コンマの世界でスピードと戦っているアルペン競技スキーヤーは、総じてスキー技術が高い。氷のようなレースバーンにもひるまず、ストイックにタイムを追求する強いメンタルを解き放てば、フリースキーも高次元で楽しめるに違いない。けれど、ディープパウダーで気持ちよく滑るには、どんなファットスキーがいいのか? そんなときはプロショップだ。雪上で実際に多数のブランドやモデルをテストライドすることができ、豊富な知識を統合して多面的にプロダクトを評価できるから、プロショップのアドバイスは説得力がある。’23-24シーズン、フリーライドにも触手を伸ばそうという現役&元アルペンスキーヤーたちに、その技術力が発揮できるお薦めファットスキーを教えてもらおう。
ARMADA| ARV94
汎用性が高いマルチなフリースタイルスキーで安心感あり
◆公式HP/https://armadaskis.jp/
ARMADAの「ARV94」は、超軽量カルバウッドコアがエアでのスピン性能を引き出し、特殊サイドウォールがジブやボックスなどの衝撃に耐えられる構造となっています。汎用性が高いマルチなフリースタイルスキーですから、アルペンの方がジャンプやジブに挑戦するにも扱いやすく、安心感のある一台でしょう。
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Mt.Peaks
Staff/立見浩一さん
LINE |BLADE
ファットスキーでもキレッキレのターンを楽しめるカービングマシン
◆公式HP/https://lineskis.com/ja-jp
ファットスキーとは思えないくらいのカービングマシンLINE「BLADE」。不整地はもちろん、整地されたバーンでも非常に快適な滑りを楽しめます。ファットスキーでもキレッキレのターンを楽しみたいアルペン志向の方にオススメのスキーです!
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石井スポーツリンクス梅田店
Staff/スキー担当 白井康平さん
LINE|BLADE OPTIC 96 & 104
メタル入りながら硬すぎないフレックスが魅力
◆公式HP/https://lineskis.com/ja-jp
LINEの〝OPTIC″シリーズより「BLADE OPTIC 96」と「104」をオススメ。いずれもメタルが入っていて、フリーライドのイメージからすると硬いスキーに感じるかもしれないが、ガスペダルメタルテクノロジーの採用によって、硬すぎないフレックスが魅力。強いエッジグリップと安定性、その上、足元での操作性の高さを実感できる。
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TRUNKBASE
オーナー/丹野幹也さん
LINE |BLADE OPTIC 114
滑走技術のあるレーサーにぜひ乗ってほしいハードなファットスキー
◆公式HP/https://lineskis.com/ja-jp
アルペン競技のバックグラウンドのある方はもともとスキー技術があるので、ぜひ少しハードなファットスキーに乗ってみてもらいたいなっていう(笑)。 「BLADE OPTIC 114」は、しっかり感があって整地も楽しめるファットスキーです。かっ飛ばして乗ると、きっとすごく楽しめると思います。
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OFF-1 (オフワン)
Staff/高木啓次さん
FACTION|DANCER 3
ダブルメタル!まさにアルペンレーサー好みの安定感でかっ飛ばそう
◆公式HP/https://jp.factionskis.com/
FACTION「DANCER 3」、本来はフリーライドのコンペ仕様!! R=21mでダブルメタル!!コンストラクション、コンセプト的にはまさにアルペンレーサー好みのしっかりした、安定感抜群のスキーです。 とはいえ、トップ&テールロッカーと扱いやすいウェスト106mmが浮力とバツグンの操作性を実現し、紛うことなきオールラウンドフリースキーです!
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サンワスポーツWEBSPORTS
Staff/大口 晋司
ダブルメタルの安定感は格別。ある程度の技術、良いポジションとパワーが必要になってきますが、乗りこなせれば最高の1台となるでしょう。 上級者なら扱いやすく小回りも利きますが、ここはあえてGS気分でかっ飛ばしたいところ。 最近はルーズすぎるスキーが多いので、滑り応えのあるモデルは貴重ですね。 ちなみにメタルをカーボンに換えて調整した”AGENT”シリーズも、ツアースキーでありながらゲレンデでの本気滑りにも対応します。自信のない方はこちらからどうぞ。
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Narrows
Staff/伴 隆郎さん
ARMADA|DECLIVITY 82 Ti
メタルが入ったしっかりスキーで競技系スキーヤーでも楽しめる形状
◆公式HP/https://armadaskis.jp/
この「DECLIVITY 82 Ti」は、アルペンや基礎スキーヤーでも楽しめるフリースキー。 メタルが入ったしっかりスキーで、センター幅82㎜でラディウスが15m~16m、これは競技系スキーヤーでも楽しめる形状でしょう。 82㎜のセンター幅は、最初は太いと感じるかもしれませんが、乗ってみるとまったくその違和感は感じないと思います。
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PAPASU
オーナー/池田俊也さん
ARMADA|DECLIVITY 108Ti
カーボンとメタル内臓で高速に強い上、トップ&テールのロッカーでフリースタイルな操作が可能
◆公式HP/https://armadaskis.jp/
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カーボンとメタルが内蔵されていて、ハイスピードで様々な斜面を滑ることができる。エッジの食いつきも非常に良いが、トップとテールはロッカーしていてフリースタイルな操作が可能。センターがセットバックされているので、パウダーにも対応する汎用性の高いフリーライドモデル。「DECLIVITY 108Ti」は、基礎やレース板に慣れているエキスパート向けの一台です。
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COMPASS HOUSE
アドバイザー/村井諄弘さん
ID one ski|FR-XXP
ロングターンでのスキーの抜けの良さはアルペンスキーなみ!
アルペンスキーよりもちょっと幅広のスキーで、フリーライドのなかでもカービングもでき、ずらすことも自在にできるのが、この「FR-XXP」です。ロングターンでのスキーの抜けの良さはアルペンスキーなみで、FR-XXP1台で、ビッグターンからショートターンにも対応することができるので、フリーライドのみならず、基礎の検定やプライズテストにも対応することができます。また、パウダーや非圧雪バーンでも安定した滑りを可能にしてくれます。
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マテリアルスポーツ白馬店
Staff/望月弘文
ATOMIC|MAVERICK 100 Ti
チタニウムシートがアイスバーンでのグリップ力・高速での安定感をもたらす
◆公式HP/https://atomicsnow.jp/
「MAVERICK 100 Ti」は、芯材にチタニウムシートが挟まれていて、アイスバーンでもしっかりとグリップし、高速の安定感があります。アルペンレーサーでも納得の一台では?
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秀岳荘 北大店
Staff/登山・スキーマネージャ― 小路口稔さん
FACTION | PRODIGY 4
ハードパックも極上パウダーも破壊力ある滑りを支えてくれる頼りになる一台
FACTION の「PRODIGY 4」は、アルペンレーサーの脚力を受け止めてくれるタフな造り。安心してどんな雪面へも思いっきり飛び込んで行ってほしい! ハードパックも極上パウダーも、破壊力ある滑りを支えてくれる頼りになる一台です。
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NATURAL
Staff/辻星子さん
SALOMON|QST BLANK
アルペンのベースを活かしてフリースキーを楽しむのにうってつけのパワフルなスキー
◆公式HP/https://timetoplay.salomon.jp/
パウダー重視にはなってしまいますが、センター112㎜ながら抜群のキレ、走りをもつのが「QST BLANK」。 アルペンベースの方はスキーに圧をかける、走らせることが得意だと思いますので、そのベースを活かしてフリースキーを楽しもうという方にうってつけのパワフルなスキーです。 足元に搭載された”ダブルサイドウォール”が、驚異的な嚙みつきのエッジグリップと振動吸収性を発揮し、オンピステでも驚くべきターン性能を発揮します。
パウダーでは足元の部分は無駄にたわまないので、スピード感のあるライディングになります。 ウッドコアをベースとした対応幅の広い乗り味に、カーボンと麻を織り交ぜた”C/FX”でカーボンの反応の良さと、麻のマイルドな、しなやかな乗り心地、”コルクダンプリファイア”によるバタつきのない安定感も。
トップテールは足元に比べてしなやかで、ロッカーも深く、フルにレングスを使った浮遊感がありながら、スライドや当て込みなどの動きにも対応してくれる。 トップテールのワイドポイントが足元に寄ったシェイプはエッジコンタクトが非常に良く、ハードバーンでもパワフルなターンが可能となっています。 オンピステでは、トップワイドポイントからテールワイドポイントまでのレングスで切れるターンを、パウダーではフルレングスでスピーディーでプレイフルなライディングが叶います。こんなふうに1台2役を可能とした、実に魅力のあるスキーです。
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PADDLE CLUB
Staff/加藤功二さん
「QST BLANK」の板の重さ、厚さ、スピード感は、競技スキーをしてきた人にはピッタリだと思います。
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FULLMARKS白馬店
Staff/江口啓介さん
BLIZZARD|RUSTLER10
しっかり乗り込んで高速でもバイブレーションが少なく、走破性が高い
◆公式HP/https://www.tecnica-group.com/
BLIZZARDの「RUSTLER10」を選んだ最大の理由は「バタつかないから」。これに尽きます。 私も競技者からフリーライドの世界に入って、いろいろな斜面を滑ってきて、「思考・スタイル・考え」が変化してきたこともあり、昔ほど強いスキーを履かなくなっているのは事実です。 しかしながら、アルペン競技者のベースにあるスキースタイルは、あくまでレーシングです。
しっかり乗り込んでスピードを出してもバイブレーションが少なく、走破性の高いスキー。 こんなスキー板がアルペン競技者には受け入れてもらいやすいのかなーと感じています。 〝RUSTLERシリーズ″は、フリーライドシーンで多くのライダーが使用しているスキーという裏付けもしっかりあります。 飛んでも回っても、ボコボコの斜面をかっ飛ばしても安心なんでしょう。
今季より心材の変更と強化材の配置場所の変更により、従来モデルよりも板自体がしなやかにたわみ、バタつかない。そんなスキーに進化しています。 尚、かなりクイックに動くスキーなので、大きなゲレンデ、大斜面を想像するユーザーは、臆せず少し長めチョイスが丁度いいですよ! ビンディングセレクトに関しても、板自体が非常に強いので、ブーツコバを抑えるタイプがオススメです。
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石井スポーツ ヨドバシ甲府店
Staff/甘利祐貴さん
BLIZZARD|RUSTLER11
カービング性能も良く、踏むとしっかり板が戻ってきてくれる
◆公式HP/https://www.tecnica-group.com/
カービング性能も良く、踏むとしっかり板が戻ってきてくれる「RUSTLER11」。しっかりとしたフレックスのため、オープンバーンをハイスピードで楽しみたいアルペンレーサーへ特にオススメです。
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Alpen Outdoors FLAGSHIP STORE柏店
Staff/浅野正樹さん
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