか。
パウダー・地形・エクストリーム! フリーライドの宝の山

しかし、何よりもクラブフィールドの際立つ魅力は、ニュージーランドの大自然の雪山をそのままに開放した、ワイルドなパウダーフィールドにある。圧雪車など持っていないのが普通なので、フィールドはいつでも非圧雪。広大なスケールのフィールドながら、ゴンドラやチェアリフトはほとんどなく、せいぜいTバーかロープトゥが数本架かっている程度。しかし、それで十分すぎる程度のゲストしかいない…。ほとんど混雑とは無縁で、滑っている人が少ないから、斜面はフレッシュなまま、いくらでもファーストトラックが刻めるというわけ。
また、標高の高い山岳地帯の盆地やフェイスがスキー場になっているため、豊かな自然地形やクリフなども事欠かない。また、リフトやロープトゥの終点から、ちょっとしたハイクをすれば簡単に広大なバックカントリーにアクセスできる。ディープなパウダーライド、クリフジャンプや急斜面のエクストリームライド、森林限界線を超えて広がる大きなオープンバーンでのクルージングやツアースキー……、フリースキーヤーにとってその楽しみは無限大だ。
そんなコアな魅力に尽きないクラブフィールド、そのなかでも特別人気の高い、STEEP読者にはたまらない魅力的なスキー場をピックアップした。まずはYou tubeの映像を観てみるべし。その上で、ぜひトレイルマップを眺めてみよう。そのスケール、面白さ、独特のカルチャーを感じられるに違いない。
日本からも、もちろん滑りに行くことができるし、クラブメンバーになることも可能だ。個人ではちょっと不安、という場合は、クラブフィールドに日本人向けのツアーを出している旅行会社もあるので、調べてみるといい。
NZ南島の主要なクラブフィールド

クレイギーバーン|Craigieburn
クレイギーバーンはこんなスキー場

クライストチャーチからクルマで90分。Broken Riverと並んで、とても人気があるクラブフィールド。非常に情熱的なクラブメンバーたちによって運営管理されていることでも有名だ。山全体は100%全部が中上級者向けのハードコアな環境。Craigieburnは、初心者向けコースは「ゼロ0%」と公言するほどだ。3本の高機能ロープトゥが標高差500mもある2つの滑走エリアに運んでくれる。
地形変化豊かな多彩な斜面は、実にエキサイティングでチャレンジング、それが広大なスケールで目の前に広がり続けるのだから、滑り応えと満足度はハンパない。ニュージーランドのリゾートのなかでは唯一ともいえるツリーライディングが楽しめるのも大きな魅力。世界中のエクストリームスキーヤー・スノーボーダーたち、プロライダーたちもトレーニングや撮影に訪れている。
クラブメンバー加入は誰でも可能。メンバーのステイタス(種)によってリフトパスや宿泊施設の割引率が異なる。
■INFO
シーズン | 2024年7月上旬~10月中旬 |
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ベースタウン&アクセス | クライストチャーチ(クルマ1.5時間) |
リフト料金 | 1日券 $110 (ノンメンバー) $65(メンバー) シーズン券(Base Member) $450 |
クラブメンバー加入 | 年間$150でBase memberになるとリフト券とアコモデーションが 35% 割引が受けられる。 シーズンパスは $450で購入可能に。 Chill Travel Passes(5days $475 | 7days $645) |
■Mountain情報
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トップ標高 1,811m | 標高差(ベース標高) 503m(1,308m) | 平均降雪量 ?m | 滑走エリア 400ha |
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最長滑走コース ?km | リフト/その他 リフト3/ロープトゥ1 | スノーパーク ― | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map

■Snow -Forcast(天気・積雪)

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ブローケンリバー|Broken River
ブローケンリバーはこんなスキー場
クライストチャーチからクルマで90分、ニュージーランドで最もユニークなクラブフィールドのひとつ。NPOであるBroken River Ski Clubメンバーによって運営管理されている。しかし、クラブメンバーにならずともビジター利用が可能だ。もちろん日本からのゲストも大歓迎。
Broken Riverは知る人ぞ知るニュージーランド有数の極上オフピステを持ち、ソフトなパウダースノーが溜まったエリアや、エクストリームなシュートなども堪能できる、フリーライド派にとって隠された楽園ともいわている穴場スポットだ。大きな2つの巨大なボウルから成り、そこに5本のロープトゥが架かっている。
また、クラブフィールドといえど圧雪車も持っており、あらゆるレベルでも楽しめるスノーパークと美しいグルーミングバーンも整備されている。山の上にロッジの宿泊施設もあるので、泊まれば朝一番のパウダーにファーストトラック保証つきだ。この映像を観れば、その魅力は一目瞭然だ。
■INFO
シーズン | 2024年6月20日(月)~10月上旬 |
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ベースタウン&アクセス | メスベン(クルマ95分) クライストチャーチ(クルマ60分) |
リフト料金 | 1日券 $100(ノンメンバー) $74(メンバー) シーズンパス:$800 |
パッケージなど | リフト券+宿泊のパッケージ $120~1日 リフト3日間+宿泊2泊(B&B)+1レッスン $500 Chill Travel Passes(5days $475 | 7days $645) |
■Mountain情報
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トップ標高 1,820m | 標高差(ベース標高) 395m(1,425m) | 平均降雪量 ?m | 滑走エリア ?ha |
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最長滑走コース ?km | リフト/その他 ハイスピードトゥー3/ラーナーズロープトゥー2 | スノーパーク 2 | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map

■Snow -Forcast(天気・積雪)

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フォックスピーク| Fox Peak
フォックスピークはこんなスキー場

Fox Peakは、Fox Peakという周辺の山岳地帯で最も高い山の上にある。ベースとロープトゥトップの標高差は580m。驚くべき多彩な斜面を持ち、4本のロープトゥを使って縦横無尽に滑り回ることができる。その面白さは映像を観れば大納得だ。
山頂部、標高2,330mから尾根伝いのNORTH RIDGEからドロップインするオフピステの素晴らしさが極上で、ソフトでディープな「エピックパウダ―」が堪能できると自慢だ。そして、もちろん混雑とは無縁で、いつもストレスないパウダー三昧ができる。世界的にも有名な海外スキー旅行情報サイト「POWDER HOUNDS」によるニュージーランドスキー場ランキングで、”いい意味で”ニュージーランドで「THE BEST of 空いているスキー場」に輝いている。
クラブメンバーはリフト券・シーズン券が破格で購入できる。ちなみにノンメンバーが1日券$80のところ、クラブメンバーは$30だ。驚くことにクラブメンバーに加入+シーズンパスがたったの$200! ビジター利用で1日券を3日間買うより安いとは…。クラブメンバーになるとシーズン中に1,2回スキー場の運営管理のお手伝いもあり、メンバーたちとの交流は冬だけでなく夏も盛んで、とても楽しい。フレンドリーな雰囲気にあふれる、いかにもクラブ制らしいクラブフィールドだ。
■INFO
シーズン | 2023年7 月下旬Open~10月10日(火)予定 |
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ベースタウン&アクセス | Fairlie(クルマ50分) クライストチャーチ(クルマ2時間20分) |
リフト料金 | 1日券 $80(ノンメンバー) $30(メンバー) Chill Travel Passes(5days $475 | 7days $645) |
■Mountain情報
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(リフト)トップ標高 1,900m | 標高差(ベース標高) 580m(1,320m) | 平均降雪量 4.0m | 滑走エリア 500ha |
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最長滑走コース ?km | リフト/その他 ロープトゥ4/プラッターリフト1 | スノーパーク ― | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map

■Snow -Forcast(天気・積雪)

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マウント・チーズマン |Mt. Cheeseman
マウント・チーズマンはこんなスキー場
クライストチャーチからクルマで90分。クラブフィールドの中でも「楽しい!」「子連れファミリーにやさしい」環境作りを大切にし、とりわけフレンドリーな雰囲気なことで知られている。クラブフィールドには珍しくTバーが2本あり、山全体にアクセスできて、滑るのにはとても便利。初心者向けのロープトゥもあるが、実はそこから広大なオフピステにエントリーができる。
ボトムにはThe Day Lodge と Snowline Lodgeという2つのロッジを持ち、週単位で宿泊できる。ニュージーランドの冬の休暇を家族で過ごすクラブメンバーで賑わう。
■INFO
シーズン | 2024年7月下旬Open~10月予定 |
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ベースタウン&アクセス | Springfield(クルマ60分) クライストチャーチ空港(クルマ90分) |
リフト料金 | 1日券 $105(ノンメンバー)| シーズンパス (1 Apr – 30 Sept) $695 Road trip/2 days 1 night $359 Chill Travel Passes(5days $475 | 7days $645) |
■Mountain情報
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トップ標高 1,847m | 標高差(ベース標高) 320m(1,527m) | 平均降雪量 ?m | 滑走エリア ?ha |
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最長滑走コース ?km | リフト/その他 Tバー2/ラーナーズロープトゥー1 | スノーパーク ー | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map

■Snow -Forcast(天気・積雪)

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マウント・ドブソン| Mt.Dobson
マウント・ドブソンはこんなスキー場

クライストチャーチとクィーンズタウンの間に位置し、ハイウェイ8でアプローチ。トップ標高2,030mがもたらすファンタスティックなドライパウダーが楽しめると評判だ。横幅が3㎞にも及ぶスケールに広がるフィールドには、クラブフィールドでは貴重なトリプルリフトにTバー、プラッターで山全体をカバーしている。ワイドな広々としたスロープは、子連れファミリーやスクールで滑りのレッスンを受けるゲストには最適。Tekapo湖や遠くMt.Cookも望める息を呑む景観の美しさや、アットホームなリラックスした雰囲気も魅力だ。
ボトムから820mのTバーの終点からハイクアップすると標高2,110mのMt.Dobsonの山頂にアプローチできる。そこからは言わずもがなパウダー天国。輸送力はバッチリなところに、ゲストがあまりいないため、スロープはいつもガラガラ、いくらでもファーストトラックを刻むことができる。忘れられないパウダー体験ができること請け合いだ。
■INFO
シーズン | 2024年7月Open~10月予定 |
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ベースタウン&アクセス | Lake Tekapo(クルマ45分) メスベン(クルマ2時間10分) |
リフト料金 | 1日券 $115 シーズンパス:$640 Chill Travel Passes(5days $475 | 7days $645) |
■Mountain情報
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トップ標高 2,030m | 標高差(ベース標高) 430m(1,600m) | 平均降雪量 ?m | 滑走エリア 400ha |
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最長滑走コース ?km | リフト/その他 リフト1(トリプル)/Tバー1/プラッター2 | スノーパーク ー | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map

■Snow -Forcast(天気・積雪)

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マウント・オリンパス|Mt Olympus
マウント・オリンパスはこんなスキー場
トップ標高は2,096m、「神の遊び場」とも称される特別感のあるクラブフィールドで、ニュージーランドフリーライドのソウル(魂)ともいわれている。パトロールの管理内は60ヘクタールというコンパクトな滑走エリアではあるが、90%が中上級者向けというエキスパートフレンドリーで、トレイルマップを見ただけでも、どこの斜面も斜度が半端ないことがイメージできる。4本のロープトゥが架かかり、機動力は抜群だ。Top Towの終点から短いハイクで、さらに広大なオフピステエリアへと滑り込むことができる。
Mt.Olympusは、サイズこそ近くのCraigiburnに遥か及ばないが、エクストリームなスペックの高さは、まったく引けを取らないどころか、濃縮された面白さは別格ともいわれている。世界的にも有名な海外スキー旅行情報サイト「POWDER HOUNDS」によるニュージーランドスキー場ランキング「THE BEST of パウダー」や「THE BEST of エクストリームトレイン」でトップランキングインするフリーライドの聖地なのだ。
毎年「MOUNT OLYMPUS FREERIDE OPEN」が開催されており、You tube動画でその様子を見ればMt.Olympusのワイルドなエクストリームフィールドぶりが一目瞭然だ。ぜひチェックしてみよう。
海外在住でもクラブメンバーにはなれるが、夏にWork Party Day(労働奉仕)に参加義務があったり、2名以上のクラブメンバーからの推薦が必要だったり、シーズン中最低滑走日数が課せられてたりと、入会の条件にはハードルがある。海外スキーでビジター利用はもちろん可能だ。山に宿泊できるロッジもある。
■INFO
シーズン | 2024年7月下旬Open~10月予定 |
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ベースタウン&アクセス | クライストチャーチ(クルマ90分) メスベン(クルマ20分) |
リフト料金 | 1日券 $99(ノンメンバー) $59(メンバー1日券)$56(メンバー2日券) $39(メンバー5日券) $28(メンバー10日券) シーズンパス:$500(メンバー) $990(ノンメンバー) |
■Mountain情報
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トップ標高 1,880m | 標高差(ベース標高) 450m(1,430m) | 平均降雪量 4.5m | 滑走エリア 60ha |
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最長滑走コース ーkm | リフト/その他 ロープトゥ4 | スノーパーク ー | コースレベル 大きく見る |
■Trail Map

■Snow -Forcast(天気・積雪)

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INFO
◆ニュージーランド政府観光局