カービングスキーに匹敵するターン性能を誇り
パークモデルや軽量ツアーモデルも多くラインナップ
フリースキーカテゴリーでは最も細いウエスト幅のグループだが、一般的なカービングスキーモデルのウエスト幅が60〜70mm台であることを思えば十分にボリューミー。カービングモデルがあくまで整地のターンを前提としているのに対し、パークからバックカントリーまで、あらゆる斜面のどんな雪でも滑るのがフリースキーモデル。それがカービングモデルより太めのウエスト幅を持つ理由だ。
メリットは整地でもストレスなく滑れること。ターンの切り替えも俊敏で、ハードパックでもカービングスキー並みのダイレクトなエッジグリップ力を発揮する。逆にデメリットは足下が細めのためパウダーでは不安定で、雪が深くなるほどロングターンは難しく、ピボットで回す確実なショートターン技術が求められる。
※スキーのスペックについて:D(ディメンション=サイドカット)、L(レングス=長さ)、R(回転半径)、T=テール、N=ノーズ
【DIRECTIONALモデル】
パウダーや春のコーンスノーでもある程度の操作性を発揮しつつ、メタルレイヤーの効果によって圧雪バーンではキレのある高速カービングターンを楽しめるタイプ。整地6〜7、不整地3〜4といった割合か。
LINE|BLADE
D=154-95-124mm|L=169、176、181cm|R=TIGHT|10万5600円
ディープパウダーモデル並みの極太ノーズからギュッと絞り込まれたウエスト。この極端に絞り込まれた過激なアウトラインにより、体を倒し込んだ深いターンから、クイックでキレのあるターン、適度にズラしたスライディングまで自由自在。カービングモデルとはひと味違うフリースキーらしいターンの楽しみを生み出してくれる。
VÖLKL|M6 MANTRA
D=135-96-119mm|L=163、170、177、184cm|R=30/18/24m(177cm)|9万6800円
マウンテニアリング、バックカントリー、フリースタイルと、それぞれに充実のラインナップを揃えるフォルクルにあって、数々の名機を生み出してきたフリーライドモデル。登場以来評価の高い「マントラ」の第六世代は、定評あるチタナールフレームに網の目のように広がるカーボンをプラス。荒れたバーンを苦も無く切り裂く。
FISCHER|RANGER 99 TI
D=130-97-121mm|L=174、181、188cm|R=18m(181cm)|11万円
フィッシャーのフリーライドモデルからのディレクショナルモデル。この「99 TI」は130mmの幅広ノーズと99mmウエストがパウダーでの浮力を生み、ダブルチタナールレイヤーと長めのコンタクトエッジが荒れたバーンやハードパックで安定したエッジグリップ力を発揮する。ほかにフリースタイルな「FR」シリーズもある。
https://www.goldwin.co.jp/fischer/alpine2021/
HEAD|KORE 99
D=134-99-120mm(177cm)|L=170、177cm|R=17m(177cm)|9万3500円
ヘッドのフリーライドモデル「コア」シリーズ。軽量なポプラウッドコアにカーボン、グラフィン、グラスファイバーを幾層にもレイヤードし、軽さと浮力、操作性を兼ね備えている。メンズモデルは87から117mmまで7mmピッチで6モデル、ウィメンズは85から103mmまで同じく4モデルと、選択肢の多いサイズ構成も特徴的。
【FREESTYLEモデル】
いわゆるツインチップスキーのDNAが息づくパークライド向け。細すぎないウエスト幅がジャンプの飛び出しやランディングの安定感、グラトリでの操作性などをアップさせている。
ARMADA|EDOLLO
D=131-98-121mm(172cm) L=164、172、180cm R=19.9m(172cm) 9万1300円
フリースキーを牽引してきたアルマダから、ご存じヘンリック・ハーロウがプロデュースするフリースタイルモデル。バター系トリックのしやすい控えめなノーズ&テールロッカーに、足下はキャンバー。耐久性のある2.5mmエッジにレーシングソール、軽量で剛性あるポプラコアと、まさに実戦的なフリースタイルスキーヤー向け。
WAPAN|HO
D=125-100-125mm|L=171cm|R=18.5m|10万7800円
日本で企画とデザインを行いアメリカの工場で生産する個性派ジャパンブランド。和柄のグラフィックは元スキーレーサーでアパレルを中心に活動している国内のクリエイティブユニットによるもの。ウエスト122mmのパウダーモデルから90mmのパークモデルまで「イ」「ロ」「ハ」「ホ」と4モデルが揃う。HOはセンター100mmの幅広く使えるパークモデル。
LINE|BLEND
D=133-100-122mm|L=171、178、185cm|R=20m| 7万7000円
フリースキーの進化と共に歩んできたライン。そのブランド誕生時のDNAを色濃く受け継ぎながら進化を続ける代表作「ブレンド」。ツインチップに緩やかなロングノーズ&テールロッカーをミックスしてバター系トリックを容易にし、バランスのいいミディアムフレックスがジブからパークまで自由なライディングをサポートする。
【TOURモデル】
ツアーモデルのなかで最も多くラインナップされているのがこのクラス。細めのボディに加えて、カーボンを多用した軽量ウッドコアで超軽量に仕上げられ、ロングツアーにも対応する各種モデルが揃っている
BLACKDIAMOND|HELIO CARBON 95
D=124-95-113mm(176cm)|L=162、169、176、183cm|R=19m(176cm)|10万2300円
バックカントリーに特化したブランドからの軽量ツアーモデル。しなやかな桐材ウッドコアとレスポンスを生み出す格子状のプリプレグカーボン、ABS樹脂のサイドウォールを配したサンドイッチ構造。非常に軽量ながら、最新のテクノロジーによってターンのバタ付きを抑えている。ウエスト115から88mmまで全4モデルが揃う。
https://www.lostarrow.co.jp/store/c/c1030/
K2|WAYBACK 96
D=128-96-115mm|L=170、177、184cm|R=22m(177cm)|9万3500円
ロングセラーを続けるK2の人気ツアーモデル。カーボンを細かくストリンガー状に配した軽量ウッドコアと、足下周辺のみにチタナールを使用し、軽量性と滑走性を両立。軽量カーボンモデルにありがちなバタ付き感を抑え、ウッドコアの特性を生かした粘り気のある滑らかなターンが特徴的。ウエスト幅のバリエーションも豊富。
VÖLKL|RISE BEYOND 96
D=138-96-119mm|L=156、163、170、177、184cm|R=24/17/22m(177cm)|11万円
複数のウッドと合成素材を組み合わせたハイブリッド芯材と、軽量で耐久性あるカーボンをトップシャベル部分に配したフォルクルの超軽量ツアーモデル。ノーズロッカーにキャンバー、ストレートテールで、雪質への対応とターンの安定感を生み出す。着脱しやすい専用スキンシステム(別売り)を備え、ウエスト82から96mmまで4モデルが揃う。