ギア選びでつい後回しにされがちだが、スキーポールが滑りのパフォーマンスに与える影響が決して小さくないことを体感している人は多いはず。重さやスウィングバランス、長さ、グリップの握りのフィーリングなど、微細な部分が重要だったりする。大自然がフィールドのバックカントリーでは、登行の補助などゲレンデとは全然違った使い方もする。では、どんなポールがいいのか? 専門知識が十分にないと「コレ!」というポールを選ぶのはやさしくない。
そこで助けになるのがプロショップ。蓄積してきた豊富な知識とユーザーからの声などを統合して、多面的にプロダクトを比較検討して評価するアドバイスは説得力がある。23-24シーズン、選眼力の高いプロショップスタッフが「これはいい」と高く評価する'23-24シーズンおすすめのポールたちを紹介しよう。
'23-24シーズンおすすめのスキーポール
SINANO |FAST BC カーボン
超軽量でスウィングバランスの良いコストパフォーマンス最高のバックカントリーポール
特徴的なT字グリップは、中指・薬指・小指の3本でしっかりと上から握ることで、荷重がかけやすく、ポールの操作性を失わないよう設計されています。また、手のひらに荷重をかけやすい設計にもなっています。グリップ先端部に硬い素材を採用し、クライミングサポートの操作も快適です。超軽量アルミ&カーボンの組み合わせと、重心が手元になる設計によってスウィングバランスの良い、コスパ最高のバックカントリーポールです!
レビューワー
Mt.Peaks
Staff/立見浩一さん
POLEFREAK|FAT-BLAST
一人のポール職人が作っていて、手曲げのカスタマイズもあり。数に限りがあるのもレア!
◆公式SNS/https://www.instagram.com/polefreak.pb/
高強度アルミの抗張力引き抜きによって製造された超軽量ポール。繋ぎ目のないアルミシャフト表面にshot加工(サンドブラスト)加工を施し、表面硬度と最高のバランスを実現したモデル。3色のパウダーリングや3色の天然皮革製ストラップや、なんと手曲げ加工によるカスタマイズも可能。たった一人のポール職人が作っているので、数に限りがあるのもレアです。’23-24シーズンはチタンが出るとか出ないとか!?
作り手の職人さんはボクのよく知る方です。彼の想いはこんなところです。
「このポールを手にした スキーヤー、テレマーカー、スノーボーダー、山岳スキーレーサー、トレイルランナー、ハイカー、ウォーカー、はたまた、アルピニストまで、いろんなフィールドで 出会った人達が、「あっ!お前もフリーク!」って言ってもらえるようなポールを作りたい。そんな気持ちでスタートしたポールブランドなんです。作り手が遊び手。遊び手が作り手。使ってくれる人達の笑顔を思いながら作ったポールです」。
昨シーズン、プライベートで滑りに行った際、白馬乗鞍の宿「チャミンゴ」の前でどしゃ降り雨のなか、見知らぬスキーヤーに声をかけられたんですが、その人の手にはボクと同じモデルのPOLEFREAKがありました。
レビューワー
サンワスポーツWEBSPORTS
Staff/大口 晋司
KANG|FLAX ALL-MOUNTAIN
自然のなかで遊ばせてもらっているから、少しでも環境に貢献できるものを選びたい
◆公式HP/https://www.full-marks.com/kangpoles/
KANGは亜麻や竹、リサイクル可能なアルミニウムを使用していて環境に配慮された素材で作られています。今回私が選んだFLAX ALL-MOUNTAINは亜麻を100%使用してます。前モデルはカーボンを30%使用してましたが、素材を100%亜麻にすることでさらにCO2の排出量を抑えより環境に配慮されています。KANGポールは、各モデルでカラーバリエーションが豊富だったり、デザインが北欧らしくて洗練されているところもオススメです。僕たちは自然のなかで遊ばせてもらっているので、使う道具を選ぶ際も少しでも環境に貢献できるようなものを選びたいと思ってます。
レビューワー
秀岳荘 北大店
Staff/登山・スキーマネージャ― 小路口稔さん
LEKI|HELICON LITE
不意の転倒時など手からポールをリリースできるセーフティーシステム搭載
ストック老舗メーカー「LEKI」ですが、バックカントリーポールに関しては、まだまだ日本だとあまり「良さ」が浸透していない感を個人的に感じます。しかしグローバルに目を置くと、私も大好きな「マーカス・カストン」ほか、山を駆け巡るアスリートも使用している信頼は折り紙付きです。今回紹介するモデルは、ラインナップではミドルクラスに当る「HELICON LITE」になります。
不意の転倒等生じた場合、手からポールをリリースできるセーフティーシステム搭載。バックカントリーでは不意の転倒等生じた場合、自身の外傷軽減の観点でポールを体からリリースすることは非常に重要になります。レキストックは各種モデル、形は違いますがリリースシステム搭載モデルが多いです。グリップもサブグリップ搭載でエントリーユーザーにも使いやすい仕様です。
レビューワー
石井スポーツ ヨドバシ甲府店
Staff/甘利祐貴さん
PADDLE CLUB|パドルクラブオリジナルポール
なんせコスパ最強で調子がいい。パウダーばかり滑る方やBC派にもオススメ!
◆公式HP/https://www.paddleclub.net/
自社製品を宣伝するつもりでは全然なく、このPADDLE CLUBのオリジナルポール、まさに「シンプルイズ・ザ・ベスト」なんです。95~125㎝に調整可能な伸縮ポールで、製造はポール専門メーカーのSHINANOさんにお願いしています。上段はアルミ、下段はカーボンを使用し、圧で締まるレバー式ロック。コストパフォーマンスも最高で、なんせ調子がいいです。
グリップの形状が長方体で方向性のある握り形状、これがなじみが良く、ロックレバーの位置も絶妙で相まってスイングバランスが抜群です。ゆるみが出ても小銭で増し締めできるので、使い勝手が良くてトラブル知らず。僕の学生のときからのお気に入りグリップで、これがついているモデルばかり使っています。リングもネジ式なので、パウダーリングにも変更可能。パウダーばかり滑る方や、BC(バックカントリー)スキーヤーにもオススメです。
レビューワー
PADDLE CLUB
Staff/加藤功二さん
FACTION |Prodigy
手に取りやすい価格も嬉し。アグレッシブなフリースタイルスキーヤーたちに
◆公式HP/https://jp.factionskis.com/
Prodigyポールは、調節可能なストラップとラバーグリップが搭載され、軽量アルミニウムが使用されています。5色のカラーバリエーションから選べ、アグレッシブなフリースタイルスキーヤーたちに! 高い信頼性と手に取りやすい価格を実現していると思います。
レビューワー
Mt.Peaks
Staff/立見浩一さん
SWIX|SONIC R1
少し値は張っても様々な点で非常に使いやすい、長く使える「逸品」!
◆公式HP/https://swix.co.jp/
基礎スキーシーン、ゲレンデスキーシーンで人気のある「SONIC R1 DEMO」をリメイクしたモデルです。グリップをバックカントリーでも使いやすいマルチハンドルに変更。軽量で丈夫なカーボンシャフトを上下段に採用した伸縮式ポールです。リングも75mmのワイドバスケットに変更仕様。まず使った感想はとても軽い。これは最大のメリットですね。それでいてシャフト径が極端に細いわけではないので、ストックワーク時のシャフトの「ブレ」が大変なくストレスを感じにくいです。
パウダーリングも空気抵抗を感じにくい気がします。意外にパウダーリングって、形や質量によってはストックを振ったときに空気の抵抗を作ってしまい重く感じてしまいます。マルチハンドルグリップもそこまでグリップ系が大きくないので、手の小さいユーザーも使いやすいのも◎。少し値段は張りますが、長く使うことを考えれば決して高くはない逸品だと思います!
レビューワー
石井スポーツ ヨドバシ甲府店
Staff/甘利祐貴さん
ARMADA|TRIAD BB
パウダーフリークにうってつけのアルミポール、さすがARMADA!
◆公式HP/https://armadaskis.jp/
パウダー好きに送るコスパ◎のアルミポール。もとからパウダーリングがついている1本ものポールです。リフト回しでパウダーを滑り倒したい方は伸縮する必要がないので、余計な心配がなくガシガシ使えます。デザインもさすがはARMADA、オシャレなのでぜひチェックしてみてください。
レビューワー
PADDLE CLUB
Staff/加藤功二さん
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